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金正恩が見限られた? 中国が企む北朝鮮「金正男体制」の全貌

[週刊大衆2016年02月08日号]

金正恩が見限られた? 中国が企む北朝鮮「金正男体制」の全貌

 最大の後ろ盾に背信行為を繰り返す北の暴君3代目。堪忍袋の緒が切れた巨獣がついに怒りの鉄槌を下す!

 1月6日、世界中を戦慄させた北朝鮮の水爆実験。米韓両国は爆発の規模などから「実験は失敗した」と踏んでいるが、世界のどの国よりも怒りを露わにしている国がある。北朝鮮と“蜜月”にある中国だ。同日、習近平国家主席は「北朝鮮で起こった緊急事態」(水爆実験)の報告を受け、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記を指して「あの三胖(サンバン:3代目のデブという意味)めが……」と、吐き捨てたというのだ。

「習主席は、このままでは大国のメンツが立たない、若造に舐められるわけにはいかないと、“奥の手”を使う決断をしたというのです」(中国外交筋) その“奥の手”が「北朝鮮トップの首のすげ替え」(前同)だという。では、“三胖”の首は誰にすげ替えられるのか。「胖熊(バンユウ:肥った熊)」のニックネームで知られる金正男(キムジョンナム)氏。故・金正日(キムジョンイル)氏の長男、その人だ。「北朝鮮が親中派筆頭である張成沢(チャンソンテク)氏を電撃的に処刑し、中朝の関係は悪化していましたが、昨年10月、朝鮮労働党創建70周年の軍事パレードに、中国はナンバー5の要人を派遣して金第1書記と会談させました。そのとき、金第1書記は年末に美女軍団として名高いモランボン楽団を北京に派遣すると約束し、中国は、北朝鮮が関係改善を望んでいる証しだと捉えたのです」(前出の外交筋)

 だが、中国の共産党幹部らが公演に出席しないことが分かると、金第1書記は公演初日の当日、楽団を平壌に帰国させてしまう。「直後、逆ギレした金第1書記は水爆実験を指示。その実験について当初、中国は事前通告を受けていなかったと報じられましたが、それは誤り。ただ、北朝鮮が通告してきたのは実験の約30分前。これでは、抗議は一切受けつけないと、中国に最後通牒を突きつけたのも同然です」(前同)

 こうして暴走する“三胖”に対し、同じ体型でも、中国に対して従順といわれる正男氏を4代目に据えたいのが、大国の考えだという。「中国は社会主義体制下での世襲は、好ましくないと一貫して主張してきましたが、正男氏も、世襲には慎重な姿勢なのです」 こう解説するのは、外交評論家の井野誠一氏。とはいえ、世襲に反対する中国の後押しで正男氏が4代目になったとしたら、さすがに5代目は金一族以外から選ばざるをえない。

 正男氏は自らの手で“金王朝”の崩壊を招くことになるのだ。一方で、「正男氏に親中派の補佐役をつけることによって、中国は世襲の弊害を担保できるし、北朝鮮に親中政権を誕生させることもできると考えています」(前同) その考えがあったのか、故・金正日氏の存命時より中国は後継候補として正男氏を支持。実際に、正男氏が後継レースのトップを走っていた時期もあった。「しかし、逆転して弟の正恩氏が後継者となると、その後、韓国で正男氏の暗殺報道が相次ぎました。まずは訪問中のオーストリアでは、オーストリア政府によって命を救われ、別の計画では中国当局が暗殺を阻止したといわれています」(ソウル在住邦人)

 その過去ゆえか、北朝鮮事情に詳しいジャーナリストの惠谷治氏によると、「金正男氏が平壌に帰ることはない。つまり、彼自身、父親の後を継ぐ意思はないと思いますよ」と言う。実際、正男氏は北朝鮮の後継者問題が浮上する前からマカオを拠点にしていたが、一時、平壌に戻り、正恩氏に祝意を述べたといわれる。北朝鮮の新たな指導者に就任した弟に頭を垂れた格好だ。

「正男氏は、自身のビジネス(口利きや投資など)の他、北朝鮮本国から支給される“王子手当”、さらに北朝鮮から運用を任されたファンドの“上がり”の一部を収入にしていました。ところが、張氏の粛清以来、ファンド運用の仕事がなくなり、“王子手当”も、弟(正恩氏)の決済に移ってしまった。こうして正男氏は、今まで以上に平壌の顔色をうかがうようになったのです」(井野氏)

 これで経済的にも追い込まれたはずだが、意外や意外、こんな情報もある。「正男氏がマカオのマンションに住んでいたのは有名ですが、同じマカオ市内の戸建てへ引っ越したというんです。別名義で入居していますが、ヨーロッパ留学中の子息が往来していたことなどから、確認されている話です」(マカオ情報筋)

 そのマカオは言うまでもなく、中国の特別行政区。「正男氏には北朝鮮の監視の目が光っている」(井野氏)とされる一方で、「北京もなんらかの名目で正男氏に金銭的な援助を行っているはず」(惠谷氏)という。つまり、母国から中国へ、正男氏のスポンサーが切り替わった可能性があるというのだ。そうなると、正男氏の意思がどうあれ、おのずと行く末は見えてくる。「北朝鮮の政権内部に、正男氏とのコネクションを持つ親中派がいるのは事実。したがって中国としては、軍事クーデターや反乱などで長期化するのを避けるべく、彼らと連携し、今の北朝鮮指導層の一部をそっくりすげ替える“宮廷内クーデター”が理想的なシナリオなのです」(井野氏)

 一方の正恩氏は「親中派の張一派の残党狩りを続行させると同時に、毒見役を二重三重にし、近づく人間へのチェックを厳重にしているといわれます」(同) やりたい放題の若造が触れてしまった巨獣の逆鱗。中国を怒らせたツケが、どう表れるのか、注目したい。

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