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【武豊】実は“平成の弥生賞男”なんです

[週刊大衆03月14日号]

 いつ、誰がそう呼びはじめたのかわかりませんが、サラブレッドにはニックネームが付けられています。オールドファンに懐かしいのは、“皇帝”シンボリルドルフ。“天馬”トウショウボーイ。“流星の貴公子”テンポイト。“ナタの切れ味”シンザンあたりでしょうか。

 僕がパートナーを組ませてもらったエアグルーヴは“女帝”。ディープインパクトは“英雄”。サイレンススズカは“異次元の逃亡者”と呼ばれていたようです。以前は、騎手にもこの異名というのがあって。“豪腕”といえば、郷原洋行さん。“闘将”加賀武見さん。ウチのオヤジ(武邦彦)は、“ターフの魔術師”と言われていました。

 で、僕はというと――。こっそりウィキペディアをのぞいて見ると(笑)、“平成の盾男”と書いてありました。春の天皇賞は、1989年から92年までの4連覇を含む6勝。秋の天皇賞で5勝。通算49戦して、1着11回、2着7回。勝率22.4%。連対率36.7%。

 なるほど、マスコミは、こういうところからニックネームを引き出してくるのかと関心させられます。“ターフの魔術師”に比べると、少しカッコよさに欠ける気もしますが(苦笑)。でも、この天皇賞をはるかにしのぐ高い成績を残しているのが、今週末、3月6日に東京競馬場で行われるメインレースGII「弥生賞」です。16回走って、7勝、2着5回。勝率43.8%。連対率75%。優勝馬の名前を挙げると、そこには競馬が好きな人にはたまらない馬が並んでいます。

 最初のパートナーはダンスインザダーク(96年)。そこから、ランニングゲイル(97年)、スペシャルウィーク(98年)、ディープインパクト(05年)、アドマイヤムーン(06年)、アドマイヤオーラ(07年)と続き、最後がヴィクトワールピサ(10年)。“平成の弥生賞男”と呼ばれないのが不思議なほど、強い馬に乗せていただき、多くの勝ち星を挙げてきました。

 今年、このレースで僕のパートナーを務めてくれるのが……エアスピネル。長い競馬史の中でも、格段にレベルが高かったと言われる05年の牝馬クラシック戦線で、最後の一冠、「秋華賞」を制したエアメサイアの仔です。どのレースも勝ちたいという気持ちは同じですが、デビューからずっとコンビを組んだエアメサイアの仔で、管理する調教師の先生は、エアメサイアを管理していた伊藤雄二厩舎のスタッフだった笹田和秀先生とくれば、やはり、気持ちはぐっと盛り上がります。

 前走、「朝日杯FS」では、母のライバルだったシーザリオの仔、リオンディーヌに敗れましたが、本当の勝負はここからです。目指す頂きはひとつ。5月29日、同じ東京競馬場で行われる「日本ダービー」です。本番を見据えて、どんな走りを見せてくれるのか。他の誰よりも、僕がいちばん期待しています。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GⅠ制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

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