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2大国民食の意外なヒミツ「カレーVS牛丼」徹底解剖!!

[週刊大衆11月30日号]

2大国民食の意外なヒミツ「カレーVS牛丼」徹底解剖!!

日本代表の“国民食”。健康スパイス食の王様、満腹スタミナ飯の大統領……う~んどっちも捨てがたいなあ。
さて、問題です。我々日本人は平均して、1年に何回、カレーを食べているでしょうか? 正解は、なんと、およそ78回(農水省や缶詰協会の統計)。日本人は週に1度、あのスパイシーなぶっかけ飯を食らっているのだ! グルメ誌ライターが言う。
「もちろん、このデータは、外食、家庭のカレー、レトルトなどをすべて合わせたもの。そう考えると、"あ、食べてるわ"と気づかされる人は多いはずです」
ラーメンでさえ、外食、インスタントを合わせても、年間約50杯という。日本の"国民食"は、カレーで決まりだろう。トロトロの熱いカレーをアツアツご飯にかけ、ガツガツと一気にかき込む。吹き出す汗、次第にジリジリする舌、温まる胃と全身……ああ、ウマイ!
しかしながら、
「カレーよりも、牛丼ですよ!」
と声を荒げるのは、B級グルメ愛好家の柳生九兵衛氏だ。
「物価の上昇や景気の動向を測る指標として、必ず注目されるのが、牛丼の値段。そして、"吉野家・すき家・松屋"の3大チェーンの売り上げです。それだけ、日本の国民食っていうことでしょ?」(前同)
牛煮込みをドンブリ飯にぶっかける。軽く七味をかけ、紅生姜を添え、箸で丼の中身を掻き出すように"肉と白米"のハーモニーを堪能……ああ、ウマイ!
みんな大好き「カレーVS牛丼」、いったい、どっちが究極のB級グルメなのか? うんちくを頼りに"国民食"を徹底解剖!
まず、比較するべきは【値段】。"カレーは高い"と思うなかれ。全国に約1260店を展開するナンバー1チェーン『カレーハウスCoCo壱番屋』のメニューを見ると、「ポークカレー」が442円。ワンコイン以下で、意外とカレーは外食でも高くない。
「ただ、CoCo壱番屋の場合、ほとんどのお客さんが具材を追加でトッピングをするので、実際の客単価は800~850円。トッピングの種類は40種類超。さらに、辛さやライスの量を自分で選べるので飽きがこないのも魅力です」(情報誌ライター)
唐揚げ、ロースカツ、ホウレンソウといった定番から、カキフライなど季節限定のものもあり、バリエーションは無限大。エビにこみカレー(648円)に、カキフライ(390円)をトッピングで、いただきます……1000円以上したけど、超濃厚でウマ~イ!
しかし、今は"値段"の勝負である。牛丼のターン。
「激しい価格競争の末、一時は280円まで下がりましたが、現在は、吉野家、松屋が380円。すき家が350円で落ち着いていますね」(前出の柳生氏)
さすがは"うまい、安い、早い"の食文化だ。加えて、
「10月に妥結したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が発効されると、牛肉の関税率が現在の38.5%から27.5%に引き下げ(その後、段階的に削減し、16年目には9%に)。TPPの影響で、牛丼の値段が20円ほど下がる試算もある」(経済誌記者)
あまりの価格破壊に失神しそうである。さらに、
「最近は、吉野家が一部の店舗で"ちょい飲み"が楽しめる『吉呑み』というサービスを提供し始め、好評です。牛煮込み(350円)や牛すい(同)など、安くて、おいしいオリジナルのおつまみも充実しています。松屋でも、ビールサーバーを導入し、同様のサービスを展開中。松屋では、生ビールの小ジョッキが、150円です」(柳生氏)
恐るべき価格破壊。ゴクッ、ゴクッと、生ビールを喉でやり過ごしつつ、牛肉を味わおう。第1ラウンド【値段】は、牛丼の勝利!
続けて【健康】だ。値段で先制した牛丼だが、それだけでなく、「最近、牛丼は栄養バランスの取れた美容食としても、注目されている」(女性誌記者)なんて話も飛び出してきた。
「グツグツ煮ることで、牛肉の余計な脂質(飽和脂肪酸)がしっかり落ちる。加えて、牛肉は9種類の必須アミノ酸をバランスよく含み、鉄や亜鉛などのミネラルも豊富です。タマネギだけじゃビタミンや食物繊維が足りないなら、"うま塩ダレ"で蒸した11種類の温野菜が添えられた、吉野家の『ベジ牛丼』(650円)という選択肢もあります」(前同)
この"ベジ丼"に代表されるように、現在、特に吉野家は健康志向を強めている。
「今、同志社大学大学院をはじめ、複数の大学や研究機関と共同で、健康効果に関する様々な研究をしています。牛丼のヘルシーさを立証するとともに、さらに健康的なメニューの開発も進めていくようです」(同)
まさかのヘルシー路線だが、バランスあっての食生活。牛丼店もお客様本位だ。
カレーは、ここから猛反撃である。多種多様なスパイスによる健康効果は、人口に膾炙(かいしゃ)している。
「カレーのスパイスには、消化吸収や血行促進を促し、新陳代謝を高める働きがあります。これからの冬、つらい冷え性の改善にもカレーは有効です」(食品会社の研究員)
中でもカレーを黄色にしているのが、ターメリックという香辛料。ウコンの地下茎を乾燥したものだが、これがすごい。肝臓にいいだけじゃない。
「ターメリックに含まれる"クルクミン"は、脳のストレスを軽減し、海馬を修復してくれます。これは、認知症予防や改善にもなります」(前同)
のみならず、
「クルクミンは、腸管を通る際、強い抗酸化作用で、発がん物質を撃退する"テトラヒドロクルクミン"に変化することも分かっています」(同)
そう、クルクミンはがんにも効く。それに、辛み成分のカプサイシンが"幸せホルモン"といわれるセロトニンの合成を効率化す
る。要するに、うつ病にモロに効くのだ。全身がダルいときは、カレーをモリモリ食べてしまおう。【健康】では、カレーの勝ち!
福沢諭吉がカレーを初紹介!
さて、1-1の引き分け。次の勝負は【歴史】だ。
「カレーライスは、1700年代にインド料理を元にイギリスで生まれ、日本で発展した料理です。日本に初めて紹介されたのは福沢諭吉が"Curry(コルリ)"と記した、1860年出版の『増訂華英通語』。そして、調理法としては、1872年出版の『西洋料理指南』や『西洋料理通』に紹介されました」(グルメ誌記者)
カレーの普及に大きな影響を与えたのは、"軍隊"である。
「1873年、日本陸軍幼年学校では、毎週土曜日の昼食に"ライスカレー"を導入しました。さらに1908年、大日本帝国軍が、イギリス海軍で軍用食として食べられていたカレーのレシピをマネして、これを採用したんです」(前同)
そして戦後、復員した兵士たちが、各地でカレーを広めたという。
「加えて、第二次世界大戦後、全国的に学校給食のメニューにもカレーライスが採用され、よりカレーが一般に広がっていきました」(同)
ちなみに、現在の自衛隊にも、カレーを食べる習慣は続いているという。
「長期航海中に曜日の感覚を取り戻すためという理由もあり、土曜昼のカレーは日本海軍を経て、海上自衛隊にも引き継がれました。週休2日制となった現在は、金曜の昼に全部署でカレーを食べている。この"海軍カレー"が一番有名だが、陸上自衛隊、航空自衛隊でも、各部隊で独自のレシピのカレーがあり、基地の食堂などでも食べられるようになっている」(防衛省関連スタッフ)
海軍の街、横須賀ではやはりカレー店が多く、"カレーの街"を標榜。"海軍カレー"が大好物という本誌編集部員いわく、
「とろみがあって香りが良くて、適度にスパイシー。人参、ジャガイモ、お肉がコロコロしてて、オーソドックスなのに懐かしくて、なんだか絶妙にウマい……それが、海軍カレーです。というか、おいしい"普通のカレー"ですよ」
厳密な定義はなく、"いわゆるライスカレー=海軍カレー"というのが通説なのである。
レトルトでも多数販売されている"海軍カレー"。試しにチンして、いただきます……うほっ、レトロなしっかり味で、ああウマイ!
一方、牛丼の始まりは明治時代。19世紀後半とされている。
「牛鍋を丼飯にかけた料理"牛鍋ぶっかけ"が原型で、当時は"牛めし"と呼ばれていました。その後、"牛丼"と名付けたのは、1899年に東京・日本橋にあった魚市場に吉野家を創業した松田栄吉。3大チェーンの中では、松屋だけが今も"牛めし"という名称にこだわって使用していますね」(飲食店コンサルタント)
その松屋だが、創業者の瓦葺利夫が、1966年に東京都練馬区に「中華飯店松屋」を開業したのが始まりである。 外国人観光客が牛丼に大行列
「その後、吉野家の味に感銘を受けて研究を重ね、1968年、江古田に牛めし・焼肉定食店として松屋をオープンさせました」(前出のグルメ誌記者)
松屋の牛めしもいただきます……おっ、吉野家よりもちょっと薄味で、味が締まってウマイ!
すき家は、もっと新しく、1982年創業。
「地道に事業を続けていく中、2000年代以降は、ドライブスルーの設置や、ショッピングセンターのフードコート内へ積極的に出店しました。店舗数を一気に増やし、07年の沖縄県進出で、牛丼チェーンとして吉野家に続き、全都道府県出店を果たしています」(前同)
すき家の牛丼も、いただきます……う~ん、甘味が絶妙で、"すき焼き丼"のよう。なのに、重くなくて、ああ、ウマイ!
とはいえ、展開が世界規模のカレーに比べたら、歴史はまだ浅いのが正直なところ。【歴史】はカレーの勝利で連勝。1-2で逆転!
さて、インド発祥、イギリス経由で日本に辿り着いたカレー。ということは、【海外受け】も圧勝か?
「CoCo壱番屋は、05年の台湾を皮切りに、海外進出を進めています。日本のカレーはあくまで"日本のカレー"であって、エキゾチシズム(異国情緒)として楽しまれているに過ぎません」(前出のコンサルタント)
一方の牛丼だが、意外や意外、その30年前の1975年、吉野家はデンバーにアメリカ1号店を出店しているのだ。
「現在は600店を超える海外店舗があり、どこも大人気。日本に来る外国人観光客には、"本場の吉野家"を楽しみに来る人も多いようです。繁華街の牛丼店には、外国人観光客が行列を作ることもあるほど」(同)
にわかには信じ難い話だが、これこそがメイド・イン・ジャパンの力。【海外受け】では牛丼の勝利!2-2と引き分けとなった「カレーVS 牛丼」。そもそも、勝負などせずどちらも一緒に味わえる「カレギュウ」(=松屋、吉野家は「牛カレー」、すき家は「牛あいがけカレー」)を食べてればよかった――ってか!?

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