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「カップめんの秘密」ハマる食べ方からブームの変遷まで!!

[週刊大衆03月14日号]

「カップめんの秘密」ハマる食べ方からブームの変遷まで!!

 お湯を注げば、即完成。男の小腹を満たす、お手軽グルメ。永遠の定番から新潮流まで人気の裏側に迫る!

 昼食に夜食に、つい手が伸びるカップめん。もはや国民食とも言えるが、いったい、どれだけ食べられているか、ご存じだろうか?「平成26年度のデータでは、なんと日本で作られるカップめんの総数は35億1030万食。国民1人あたりにすると、年間で27.8食、13.1日に1回は食べている計算です」(グルメ誌編集者)

 都道府県別の消費ランキングを見ると、1位が山形県で年間2256円、2位が熊本県で1955円、3位が秋田県で1791円。その理由について、『立ち食いそば図鑑』の著書もある、めん文化に詳しいライターの本橋隆司氏はこう語る。「山形はもともと蕎麦の一大産地ということもあって、めん類がよく食べられていたんです。また、雪の多い地域も多く、冬の常備食としてよく食べられているのが、理由ですね」 寒い冬に、あったかいカップめん! そりゃ、ズルズルいっちゃうでしょう。

 そうかと思えば、地球の反対側でも、日本のカップめんは大フィーバー。「メキシコでは東洋水産の『マルちゃん』のカップラーメンが大人気で、シェアは8割。さらに、メキシコの新聞が、審議を早々と打ち切った議会を“議会がマルちゃんした”と報じるなど、もはや“早い”を意味する言葉としても使われるほどです」(全国紙外信部記者) ちなみに、現地の人々は、サルサソースやチリソースをかけ、ライムを絞って食べたり、スープを捨てて焼きそばのようにして食べたりと、オリジナルのアレンジを楽しんでいるという。

 そんなカップめんの元祖といえば、ご存じ、日清食品の『カップヌードル』。「誕生のきっかけは日本ではなく、米国・ロサンゼルスでのこと。当時、社長だった故・安藤百福氏が『チキンラーメン』を売り込むため、彼の地を訪れたんですが、丼を持たないアメリカ人は、紙コップで『チキンラーメン』を作ってフォークで試食し始めた。安藤氏はその光景を見て、カップに入れたラーメンを思いついたそうです」(前出のグルメ誌編集者)

 苦心の末に開発に成功し、『カップヌードル』が発売されたのは1971年である。以降、様々なメーカーが参入し、73年3月にはエースコックが『カレーヌードル』を発売。実はこれが日本初のカレー味カップめんで、定番人気の『カップヌードルカレー味』はエースコックの2か月後に発売。「『カレーヌードル』は現在でも東北地方限定で販売されていて、東北出身者にとっては王者の日清ではなく、エースコックがカレー味の定番。『カップヌードルカレー味』よりルーにトロみがあり、密かな人気商品です」(前出.本橋氏)

 ちなみに、『カップヌードル』のような“トール形”といわれる容器は、下から上に向けて広がるコップ型だが、中身は円筒形をしており、容器の中で宙に浮いた状態で入っている。「これには理由があって、1つはめんを容器にしっかり収め、輸送中に暴れて壊れるのを防ぐため。そして、容器下部に空間を作ることで、注いだお湯が対流現象を起こし、めんを均一に湯戻しすることにも役立っています」(前同) おいしさの秘密は、その容器にもあったのだ。

 お湯の戻し時間は3分のものが多いが、この待ち時間は、人間の食欲を刺激するのにもベストなようだ。「過去に1分で食べられる『クイックワン』という商品がありましたが、“早すぎる”“すぐ伸びる”などの理由で人気が出ず、早々に姿を消しました」(食品コンサルタント) この戻し時間については、容器に書かれている時間が最適と思われてきたが、商品によっては、それだけではない場合もある。「昨年冬、お笑い芸人のマキタスポーツ(46)が『10分どん兵衛』を提唱し、話題になりました。これは、その名の通り、日清の『どん兵衛うどん』を“10分待ってから食べる”もの。めんのコシは多少失われるものの、生めんのように滑らかな食感を実現することができるんです」(本橋氏)

 その反響の大きさに、日清食品も、この“10分どん兵衛”を公式な食べ方として認めるまでになった。「10分どん兵衛の、滑らかモチモチのめんは未体験の食感で、官能的とも言える美味さ。ただ10分も待つとツユがぬるくなるので、なるべく沸騰したてのお湯を使うか、別容器に入れてレンジでチンすると、より良いでしょう」(前同)

 なんと、カップめんをレンチンするとは仰天だが、実は、この食べ方、カップめん好きの間では密かに流行っているという。「作り方は簡単です。戻し時間3分なら、カップめんにお湯を注いで1分半待ち、さらに電子レンジで1分半温めます。カップめんは、戻している間にお湯の温度が下がって、めんの戻りにムラができるんですが、この方法なら高温が保てて、均一に湯戻しできるため、理想的なめんが出来上がるんです」(同)

 注意すべきは容器だ。「紙製の場合は電子レンジの温度に耐えられますが、ポリスチレン製の場合は変形してしまうので、耐熱容器に移してから作るといいでしょう」(同) ひと手間かけるだけで、びっくりするほどおいしくなる。ぜひお試しを! と、“10分どん兵衛”や“レンチン”の流行を見ても分かるように、カップめんの主役はやはり、めん。「現在の主流は、茹でためんを油で揚げて乾燥させた、フライめん。めんの戻りが良いのが特徴ですが、やはり、生めんのモチモチ感は失われてしまいます。そこで76年に当時のカネボウ食品が出したのが、ノンフライめんを使った『ノンフライたんめん』。ノンフライめんとは、茹でためんを高温の熱風で乾燥させたもので、油を使わない点が画期的。生めんのような食感も味わえるんです」(同)

 だが、湯戻し時間がフライめんより長くかかるうえ、戻り方にもムラがあり、今ひとつブレイクを果たせなかった。「これに風穴を開けたのがマルちゃんの袋めん『正麺』。従来のノンフライめんが、茹でめんを乾燥させていたのに対し、生めんを乾燥させることで“生めん食感”を実現しました。マルちゃんは、この製法で特許も取得しています」 そして、その製法を元に昨年の10月、満を持して投じたのが『正麺カップ』。こちらは茹でめんを乾燥させたノンフライめんだが、食感は袋の『正麺』と同様。爆発的なヒットとなり、瞬間的ではあるが、王者である日清食品のシェアを抜いてしまった。「まさに革命的なカップめんでした。これに慌てた日清がすかさず『ラ王カップ』を出し、ノンフライめんジャンルでは今、熱いバトルが起こっています。担々めんなど味のバリエーションも増え、ファンにはうれしい状況です」(同)

 さて、ラーメンに負けないぐらいファンが多いのがうどん、そばだろう。やはり日本人はダシにこだわるためか、「日清食品は東日本と西日本で味を変えています。その境界線は岐阜県関ヶ原にあり、そこより東は鰹が、西は昆布が効いた味つけになっています。ちなみに流通の関係で、滋賀県と三重県の販売店では、東西両方の味を販売している店もあるそうです。最近では、ネット通販の『Amazon』などで、東西それぞれの味を購入できます」(情報誌記者)

 うどん、そばというと、『どん兵衛』シリーズが有名だが、それに負けず劣らずファンが多いのが、マルちゃんの『赤いきつね』と『緑のたぬき』だ。「実はカップのうどんを最初に発売したのはマルちゃんで、『マルちゃんのカップうどんきつね』という商品名でした。揚げの製法など、独自に開発した技術が多いんですが、特許申請をしていなかったため、後発製品が続々と登場。キャッチーなネーミングの『どん兵衛』に売上で負けてしまいました」(前同)

 そこでマルちゃんはリニューアルを図り、商品名を『赤いきつね』に変えたのだが、その元となったのが山口百恵のヒット曲『プレイバックPart2』。「“真っ赤なポルシェ”というフレーズからヒントを得て、強いインパクトを与えるべく“赤い”という言葉を使ったそうです。それ以降、マルちゃんのうどん、そばシリーズには緑、黄色、黒、紺、白、金、青と色が多く使われています」(同)

 さて、ラーメン、うどん、そばほどではないが、コアなファンが多いのが焼きそばだろう。特に『ペヤング』は芸能人にもファンが多く、マツコ・デラックスもテレビ番組で『ペヤング』派だと公言していた。「マツコがお気に入りの食べ方は、『超大盛りソース焼きそば』に、『激辛焼きそば』と『にんにくMAX焼きそば』のソースをかけるというもの。“辛すぎる”と評判の激辛ソースが少しまろやかになったうえ、にんにく風味がプラスされ、たまらないんだそうです」(民放局ディレクター)

 ちなみに『ペヤング』の由来は“ペアのヤング”。当時、袋めんに比べ高価だったカップ焼きそばを、若くてお金のないカップルが2人で分けて食べるイメージから、つけられたそうだ。ソース味、たまらん!

 カップめんはそのまま食べてもおいしいが、マツコのようにアレンジを楽しむファンも多い。多くのカップめんファンを取材した経験もある本橋氏によると、「焼きそばにインスタントコーヒーを少し入れると、香ばしさがアップして本格的な焼きそばの味が楽しめます。あとは、きつねうどんの揚げを刻んでから作ると、ツユの染み込みがよくなって美味しいですよ。『カップヌードル』シリーズでは、シーフード味に牛乳を入れるのは、もはや定番アレンジ。チリトマト味にオリーブオイルを入れてイタリアン風にするのもアリです。変わったところでは醤油系ラーメンにせんべいを割って入れ、せんべい汁風にするなんてのもあります」

 ちなみに、先の大相撲初場所で、大関・琴奨菊を初勝利に導いた、珍アレンジが存在するという。「カップうどんに、イチゴジャムをスプーン4杯ほど乗せるというもので、場所中は必ず食べているそうです。緊張で食が進まないときにも、スイスイ食べられると、バラエティ番組出演時に明かしていました」(前出のテレビ誌記者)

 だが、美味すぎるがゆえ、健康への影響も気になる。「野菜不足を補うなら、かやくの他に、乾燥わかめをプラスするのもオススメ。粉末スープが袋に入っているタイプなら、めんだけ湯戻した後、いったんお湯を捨てれば、麺に含まれる塩分や、体に良くない酸化した油を減らすことができます。また、めんにはカルシウムの吸収を妨げるリンが多く含まれていますが、それを減らすことにも役立ちます」(栄養士) いつまでも健康で美味しく、カップめん生活を謳歌しよう!

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