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死を招く「本当に危ない健康法」大検証!

[週刊大衆03月14日号]

死を招く「本当に危ない健康法」大検証!

 健康な体というのは何物にも代えがたい宝。いつまでも元気な肉体を保持したい。いい方法があれば、ぜひ試したい――。とは言うものの、世にあふれる「健康法」の中には、ずいぶん怪しいものも存在し、中には死を招きかねない方法もあるのだ!

『おやじダイエット部の奇跡』(マガジンハウス)などの著書で知られるノンフィクション作家の桐山秀樹さんが、61歳という若さで2月6日に急逝した。「桐山氏は糖尿病との診断を受けたことを契機に、糖質制限ダイエットを実施。わずか3か月後には体重が約20キロも減り、血糖値や血圧も、たちまち正常値に戻ったことに感動し、亡くなるまで“糖質制限ダイエットの伝道師”として活動していました。一度お話を伺ったことがあるんですが、ソースにとろみをつけるための小麦粉も摂取しないなど、かなりストイックに糖質をカットなさっていた印象です」(健康ジャーナリスト)

 主食のご飯、パン、麺類などの炭水化物(糖質)を抜くだけで、肉や魚などのオカズは好きなだけ食べていい、お酒もウイスキーや焼酎などの蒸留酒はOKという、この痩身術。従来の糖尿病の食事療法のような、ややこしいカロリー計算もいらなければ、何よりオカズを好きなだけ食べられるので無理なく痩せられるという手軽さが受け、ここ10年ほどのうちに一気に世界中に広がった。だが、『日本人だけが信じる健康常識』(角川oneテーマ文庫)などの著書もある元米イリノイ工科大学助教授(化学科)の生田哲薬学博士は、「極端な糖質制限は、命さえ落とす危険性がある」と警告する。

 糖質制限で体重が減るのは当然で、「タンパク質、脂肪と並ぶ3大栄養素のもう一つである糖質をカットするわけですからね。タンパク質、脂肪はいくら食べていいといっても、そう食べられるものではない。その結果、1日に摂取するエネルギーより、身体が消費する分のほうが多くなり、体重が減るのです」(生田博士)

 しかし、ただ痩せるのと健康的に痩せるのとの間には、大きな隔たりがある。「糖質制限をすると、栄養素をエネルギーに変えたりする酵素の働きを助けるビタミンやミネラル、また不要物質や有害物質の排泄を促すファイバー(食物繊維)などが不足し、それらが機能しなくなります」(前同) 米ハーバード大のテレサ・ファング博士が、約13万人を対象に20年以上追跡調査した結果によれば、特に厳しい糖質制限をした場合、普通の食事をしていた人より心筋梗塞が1.4倍、がんの死亡率は1.7倍にもなったという(2013年)。「糖質制限を5年以上続ければ、明らかに死亡率が高くなります。糖質制限ダイエットのもとは40年以上前に米国で考案されましたが、これが、“夢のダイエット法”でないことは明らかです」(同) 桐山氏の場合、このダイエット法、それも厳しい制限を5年以上やっていた。その前に糖尿病の期間が長く、心臓病も抱えていたことから、糖質制限だけが急死の原因とは断定できないが、特定の栄養素を全面カットするようなことは、注意が必要だろう。

 ダイエットといえば、近年、食事と運動のマンツーマン指導を謳(うた)うスポーツジムが話題になっているが、こちらはどうなのか。「極端な食事制限と強制的な筋トレをやらされれば、エネルギーを消費し、痩せるに決まっています。ただし、あまりに極端だと病気になります。何十万円も払う価値があるか、よく考えて始めるべきだと思いますよ」(同) なお、ダイエットに成功してジム通いを止めると、たちまち以前の体に戻ろうとする「ホメオスタシス機能」が働き、ガツガツ食べてしまい元の木阿弥になってしまうケースも少なくないとか。せっかくの高い料金が無駄になってしまうこともあるので注意したい。

 それでは、やはり近年人気の、バナナやリンゴなど1種類の果物だけをとるダイエット法はどうか? 「ひと言でいえば、絶食状態よりちょっと多めのカロリーをとるだけなんですから、かなり減量できるのは当たり前。というか、これでは完全に栄養失調になり、痩せるというより、やつれます。確かに、たとえばリンゴには“医者いらず”といわれるほど重要な栄養素があるのは事実。しかし、その効果もキチンと食事したうえでのことです」(同) 以上、いずれにしろ偏った、また急激な食事制限は逆に健康を害するし、楽なダイエット法もない。日々バランスのいい食事を「腹八分目」とり、食生活を保つことが一番のようだ。

 ダイエット法以外にも、ヘタしたら死を招く間違いは他にもある。ここでは、そのいくつかを紹介しよう。

●ラジオ体操をするべからず!?
 高齢者の朝の健康習慣として人気があるラジオ体操だが、これも過信は禁物のようだ。「ラジオ体操そのものが悪いというわけではないのですが……」 こう前置きして説明するのは、この2月に『ラジオ体操は65歳以上には向かない』(太田出版)を上梓した戸田佳孝・戸田リウマチ科クリニック院長(兼大和大学整形外科非常勤講師)。「ラジオ体操をお続けの高齢者は“ラジオ体操をしているから運動は足りている”と思っている人が少なくないんですね。ところが、ラジオ体操だけでは高齢者に必要な足腰の運動が不足してしまうのです」

 高齢者はラジオ体操に加え、スクワットなどの足腰を強化する運動が必要なのである。さらにもう一つ注意したいのは、高齢者の場合、ラジオ体操で逆に腰や膝を痛める恐れがあることだ。「たとえば、55~64歳までは68%の人が、きちんとジャンプできるのですが、65歳を超えると36%と、とたんに少なくなります。こんな人が無理に≪両足で跳ぶ運動≫などをすると膝を痛めてしまうことも」(前同)

 また、≪体を前後に曲げる運動≫で、体を前屈させて腕を振ると、骨盤があまり曲がらないため、腰椎の曲がりが大きくなりすぎて腰を痛めることがある。「実際、私のクリニックでも、ラジオ体操を熱心にしていたが、人工膝関節になった患者さんがいらっしゃいます。ラジオ体操と足腰の筋トレを同時にすることが大切です」(戸田院長)

●ランニングは危険!
 健康のためにマラソンやジョギングをしている人もいるだろうが、内科・循環器科の専門医でもある石蔵文信・大阪樟蔭女子大学教授によると、「中高年にお勧めのスポーツとは言えない」と言う。「マラソンやハードなランニングは重篤な不整脈を起こす危険があり、これが心不全や脳梗塞の引き金になることも少なくありません。また、ハードな運動は腎臓にも大きな負担をかけることが分かっています」(石蔵教授) 米国心臓学会がまとめた「健康的なランニング」は、走るのは週3日以内で、走る時間は1、2時間以内。スピードは1キロ7~8分ぐらいの「おしゃべりしながら走ることができる速さ」だという。

 心臓や腎臓が悪い人が市民大会で上位入賞を狙うランニング練習をしていると、それこそ天国まで駆け抜けることになりかねない。

●減塩をしても血圧が下がらない……!?
 血圧が高いので塩分を極力抑えている――こんな人も少なくないだろうが、実は、塩分を抑えることで血圧が下がる『食塩感受性高血圧』の人は全体の30~40%で、残り60%は塩分を控えても血圧が下がらない『食塩非感受性高血圧』なのである。極端な減塩が、気力の低下や疲労感の増大などを起こすこともあるので、塩分を控えても血圧が下がらない人は、医師の指導のもとに食塩感受性高血圧かどうかを判定してもらい、それ以外の対応法を考える必要がある。

●毎日風呂に入ると、逆に体に悪い!?
 最近は「朝と夜の2回入浴」の男性も増えている。あまり入浴をしすぎたり、体を洗い過ぎたりすると、逆に健康を損なうのをご存じだろうか。さすがに命に関わることはあまりないが、「皮膚の表面には表皮ブドウ球菌など約10種類の常在菌が存在して、皮膚を健康的な弱酸性に保つ働きをしています。ところが、毎日風呂に入り、あまり洗いすぎると、こうした常在菌が洗い流され、逆に肌の健康には良くありません」(医科大学教授)

 ちなみに、洗い流された皮膚常在菌が元に戻るまでは12時間かかる。1日2回風呂に入ると、皮膚を健康に保つ常在菌がいない状態になる。「あのタモリや福山雅治も風呂の入りすぎや洗いすぎで皮膚が荒れることを防ぐために、湯船に10分以上浸かるだけの入浴法を実践しているそうです」(芸能ジャーナリスト) 水清くして魚棲(す)まず。肌がキレイすぎると、皮膚常在菌もいなくなるのだ。

 過ぎたるは及ばざるがごとし。どんなに体にいい健康法でも、やり過ぎに注意して、健やかな人生をお送りください!

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