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【武豊】勝負の基本は負けを引きずらないこと

[週刊大衆2016年02月01日号]

 人生思い通りにいっているという人は、どれくらいいるのでしょうか。5年、10年の長いスパンで見ると、まぁ、そこそこうまくいっているという人でも、1か月、1週間で考えると、“うまくいかないなぁ”と思うことがあるはずです。

 振り返ってみると、僕の人生も、思い通りにいかないことのほうがはるかに多かったような気がします。――デビューからいい馬にたくさん乗り、勝ち星を積み重ね、記録を更新し続けている競馬界の超エリートの武さんが? ニュアンスの違いはあっても、世間が思う武豊はこんな感じなのでしょう。でも、僕個人に言わせると、そんな感じはなくて。いい馬にたくさん乗せていただいているというのはその通りですが、うまくいかないことの連続でした。あそこで、こうしておけばよかった。何であのとき、内にもぐりこめなかったのか。もっと大胆さがあれば、結果は違っていたかもしれないのに……。よぉし、今年こそ! 気合いを入れなおして臨んだはずの2016年も、早くも挫折感を味わっています(苦笑)。

 競馬界の元日、1月5日の第1レース。トウショウジャイロに騎乗して、いきなり勝利を挙げたところまではよかったのですが、その後は、2着が2回、3着が3回……。3日連続開催となった9日から11日の競馬も、21回騎乗して2勝、2着4回、3着1回……。人前では、ポーカーフェイスを通していましたが、心のなかでは、あれっと首を捻り、悔しさに眉をしかめていました。

 でも、これが競馬です。ミスをしても勝つことがあれば、パーフェクトに騎乗しても負けることだってある。ひとつひとつの結果にくよくよしているようでは、勝てる競馬も勝てなくなります。

 これまで京都と中山でそれぞれ4日間、計96レースが行われ、1番人気の馬が勝ったのは、29レース。リーディング争いは、C・ルメール騎手が7勝でトップ。3勝タイの僕は現在4位。なぜ勝てなかったのか? 1レースごとに結果を分析することは大切ですが、いつまでも負けにこだわっていると、そこから先に進めなくなります。負けは、負け。その場できれいに洗い流して、また新たな気持ちで、ゼロから挑んでいく――。さすがに、笑い飛ばしてというほどの豪胆さはありませんが、それが勝負の基本です。

 さぁ、今週末、23日、24日は、中山、京都に加え、中京競馬場でもレースが開催されます。重賞は、中山のGⅡ「アメリカジョッキークラブC」と中京のGⅡ「東海S」。結果はどうあれ、気持ち的には、乗る馬すべて勝つつもりで。一気にリーディングのトップに躍り出るような気持ちで、最高の騎乗を目指します。暖冬の今年、皆さん、競馬場に足を運んで、熱い競馬を楽しんでください。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GⅠ制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

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