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北朝鮮・金正恩「極秘テロ指令」の危険な中身

[週刊大衆03月14日号]

北朝鮮・金正恩「極秘テロ指令」の危険な中身

 ミサイル頼みのポンコツ国家かと思いきや、隠し持っていた奥の手。独裁一家の三代目、渾身の一撃で極東を奈落の底に突き落とすか!?

 “厄介な隣人”が、いつになく意気軒昂だ。「このところ、北朝鮮の鼻息が荒いんです。2月7日に人工衛星と称する実質的な弾道ミサイル『光明星4号』を発射し、23日には“重大声明”として青瓦台(韓国の大統領府)とアメリカ本土に対する先制攻撃の可能性に言及。金正恩第1書記の就任以来、最も攻撃的な態度に出てきています」(全国紙韓国特派員)

 とはいえ、北朝鮮の挑発行為はいつものこと。「またぞろ、ポンコツミサイルを盾にした瀬戸際外交か」と飽き飽きしている読者諸氏も多いかもしれない。だが、今回は、これまでと様子が違うのだという。「北朝鮮は今年5月、実に36年ぶりに朝鮮労働党の党大会を開きますからね。金正恩第1書記の指導者としての優秀性・正統性を誇示するため、それまでに、なりふり構わぬ国威発揚策に出ると思われます」(前同)

 今回のミサイル発射も、その一環というわけだが、それだけでは実質的な“戦果”に乏しいと考えたのか、北朝鮮はなんとも不気味な動きを見せ始めた。「我が国の国家情報院の情報によると、2月18日に開かれた北朝鮮の緊急政府・与党協議において、金正恩が“韓国へのテロ”を指示。“関係部局”が、その極秘指令に基づいて準備に着手したということです」(韓国大使館関係者)

 金第1書記がテロを指示したという、その“関係部局”とは、2009年に設けられた北朝鮮人民軍の特殊部隊「偵察総局」のこと。「特殊工作や暗殺、スパイ活動などを担当する機関です。初代局長の金英哲氏が2月初めの党中央委員会で幹部クラスである党書記に就任したことも、金正恩のテロ攻撃への“本気度”をうかがわせます」(前同) その中でも、特に要注意とされるのが「第6局」。「ここは、いわゆるサイバーテロの担当部局。軍事力や資金力で日米韓に劣る北朝鮮は、資金面や設備面での不利をカバーしようとIT技術の向上に余念がなく、その実力は侮れません」(前出の韓国特派員)

 標的のコンピュータシステムに侵入し、その機能を停止したり、意のままに操作したりするサイバーテロは“貧者の核兵器”と呼ばれ、巨額な資金を必要とせず、使い方によっては核兵器に匹敵するほどの威力を発揮する。韓国軍が昨年発表したところによると、北朝鮮には総勢6800人のサイバー部隊がいるという。「彼らはアメリカ議会で“CIAに匹敵する”といわれるほど、卓越した技術を持っています」と言うのは『コリア・レポート』編集長の辺真一氏。「北朝鮮では、日本でいう中学1年生から、物理とIT技術を徹底的に教えます。中でも優秀な者を金日成軍事総合大学に推薦して修練を積ませ、さらに優秀な学生が軍のサイバー部隊にスカウトされます」(辺氏)

 北の精鋭たちが、韓国国内のあらゆるシステムに侵入し、攻撃を加えるのだ。一例を挙げると、14年にはソウル地下鉄の中核コンピュータが5か月以上にわたり乗っ取られたが、これも北朝鮮の仕業であることが分かっている。「もし列車の運行やスピードを制御できなくなっていたら、未曾有の地下鉄事故が起きていたかもしれません。昨年末も、今度は地下鉄のシステムを構成する重要部品の工場が不正アクセスを受けています。交通機関など人が集まる場所を狙っているのは明らかです」(前出の大使館関係者) これだけでなく、公共機関などへの侵入も相次いでいるという。

「韓国では、金融機関や研究所、交通機関・水道・電気などのインフラ設備でほぼ毎年、原因不明のシステムダウンが起きています。これがすべて北朝鮮によるものとは言い切れませんが、相当数に関与していることは間違いないでしょう」(軍事評論家の古是三春氏)

 中でも、国家情報院が政府に対して警戒を求めているのが原子力発電所。サイバー攻撃に晒され、セキュリティがダウンしたところに爆発物でも仕掛けられるような事態となれば、それこそ“貧者の核兵器”と言える被害が予想される。「北朝鮮のサイバーテロは単なるシステムダウンや社会混乱が目的ではありません。軍事機密を盗み出したりセキュリティや防御システムを混乱・無効化することで、直接的な武力攻撃の支援につなげる手段なのです」(警視庁関係者)

 偵察総局の中で暗殺、拉致、破壊活動を行うのは「第2局」。韓国の国家情報院は、金寛鎮・大統領府国家安保室長と尹炳世・外交部長官、韓民求・国防部長官らが、この暗殺のターゲットになっているとして、警戒を強めているという。そして、武力攻撃を行うのは「偵察総局」だけに留まらない。「北朝鮮には長い伝統を持つ軽歩兵教導指導局――通称“特殊第8軍団”という特殊部隊があります。主な任務は、やはり破壊工作。他国の要員と違い、帰還を考えない“片道切符”の工作員が揃う、筋金入りの部隊です」(前出の辺氏)

 いわば“鉄砲玉部隊”の第8軍団だが、その人数について、韓国の国防白書はなんと約18万人と報告している。朝鮮人民軍は総勢約120万人というから、実に15%が特殊部隊員という計算になるのだ。軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、この部隊の狙いに関してこう分析する。「彼らは空港、鉄道、さらにはショッピングセンターなどにおける銃火器攻撃や破壊活動の他、水源地に毒をバラ撒くといった無差別殺戮も辞さない部隊。韓国の国家情報院も、この毒物テロを警戒しています」

 彼らの侵入方法は国境地帯に秘密裏に掘られた「南侵トンネル」といわれる地下通路や、夜陰に紛れての水路潜入など。一説には、韓国内ではすでに3万人の特殊部隊員が“Xデー”の合図を待っているという。そして、さらに北朝鮮はその“最終戦争”の切り札も用意しているというのだ。「北朝鮮は、12年に“全面戦争が勃発したら、我々は核を使うまでもなく二度にわたって敵国を廃墟にできる”という不気味な声明を出しています。これが意味するメッセージは“EMP爆弾の開発が完了しているぞ”ということでしょう」(辺氏)

 EMP(電磁パルス)爆弾とは、超強力な電磁波を発することで、人を殺傷したり、物を物理的に破壊することなく、一定の範囲の電子機器を無力化してしまう兵器のこと。北朝鮮は中国の技術協力のもと、この開発を進めてきたという。「まず、敵国の防空システムをサイバーテロで麻痺させる。この効果は一時的でしょうが、その隙にミサイルに搭載したEMP爆弾を上空で炸裂させれば、一帯のコンピュータや電子回路で動く機器は“完全に死ぬ”のです」(防衛省関係者)

 高度情報化社会においては、これは致命的。もちろん経済的にも大打撃をこうむるが、この時点で防衛力もほぼゼロになってしまう。「そうなれば、あとは武力工作員や最終的には北朝鮮人民軍による阿鼻叫喚の殺戮劇が繰り広げられるのみ。当然、ミサイル攻撃にもなすすべはない。“二度にわたって廃墟にできる”というのはEMP爆弾による“先進国としての死”と、武力攻撃による滅亡。これこそ、金正恩の描いている絵図なのだと思われます」(前同)

 なんとも恐るべき大暴走。だが、そのターゲットは、韓国だけではなさそうだ。「2月10日に北朝鮮への独自の制裁案を決定した日本も、もちろん、その標的です。北朝鮮側は拉致問題の調査中止を決める一方で、“さらなる対抗措置の用意がある”と言っていますからね。さしあたっては限定的なサイバーテロなどが現実的ですが、油断は禁物ですよ」(辺氏)

 最も危険なのは、これから5月にかけてだ。「実は、日本にも、すでに2万人近い特殊部隊員が入っているという情報を掴んでいます。彼らの目的は、北朝鮮の党大会の直後、5月26日から行われる伊勢志摩サミットです。先進国の首脳が日本に集まるこのサミットは、金第1書記にとっても違う意味での“晴れ舞台”。このタイミングを狙って、なんらかの破壊活動が実行に移される可能性が高いでしょう」(前出の防衛省関係者) いよいよ牙をむき始めた“半島の狂犬”。その妄執が朝鮮半島、そして日本を血に染めるようなことがあってはならないのだが――。

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