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又吉だけじゃない! 小説家としても評価の高いお笑い芸人・タレントたち

又吉だけじゃない! 小説家としても評価の高いお笑い芸人・タレントたち

 今年はお笑い芸人のピース・又吉(35)が小説『火花』(文藝春秋)で芥川賞を受賞して話題になったが、以前も俳優の水嶋ヒロ(31)が2010年に小説『KAGEROU』(ポプラ社、著者名は本名の齋藤智裕)で第5回ポプラ社小説大賞を受賞したり、いろんな芸能人が本業とは違った才能を発揮している。作品がベストセラーになった芸能人もいれば「えっ、こんな人が?」と、人知れず小説を書いていた芸能人だっているのだ。

【お笑い芸人編】
●品川庄司・品川祐(43)・『ドロップ』(リトルモア)……自身の経験を元に、“信濃川ヒロシ”という少年の中学から高校時代を描いた青春小説『ドロップ』を2006年8月に出版。2007年3月から『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)で鈴木大により漫画化され、現在も連載中。2009年には自身が監督・脚本を務めて映画化された。小説の他にもブログ本や料理本『品川食堂』(ワニブックス)も執筆している。執筆者名は品川ヒロシ。

●劇団ひとり(38)・『陰日向に咲く』(幻冬舎)……6人の陽に当たらない落ちこぼれな人たちが、社会復帰するまでの道のりを描いたオムニバス小説『陰日向に咲く』を2006年1月に出版。お笑いタレントが本気で書いた小説として話題を集めてベストセラーになり、2007年の『本屋大賞』にノミネートされたが、受賞は逃した。2008年1月に映画化されたのだが、本作の映像化をめぐって、数十社が争奪戦を展開したそうだ。

●千原兄弟・千原ジュニア(41)・『14歳』(講談社)……14歳の頃の自身が引き篭もっていた日々、そして再生への道程を自伝的に書いた小説『14歳』を2007年1月に出版。2009年3月にテレビ東京系列の単発スペシャル企画『14歳〜千原ジュニア たった1人の闘い』としてドラマ化され、千原本人へのインタビューも劇中に挿入されていた。翌年出版した『14歳』の自分のその後について書いた『3月30日』(講談社)は第25回織田作之助賞候補作となった。

●爆笑問題・太田光(50)・『マボロシの鳥』(新潮社)……年100冊を超えるペースで本を読む読書家で、2009年発行の『向田邦子全集』(文藝春秋)の解説を手がけたこともあった。2010年に出版した短編集『マボロシの鳥』は、ファンからも「描写が稚拙」「好きな作家に影響されすぎ」など、評価は厳しかった。文学賞に対する執着が強く、ピース・又吉直樹(35)の芥川賞受賞に関しては、高く評価をしながらも、ラジオ番組『JUNK・爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で激しい嫉妬心を露わにして、相方の田中裕二(50)に呆れられていた。

●鳥居みゆき(34)・『夜にはずっと深い夜を』(幻冬舎)……自身が創作するコントは、安部公房が原点になっていると語るほどのファンで、中高生の頃から夢野久作、沼田まほかるなどの作品を愛読する文学少女だった。2009年に出版した『夜にはずっと深い夜を』は、過剰な愛情、コンプレックス、悲しみなどを抱えた女たちの、狂気の叫びを表現した作品集で、「純文学の小説家としての優れた筆力がある」など高い評価を受け、2012年には2作目の『余った傘はありません』(幻冬舎)を出版した。

●インパルス・板倉俊之(37)・『トリガー』(リトルモア)……出版社の社長に「なにかやってみないか」と声をかけられ、拳銃を手に悪を裁く男が主人公の小説『トリガー』を1年半以上かけて書き、2009年7月に出版。ハードボイルドな作風は評価が高く、『キャッツアイ』などを描いている人気漫画家、北条司(56)にも絶賛され、2011年には雑誌『漫画サンデー』(実業之日本社)で漫画化された。また、ガンダム好きで知られていて、2013年11月にはガンダムの制作会社・サンライズの全面協力を受け、ガンダム小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』(角川書店)を出版している。

●アンジャッシュ・渡部建(43)・『エスケープ!』(幻冬舎)……食べ歩きが趣味でグルメ本も出版しているが、時間が空くと地方予選にとどまらず、強豪校の紅白戦なども観戦するほどの高校野球マニアでもある。また、読書家でもあり、2009年にコメディ小説『エスケープ!』を出版。緻密なシチュエーションと予想を裏切り続けるトリッキーな展開が読者に好評だったが、コミカルなシーンでは「アンジャッシュのネタじゃないか」と突っ込まれていた。

●キングコング・西野亮廣(35)・『グッド・コマーシャル』(幻冬舎)……お笑いの他にも、俳優、歌手、ムード歌謡曲の作詞作曲など芸が多彩で、絵本作家としてもニューヨークで個展を開催するほどの人気だ。小説家としては、借金に苦しむゴーストライターが人質たてこもり事件を企てるストーリーの『グッド・コマーシャル』を2010年5月に出版。熱烈なファン以外からの評価は「芸人の自己満足本」などと手厳しく、15万部売れたらコンビ解散と発売記念サイン会で豪語していたが、どうやら、うやむやになったようだ。

●しずる・村上純(34)・『短編小説集 青春箱』(双葉社)……持ちネタの甘酸っぱい青春コントが出版社の目に止まり、短編執筆の話が舞い込んで来たそうで、昨年4月に『短編小説集 青春箱』を出版。ピース・又吉と仲がいいため、後書き代わりに彼との対談による全作品解説レビューが収録されている。発売記念の記者会見では、当時話題になっていた作曲家のゴーストライター問題にからめて、「自分で書いたのか?」と尋ねられると、「ちゃんと書きましたよ! ちゃんと自分のパソコンから送ってましたから!」と反論した。

【俳優・タレント・モデル編】
●陣内孝則(57)・『スマイル―聖夜の奇跡』(幻冬舎)……ロックバンド「ザ・ロッカーズ」のボーカルとしてデビュー後、1982年から俳優として活躍しているが、2007年8月にアイスホッケーの弱小チームで、素人監督と子どもたちが奮闘する『スマイル―聖夜の奇跡』を出版。同年12月公開の同タイトル映画(東宝)は、自らが監督・脚本を務めている。

●押切もえ(35)・『浅き夢見し』(小学館)……既にエッセイや旅行ガイド本を執筆していたが、雑誌やテレビの仕事だけではモデルの仕事の大変さを伝えきれないと、約3年かけて書き上げた、売れないモデルが主人公の小説『浅き夢見し』を2013年8月に出版。本作を高く評価した文芸誌編集部のアプローチにより、昨年末には『小説新潮』(新潮社)1月号で筒井康隆(81)、林真理子(61)、角田光代(48)など、そうそうたる小説家と肩を並べて、2作目となる『抱擁とハンカチーフ』を発表している。

●吉木りさ(28)・『誰かさんと誰かさんがネギ畑』(竹書房)……バラエティーやCM、女優、演歌歌手、民謡、三味線と多彩な才能を芸能界で発揮しているが、文才もあったらしく、学生の頃から小説をコツコツと書いていたそうだ。2013年6月に出版されたデビュー作『誰かさんと誰かさんがネギ畑』は、原稿用紙にして約380枚超の大作で、中学時代の同窓会で再会した25歳の4人の女性たちの人生をつむいでいる。

●加藤シゲアキ(28)・『ピンクとグレー』(角川書店)……ジャニーズ事務所のアイドルグループ「NEWS」のメンバーで、歌や演技で活躍しているが、2011年11月に事務所所属のタレントして初の小説家デビューすることを宣言。翌年1月28日、芸能界デビューをきっかけに、成功と挫折という正反対の道を歩むことになった、2人の青年が主人公の『ピンクとグレー』を出版した。その後、執筆した『閃光スクランブル』と『Burn. -バーン-』(同じく角川書店)と合わせて、『渋谷サーガ』3部作とされ、芸能人が書いた小説のレベルをはるかに超えていると高評価を得ている。

 書店のタレント本の棚に並んでいるのは、エッセイやネタ本ばかりかと思ったら、読み応えのある小説もあるようだ。今年の冬は、暖房のきいた部屋で今回紹介した作品のページをめくってみては、いかがだろう。

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