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それでも安倍政権を支持する理由「サイレントマジョリティの真実」

[ヴィーナス12月04日号]

それでも安倍政権を支持する理由「サイレントマジョリティの真実」

 国会議事堂前に多くの人を集めた安保法案への抗議デモや、チャイナショックの影響をもろに受けた国内の株価低迷。表面だけ見ると、最近の安倍政権が順風満帆とはとても思えない。しかし、内閣改造後の10月の世論調査では安倍政権の支持率は40%台に回復し、すでに政権発足から丸3年を迎えようとしている。数字を見れば、明らかに安倍政権は国民の一定の支持を受けていると言える。小泉政権以来の長期政権となりつつある安倍政権。果たして、その理由はなんなのか? 新聞やテレビの報道では分からない、安倍政権が支持される理由を探ってみた。まず人気の理由を解き明かす鍵は、第2次安倍政権が発足した2012年当時の政治状況にある。

「それまで与党だった民主党政権、それ以前の自民党政権でも短命な内閣が続き、1年で総理がコロコロと変わりました。当然、安定した政権運営はできず、諸外国からの信頼も薄い。国民全体に、安定した政権を望む空気が満ちており、次こそはという期待感に満ちていました」(全国紙政治部デスク)

 このことが12年の総選挙で自民党を大勝に導き、安倍政権の安定につながっていったのだろう。また、政治に詳しいタレントの春香クリスティーンさんは、「その大勝が安倍政権にもたらしたものは大きい」とも指摘する。「議席を持っていれば、野党を気にせず思い切った政策を実行することができます。やはり実行力のある政権というのは、いいイメージを持ちます。また、議席数と支持率をバックに、自信を持ってやっているな、という印象です。これまでの政権と比べれば、問題発言で辞職する閣僚も少ないし、少々のことは気にしないたくましさがあります」

 安倍政権といえば景気対策など経済政策が注目されているが、「アベノミクス」や「3本の矢」など、どれもネーミングがキャッチーだ。これもまた、庶民が親しみやすさを感じる要因の一つと言えるだろう。「キャッチーなテーマを打ち出すことで、次のステップを分かりやすく提示しているのも上手いなと思います。3本の矢も、最初は金融政策、次は財政政策と、順番に分かりやすく見せることで、国民も“任せてみよう”と期待するんでしょうね」(春香さん)

 次に、安倍政権の運営で思いつくのがインターネットの活用だろう。ホームページはもちろん、安倍首相みずからフェイスブックやツイッターなどのSNSで発信し、フォロワーも数多く持っている。「新聞やテレビ報道よりも、どこで、どんなことをしているのか、リアルタイムで細かく分かりますし、うまく新しいものに対応していますね。積極的に情報をオープンにする姿勢を見せるだけでも、イメージは良くなります」(春香さん)

 とはいえ、かつて安倍首相のツイッターで、なぜか山本一太参院議員が投稿しているとおぼしき人物がツイートをしたり、秘書の投稿が多かったりなど、完全には活用しているとは、とても言えない。春香さんも、「一般の人たちは、あまり見ていないと思う」と指摘しており、ネット活用はあくまでイメージ戦略の一つだろう。このように安倍政権が支持される理由というのは、いろいろと考えられるのだが、やはり最も大きいのが“代わりがいない”こと。そう、野党の存在感があまりになさすぎるのだ。最大野党である民主党は、自民党に大敗して以来、内部抗争でガタガタ。一時は急伸した橋下徹大阪市長率いる維新の党も、さまざまな紆余曲折を経たあげくに分裂。みんなの党は解党と、自民党以外に頼りにできる政党が皆無なのだ。

 ちなみに時事通信が実施した10月の世論調査によると、支持する理由で最も多いのが〈他に適当な人がいない〉というのが15%で最も多く、次に〈リーダーシップがある〉というのが12.5%で続いた。やはり国民は“代わりがいない”ということを実感している。「もちろん人気の理由は閣僚メンバーそれぞれに負うところもある。首相をはじめ、クールに会見を取り仕切る菅義偉官房長官など、各派閥に配慮しつつ、個性的な閣僚が揃っています」(前出の政治部デスク)

 それに加えて、党内人事も巧妙で、「仲の良い甘利明氏をTPP担当相に起用し、谷垣氏や石破氏も上手く配置して、波風が立たないようにしている。野党だけでなく、自民党内に敵がいないのは強みです」(前同)

 しかし、安倍政権を批判する勢力は党内や野党だけではない。前述した安保法案への抗議行動など、国会外でも“反安倍”の動きは若者にも広がっているように思えるのだが……。「報道で頻繁に取り上げられるので、国会デモはすごく活況なイメージはありますが、実際に一般の若い女性が関心あるかというと微妙ですね。もちろん他のデモに比べれば若い人も女性も多いと思います。でも残念ながら、政治にそこまで関心ある人は、まだ少ないと思います」(春香さん)

 実際、8月30日に行われた国会前の抗議行動には12万人が集まったと報道されたが、それはあくまで主催者発表。警察発表では3万3000人となっており、正確なところは正直、誰も分からない。もちろん政治に関心を持ち、自分の意思を表明することは大切である。ただ、安倍政権の実際の支持層はテレビには映らないところに多くいるのではないか!? 今回は、お笑い芸人のプチ鹿島さんに、安倍政権のメンバーをプロレスラーに例えてもらい、そのキャラクターを分析してもらった。

「まず菅官房長官ですが、彼はいわゆる寝業師ですね。政治家なので当然、総理の座を狙っていると思いますが、それを出さずに参謀に徹している。これはUWFインター時代に高田延彦の参謀として活躍し、“Uインターの頭脳”と呼ばれた宮戸優光だと思います。そして麻生太郎副総理は、お坊っちゃんで実力がありながら、再びトップには君臨できない点から、谷津嘉章です。麻生さんも谷津と同じく、バイプレーヤーで終わってしまうのでは」

 また、今回の第3次安倍内閣で話題になった稲田朋美政調会長については、「彼女は北尾光司でしょう。安倍首相のゴリ押しぶり、“この人がエースでいいの?”という周りの不安感は、ブーイングが多かった北尾を彷彿とさせます。それでも北尾のように逃げ出すことなく、しっかり仕事をしてほしいですね。また、総裁選で結局、手をあげずに終わった石破内閣府特命担当大臣は、まさしく藤波辰爾です。実力はあるのに政局オンチ。見ていて歯がゆく感じるところがそっくりです」

 鹿島さんは第2次安倍政権を、「理念先行で挫折した1回目の経験から、経済政策という王道アピールを忘れない」とも指摘する。なるほど、安倍政権の支持率好調は、やや安心して見ていられるという点にもあるのかもしれない。長らく交渉を続けてきたTPP対策の大綱も出し、さらなる盤石の態勢を築きつつある安倍政権。来年の7月には参院選が行われるが、現政権への評価は、どう出るのか?

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