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【武豊】諦めずに道を探せば「復活」もある

[週刊大衆11月09日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

人生に役立つ勝負師の作法 武豊
諦めずに道を探せば「復活」もある


栄枯盛衰――どんな世界であれ、永遠に第一線で輝き続けることはできません。

サラリーマンの方なら定年退職。スポーツ選手なら現役引退……誰にでも平等に、いつか、その時はやってきます。分かってはいても、今年のプロ野球界は、ちょっと驚くほど多くの一流選手が現役を退きました。

中日の山本昌投手。同じく小笠原道大選手。和田一浩選手。谷繁元信兼任監督も、選手としては引退。西武の西口文也投手。楽天の斎藤隆投手。オリックスの谷佳知選手。愛してやまない阪神タイガースの関本賢太郎選手……。思いつくままに数えていくだけでも、今年は、両手両足の指ではとても足りません。

まだ、やれる。もしかしたら、もう、無理かも……。
自ら引退を決めることができないサラブレッドの場合は、さらにこの見極めが難しくなります。

1999年10月31日に行われたGⅠ「天皇賞・秋」(芝2000メートル)。スペシャルウィークの背中に跨った僕の心は揺れていました。
彼は僕に初めて、"ダービー・ジョッキー"の称号をプレゼントしてくれた最良のパートナーです。その強さは、誰よりも僕自身が一番、分かっています。それが、この年の7月に行われたGⅠ「宝塚記念」では、グラスワンダーに3馬身差の完敗。復活を期した秋初戦の「京都大賞典」では、まるでいいところがなく7 着に敗退。「天皇賞・秋」の直前調教でも、500万条件の馬に遅れをとるなど、「スペシャルウィークは終わった……」という声が飛び交っていました。

もう強かった頃とは違うのかな――レースを前に弱気になったことも確かです。
それでも、オグリキャップの引退レース「有馬記念」じゃないですが、強い馬はやっぱり強いんじゃないか……そう思い直して、負けたレースを見直し、彼にとってのベスト騎乗をもう一度、ゼロから考え直してみることにしたのです。
粘る敵を交わして見事に復活勝利!

その結果、辿り着いたのがダービーを勝った当時の強い競馬……後方待機から最後の直線にすべてをかけるというものでした。普段はいろんなケースを想定し、ゲートが開いてからもう一度、組み立て直すことが多いのですが、このレースに限っては、スタート前から乗り方を決めていました。

最後の直線、残り200メートルのところで、先頭との差はまだ7~8馬身。

――届くか!?
――届いてくれ!

想いは届き、最後は粘るステイゴールドをクビ差交わしての1着。その瞬間、勝ったうれしさはもちろん、「まだ、強かった」という喜びがこみ上げてきました。

今年のパートナーは、9戦8勝。前走GII「毎日王冠」を制し、勢いに乗っているエイシンヒカリです。距離の延長、さらに強くなるメンバー構成を考えると、楽な競馬にはなりそうもありませんが、スペシャルウィーク同様、戦法はただひとつです。今週末、みなさんと東京競馬場で喜びを分かち合えるように、ベストを尽くします。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】諦めずに道を探せば「復活」もある

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