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最強政権へのシナリオ? 安倍首相と橋下徹「衆参W選挙」密約スッパ抜き

[週刊大衆2016年01月25日号]

最強政権へのシナリオ? 安倍首相と橋下徹「衆参W選挙」密約スッパ抜き

 我が世の春を謳歌している独裁者が、地盤をより強固にすべく、喧嘩師とのタッグ結成にいま動き出した!

 1月4日に召集され、年明け早々、論戦の火蓋が切って落とされた国会。2015年度の補正予算案をはじめ、TPP(環太平洋経済連携協定)、安全保障法制と、与野党の争点は目白押しだが、永田町の関心事は、ただひとつ。「国会最終日の6月1日に衆院を解散するかどうかということ。解散となれば、7月10日投開票の日程で参院選とあわせたダブル選が可能になるのです」(自民党関係者)

 安倍晋三首相はダブル選について「まったく考えていない」と否定しているものの……。「解散権は、首相の“伝家の宝刀”。解散を公言し、わざわざ野党に選挙準備の時間を与えるようなことはしません。かつて、中曽根康弘元首相は、何度もダブル選の可能性を否定しつつも、突然、衆院を解散し、“死んだふり解散”と呼ばれたように、安倍首相も直前まで解散とは公言しないでしょう」(全国紙政治部記者)

 だが、永田町界隈では、今夏のダブル選挙が既定路線とし、すでに野党も選挙対策に動き始めているという。その流れを決定づけたのが、12月19日に行われた「安倍・橋下会談」だった。“橋下”とは言うまでもなく、「おおさか維新の会」法律政策顧問に就任した前大阪市長の橋下徹氏のこと。「安倍首相と菅義偉官房長官の政権首脳が、橋下氏、松井一郎大阪府知事(おおさか維新の会代表)と、東京都内のホテルで3時間半にわたり会談したのです。名目は、橋下氏の大阪市長退任の“慰労会”とされていますが、実際は、安倍首相がダブル選を前提に、7月の選挙後、おおさか維新の会が安倍政権を支える補完勢力となるように協力を要請したものとみられています」(官邸筋)

 安倍政権は安保法案で支持率を落としたが、11月の世論調査(共同通信社)では支持率48.3%に回復。盤石の基盤を築いており、そこに国民的人気を持つ橋下氏がタッグを組めば、鬼に金棒。さらに、安倍首相の追い風はまだまだある。「5月には伊勢志摩サミットが控えています。日本は議長国ですから、メディアもこぞって報道し、票に結びつきやすい。さらにダブル選となると、野党の協調は難しくなります。参院の1人区に加え、衆院の小選挙区に統一候補を出すわけにはいかなくなるからです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

憲法改正を目指す安倍首相としては、次の参院選で改憲発議に86議席の確保は至上命題。「安倍首相が、勢力を伸ばす絶好の機会を逃すはずはありません。したがって、改憲に消極的な山口那津男代表率いる公明党に代わる補完勢力として、改憲という大きな目的に前向きな橋下氏のおおさか維新とタッグを組むのは自然の流れと言えます」(前出・官邸筋)

 実は、この官邸サイドが進める極秘シナリオは、昨年の6月から密かに進行していたという。昨年5月、「大阪都構想」の是非を問う住民投票が大阪で行われ、1万741票差で反対が多数となった。その後、橋下氏は「政治家は僕の人生から終了です」と、政界からの引退を表明。「住民投票の直後、橋下さんが政界から引退しようとしていたのは事実です。ところが、翌月の6月14日、橋下さんと松井大阪府知事が上京し、安倍首相、菅官房長官の両名と都内のホテルで3時間にわたって会談するのです。その頃ですよ、状況が一変したのは」(おおさか維新の会関係者)

 この会談の内容は公にされていないが、関係者によると、安倍首相は橋下氏に「国政に出たらいかがです」と出馬要請したという。つまり、大阪都構想の失敗で意気消沈して政界引退まで表明した橋下氏に、安倍首相が“国政進出”の話を持ちかけて奮起させたわけだ。その後、維新の党の分裂劇が起きる。

「分裂劇では大阪系と東京系に分かれ、大阪系は、おおさか維新の会として再発足。東京系は、民主党と衆参両院で統一会派を結成することで落着しました。安倍首相にとってみれば、この分裂劇で維新の党の不純物が取り除かれ、改憲という思想を同じくする橋下氏のおおさか維新の会と連携しやすくなったことになります」(前出の政治部記者) 維新の党の分裂で“安倍シンパ”となる新党の結成。「すべては、安倍首相と菅官房長官のシナリオ通りに話が進んでいることになります」(自民党中堅議員)

 一方、おおさか維新の会に所属する現職の国会議員は衆参あわせて11名(いずれも大阪選出)。7月のダブル選で、地域レベルの小さな政党から脱皮するには、安倍首相のバックアップは必要不可欠だ。「橋下氏の人気と知名度だけで勢力を拡大するのは限界があります。安倍政権に命運を委ねることになるのでしょう。もちろんダブル選となれば、橋下氏も衆院選に出馬するでしょうね」(前出の自民党関係者)

 そのため、橋下氏は6月の会談後にツイッターを再開。民主党批判に加えて、安倍政権を称賛する“つぶやき”を洩らし始める。その象徴が消費増税の軽減税率に絡んでのもの。昨年暮れ、政府与党が消費増税時に導入する軽減税率の対象を食料品全般としたことについて、<安倍政権・官邸、恐るべしの政治。これが政治か>と、橋下氏は安倍首相のやり口を大絶賛している。そんな中、実現した2回目の「安倍・橋下」会談。そこで何が話し合われたのか。前出の鈴木氏は、「菅官房長官が定例会見で“(橋下氏は)憲法改正について熱心に話を聞いていた”と発言しています」として、こう続ける。「自民が衆参で圧勝し、おおさか維新という新たな補完勢力が出てくれば、もはや、平和主義の公明党に臆することなく、安倍首相は改憲に着手できます」

 すでに安倍・橋下の“最強政権”誕生へ向け、作戦は始動しているという。「昨年末の2回目の会談で大枠は決まり、選挙へ向け、これから具体的な話し合いが行われると思います。さしあたって問題となるのは参院の2人区以上の選挙区。自民と、おおさか維新が候補者を、どう調整するかがポイントになってきます」(政治評論家の浅川博忠氏) 国会論戦をよそに、一人、安倍首相の高笑いが聞こえてきそうな話だが、橋下氏との連携にはリスクもある。「橋下氏も改憲論者の一人ですが、彼の狙いは、あくまで大阪都構想の実現です。安倍首相の野望を達成するための駒として使い捨てにされることを想定し、安倍首相を揺さぶる“隠し玉”を持っているといわれます」(大阪市議会関係者)

 その隠し玉の一つが、暴露本の出版だという。「橋下氏は大阪市長時代に、地元の自民党大阪府連と対立し、逆に同府連が抱える暗部を握っているという噂があります。市長という公職を離れた橋下氏が、ダブル選の公示日までに、暴露本出版という爆弾で官邸を牽制する可能性はあると思います」(前同) 「安倍・橋下会談」に対して、自民党の谷垣禎一幹事長が「(会談に)触れるつもりはない」と不快感を示したのも、「橋下氏への不信感が底流にあるから」(自民党関係者)と言われる。

 また先頃、橋下氏は市長退任後、お笑いコンビ『爆笑問題』が所属する芸能事務所タイタンにタレント兼顧問弁護士として復帰している。つまり、今後は芸能活動を復活させ、選挙の公示日まで、テレビでの露出は大いに増えるわけだ。「文化人タレントとして、おおさか維新の会の広告塔となることは、選挙活動にも当然プラスになります」(前出の浅川氏) それのみならず、メディアでの発言を通じて、安倍政権を牽制することも可能となり、安倍首相も迂闊に橋下氏を使い捨てすることはできないだろう。それぞれの思惑がうごめく永田町だが、安倍・橋下の“最強タッグ結成”の日が着々と近づいていることは間違いなさそうだ。

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