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【武豊】通算3800勝よりも大切なこと

[週刊大衆2016年02月22日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

 先週お伝えした、デビューから30年連続の重賞勝利に続き、今週は、JRA通算3800勝を達成できたことからお話しましょう。

 あと3つに迫った1月最終週、増えることはあっても減ることはない記録を前に、「できれば、さっと達成したい」と思っていました。というのも、この手の記録は、“ダービーを取りたい”というような明確な思いとは違い、一つ一つ積み重ねてきた結果、達成できたもので、目標としてきたものではないからです。みなさんから、「おめでとう!」と温かい言葉をいただき、「ありがとうございます」と言葉を返しながら、でも、GⅠを勝ったときのような、心の底からふつふつと沸き上がるような気持ちとは比べるべくもなくて。「次は4000勝ですね」という言葉にも、ピンとこないのが正直なところです。記録を作れたのは、デビューからずっと、たくさんのいい馬に乗るチャンスをくれた関係者のみなさんのおかげ。個人の目標は、まだまだ、こんなものじゃありません。今日からまた一つ一つ、目の前のレースに全力を尽くしますので、これからの武豊に期待してください。

 さあそして、気持ちを新たにして迎える今週末は、クラシック戦線を占う大一番、GⅢ「共同通信杯」が東京競馬場で行われます。「共同通信杯」でパッと思い出すのは……ブレイクランアウトとともに優勝した2009年のレースです。前年の11月23日、まさかの2週連続落馬で右手の肘から手首にかけての骨、尺骨を骨折したものの、担当医の先生も驚くほどの回復で、12月21日には、「朝日杯FS」に、1レース限定で復帰。このときのパートナーが、ブレイクランアウトだったのです。

 この時の結果は3着。周囲からは、「復帰を急ぎすぎた?」とか、「1レース限定で勝負勘が戻らなかった!?」という厳しい声が飛びましたが、僕自身はそうは思っていませんでした。それを証明するためには言葉ではなく、結果が求められます。あの時の借りを2倍、3倍にして返してやる――その舞台が、「共同通信杯」でした。

 まずまずのスタートから道中は中団でジッと我慢。直線半ばでGOサインを出すと、彼は弾けるようなスピードで馬群を抜け出し、トップスピードを保ったまま、レースレコードでゴール。その走りは、すべてをねじ伏せるような力強さにあふれていました。「馬のコンデションが良かった? いや、良かったのは僕のほう。馬もそう思っていたはずです。おっ、今日の武豊は調子が良さそうだなって」

 笑いの中にまぶした本音が、想いのすべてでした。今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのは、クラシック候補生、スマートオーディンです。前走、11月23日に行われたGⅢ「東京スポーツ杯2歳S」で見せつけたケタ違いの爆発力が彼の最大の武器。どうすればそれを最大限生かしてあげられるのか。腕の見せどころです。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GⅠ制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】通算3800勝よりも大切なこと

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