日刊大衆TOP 社会

マイナス金利不発で「アベノミクス大崩壊」憤怒実態!!

[週刊大衆03月07日号]

マイナス金利不発で「アベノミクス大崩壊」憤怒実態!!

 政府が推進してきた経済政策が破綻寸前。我々の暮らしに、一体どんな影響が!? その恐るべき未来予想図。

「マイナス金利は大失敗。アベノミクスそのものが大崩壊することもありえる状況になってきました」 経済アナリストの森永卓郎氏が危惧するのも、無理はない。日本経済を襲う異常なまでの株安・円高の流れが止まらないのだ。

「1月29日に日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁がマイナス金利政策を発表してからの2週間で、円高と株安が一気に加速。円は、1ドル=120円から110円台前半へと急激に変動しました」(証券会社のファンドマネージャー)

 仮に1円の円高ドル安でも、たとえばトヨタ自動車だと、年間営業利益が約400億円吹っ飛ぶ計算。輸出大国の日本にとっては、大変な事態だ。一方、株価も激しい動きを見せている。2月12日の日経平均株価は、1年4か月ぶりに1万5000円割れ。その12日を含む2月8日の週だけで、株式相場は前週より8%も下落した。「過去2年間、アベノミクスによって、せっせと値上がりを続けていた株価が、たった1週間でチャラになった計算。年明けから見ると下落率は2割以上で、2000年のITバブル崩壊時と、ほぼ並んだことになります」(前同)

 市場を刺激する目的で行う、日銀による大規模な金融緩和政策は、俗に“黒田バズーカ”と呼ばれるが、「市場では、今回のマイナス金利導入は“黒田バズーカの自爆”と、もっぱらですよ」(経済紙記者) マイナス金利とは、ひと言で言えば<銀行が日銀に預ける預金の金利がマイナスになったこと>を指す。「現在、各銀行は日銀に総額230兆円ものカネを預けているが、それは、預金先として“銀行の銀行”である日銀が最も安全だから」(前同)

 しかし、2月16日から運用が開始されたマイナス金利によって、銀行は預ければ預けるほど“損”をするようになった。「そういう“ペナルティー”を科すことによって、銀行に、人や企業に積極的に融資させようとしたのです。ところが、総務省が発表した昨年12月の家計調査によると、実質的な消費は対前年度4.4%減、4か月連続マイナスと、消費は依然厳しい状況です。こうした中では、たとえば、工場を新設しようという人はなかなかいません」(前出の森永氏) 銀行が融資しようとしても、借り手がいない――。こうして、企業の設備投資を活発にして、デフレ脱却を図ろうとした安倍政権の目論みは、もろくも崩れたのだ。

 それだけではない。「金利が下がった国の通貨は敬遠され、売られるのが経済の常識」(中堅証券会社幹部) 通常であれば、円が売られる=円安になるはず。だが、逆に円高に向かい、先に触れたトヨタなどの輸出関連企業の業績悪化を懸念し、株価は暴落したのだ。「安倍政権は発足以来、一貫して円安誘導をしてきました。日本経済を立ち直らせる唯一の方法が輸出拡大だと考えたからです。株価もアベノミクスの政策に期待し、値上がりを続けましたが、それはあくまで“まやかし”だったと言えます」(前同)

 つまり、マイナス金利という切り札が不発に終わり、アベノミクスの化けの皮が剥がれたことが、今回の円高・株安の最大の原因なのだ。「マイナス金利という“劇薬”を使った“後遺症”は、麻薬患者並み。更生できるかどうか分かりません」(金融関係者)

 では、マイナス金利政策の失敗が引き起こす事態が庶民生活に、どのように影響するのだろうか。「三井住友銀行は、16日から普通預金の金利を過去最低に並ぶ0.001%へ引き下げました」(前同)

 本来であれば、庶民の預金の金利は無関係のはずだが、「同行では同時に、住宅ローン金利も0.9%へ引き下げました。大手3銀行で初めての措置です」(同) 住宅ローンが下がれば、住宅を買いやすくなる。庶民生活にとっては一見プラスのように見えるが、やはり、“劇薬”の副作用はすさまじい。「マイナス金利を実施しているスイスでは、住宅ローンの金利が逆に上がっています」(外資系銀行員)

 なぜ、そんな逆転現象が起きるのか。「それは、マイナス金利によって銀行の収益が圧迫されるからです」(前同) つまり、銀行側は、増大したコストの一部を借り手に転化するため、住宅ローンの金利を引き上げているのだ。「日本でもマイナス金利が長期化すれば、銀行がなんとかお金を稼ごうと、預金口座維持名目で手数料を取ることになるかもしれません。もちろん、これまでの振込手数料などを値上げしてくるのは確実です」(フィナンシャルプランナー)

 将来、確実に“預金金利ゼロ”時代がやって来るとして、労働問題に詳しい政治学者の五十嵐仁・元法政大学教授が、こう続ける。「3月の日銀の政策決定会合で、マイナス幅を拡大するという見方があります。これは、預金しても利子がつかないことを決定づけるものです」 住宅ローンが上がる一方、預金金利はゼロ。銀行の各種手数料も上がり、庶民の暮らしはますます苦しくなる一方だが、それより恐ろしいことがあるという。「マイナス金利は、特に地方銀行や信用金庫などの経営を圧迫します。そうなると、背に腹は代えられず、中小企業へ貸し付けていた融資の返却を迫り、貸し剥がしが起きてきます。そうして中小企業の経営は悪化し、倒産が増えるでしょう。同時に、貸し剥がししても経営を立て直せない銀行そのものが、倒産することも考えられます」(前同)

 事実、欧州中央銀行(ECB)のマイナス金利導入によって信用不安の嵐が吹き荒れる欧州諸国を見れば、「マイナス金利の弊害が、こうした信用不安の広がりにあることは明らか」(同)なのだ。中小企業の倒産ラッシュに、信用不安による金融機関の破綻。日本経済は最悪だった時代へ逆戻り――。まさに、アベノミクスの大崩壊は待ったなしなのだ。「企業がその流れを予測し、この春の賃上げどころか、夏のボーナスを減額することも考えられます。労働者にとっては、怒りを爆発させたくなる憤激の事態でしょう」(全国紙経済部記者)

 しかし、夏のボーナス減額だけで済めば、まだマシかもしれない。「今後、収入はズルズル落ちてゆき、逆にアベノミクスの効果で物価が上昇して、実質的な生活感がますます悪くなっていく可能性があります」(前出の森永氏)

 さらに懸念されるのは将来の年金だ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、年金資金の約35%を国債で運用しているが、「国債の利回りが低下しています。目標の運用利回りを達成するには株式の値上がりに期待するしかありませんが、GPIFが今年度の第2四半期で約8兆円の損失を出したのは周知の通り。今年に入っての株価暴落で、一説には16兆円を“溶かした”ともいわれています」(前出のファンドマネージャー)

 15日の衆院予算委員会で、安倍首相が「株価下落で年金運用が想定を下回る状況が長期にわたって続いた場合、将来的に給付額を減額する可能性がある」と述べた通り、年金のカットまでありえる状況が現実味を帯びてくる事態なのだ。「最悪の場合、年金基金の他、やはり運用難で生命保険が破綻する事態になりかねない」(市場関係者)

 前出の五十嵐元教授も危機感を露わにする。「安倍政権は発足当初から金融緩和を打ち出し、円安・株高の流れを作ってきました。しかし、その後の経済政策・成長戦略があいまいで、金融緩和という“一本足打法”になっているんです。世界経済の成長鈍化が懸念される中、アベノミクスは破綻の一歩手前という状況に陥っています」

 経済政策での期待が高かった安倍政権だけに、これ以上庶民を追い込む、この失策を続けるようなら、怒りに身を震わせた庶民によって、夏の参院選で手痛いしっぺ返しを食うことになるのは間違いない――。

マイナス金利不発で「アベノミクス大崩壊」憤怒実態!!

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.