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この香りに要注意!「匂いでわかる病気」チェック

[週刊大衆04月04日号]

この香りに要注意!「匂いでわかる病気」チェック

 体の具合が悪いなら、その兆候はどこかに絶対に出てくるのだ。放置していたら、とんでもないことになる!

「言いづらいんだけどさ、あなた、ちょっと口臭がするわよ。どこか体がおかしいんじゃない?」 奥さんにこう言われて病院で検査を受けると十二指腸潰瘍だった――。これは決して珍しい話ではない。

『40代からの気になる口臭・体臭・加齢臭』などの著書がある、五味クリニックの五味常明院長は、「口臭や体臭があるときは、なんらかの病気にかかっていることが多い」と言う。「肺がんは、がんの中でも早期発見が難しいといわれていますが、罹患(りかん)すると呼気に独特な匂いが出て、嗅覚が鋭い犬には、これが判別できるそうです。最近、これにヒントを得て≪呼気で分かる肺がん判定機≫も開発されました。人間の鼻では難しいかもしれませんが、いつもと違った匂いに早めに気がつけば、病気の早期発見につながります」(五味院長)

 では、どんな病気を疑えばいいのか。具体的にみていきたい。まずは体臭、口臭、尿の匂いが甘酸っぱくなる場合。「リンゴが腐ったような、甘酸っぱい匂いがする人は、糖尿病がかなり進んでいると思うべきでしょう」 こう解説するのは、野村消化器内科の野村喜重郎院長だ。続けて、「糖尿病になると、血中の糖を分解するインスリンというホルモンが不足したり、効き目が悪くなるため、体は仕方なく脂肪分(脂肪酸)を分解してエネルギーにします。脂肪を分解すると、ケトン体という物質が生成されますが、ケトン体は独特の甘酸っぱい匂いがあるため、体臭や口臭にまで、この匂いが出てしまうのです」 なお、このケトン体は無理なダイエットをしたり、糖分を極端に減らした食事をしても出る。これが、いわゆる「ダイエット臭」だ。そんな状態になるまでやるのは、あまり望ましいことではない。ダイエット法を見直す必要があるだろう。

 一方、甘酸っぱいというより、ただ酸っぱい匂いがするとき。ここにも病気の兆候が2つ隠れている。1つが逆流性食道炎である。胃から胃酸や消化途中の食べ物が逆流するため、鼻にツンとくる酸っぱい口臭がする。逆流性食道炎は胃酸過多などの原因もあるので、胃の状態を検査してもらう必要がある。

 もう1つが口内にカンジダ菌(カビの一種)が増殖しているとき。口腔カンジダ症になると、口の中を指で触ったり、お茶など熱いものを飲んだときにヒリヒリするのだとか。また、鏡で口の中を見ると、白い苔のようなものができていることもある。

 なお、このカンジダ菌が咽頭や気管支、肺などの気道に増殖すると、すえたような、少し焦げ臭い口臭がする。また、性器に感染した場合は、“おりもの”や恥垢が増加するのだ。ちなみに、噴門(胃の入り口)は食物が通るとき以外は閉じており、匂いが逆流することはあまりない。だから、胃の状態を知るには、ゲップの匂いに注目するのがいいだろう。ゲップの匂いがきつく、玉ねぎが腐ったような香りがするときは、胃がかなり荒れている証拠。これがさらに進み、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になると、胃酸の酸っぱい味と匂いがする。また、胃がんの場合も胃酸の酸っぱい匂いがする。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんとも、頻繁にゲップをするようになるので、こんなときは、胃の痛みなどなくても胃の検査を受けたほうがいいだろう。

 生ゴミのような嫌な口臭がするときは、まず虫歯が疑われるが、結核、肺がん、膿胸(肺に膿などが溜まる病気)などの、胸の病気が潜んでいることがある。さらに、肉が腐ったような匂いがする場合は、肺の細胞が壊死して腐りかけている恐れがある。一刻も早く受診すべきだろう。「喉や肺で重篤な病気が進行すると痰の色で、ある程度判断することができます。白く透明であるなら、それほど心配する必要はないのですが、黄色いときには注意が必要です」(野村院長)

 尾籠(びろう)な話ながら、オナラの匂いは大腸の病気を知る手がかりになる。安倍晋三首相もかかった自己免疫疾患・潰瘍性大腸炎になると、オナラに硫化水素が多くなり、腐った卵のような匂いになる。これに粘血便や腹痛がある場合は、要注意だ。また、大腸がんになると、メタンチオールという腐った玉ねぎのような匂いを発するガスが増える。これが健常者の10倍以上にもなるという研究もあるので、鼻を摘むような強烈な匂いが続くときは大腸がんを疑う必要がある。さらに血便や、トイレの後も便が残った感じがするなら、早めに大腸の内視鏡検査を受けたい。

 なお、オナラの匂いがキツいのは、腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が優位になっているとき。その際は便秘になり、腸に溜まったガスが腸壁から吸収され、口臭や体臭のもとになる。「口臭や体臭が便に似た匂いになるのですが、こんな状態になると病気を呼び込みやすくなります。まず、本来は便やオナラとして外に出すものが、血液に取り込まれて肝臓で処理されるため、肝臓に負担がかかります」(野村院長)

 善玉菌が減って腸内のバランスが悪くなると、善玉菌が作り出すビタミンなども不足して、便秘で血圧が上がる原因にも。さらに、脳を活発にさせるセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生産も減り、気持ちまで暗くなるという。「オナラの匂いがキツいときや、大便のような体臭や口臭がするときは、ビフィズス菌や乳酸菌入りのヨーグルトなどを心がけて食べる必要があります」(前同)

 同じ排泄物でも、体臭や口臭がおしっこ臭くなるときがある。この匂いの正体はアンモニア。腎機能が低下しているときに起こる。「腎機能が低下した患者さんは、腐った魚のようなアンモニア臭がするんです。腎機能の低下で蛋白質(たんぱくしつ)などの代謝産物(尿酸など)が腎臓から十分排泄できなくなり、汗や呼気の匂いとして出ていることが考えられます」(同)

 この匂いに加え、体がむくんだり、頻繁に貧血が起こるなどしているときは尿毒症の疑いがある。また、アンモニア臭に加え、ツンとするような酸っぱい体臭がするときは、疲労が限界にきているケースが多いという。「一般に疲労臭というのですが、疲れが肝機能を低下させ、アンモニアを分解できなくなっているのです。ゆっくり風呂に入るなどして体を休め、細胞を活性化させる酢(クエン酸)を飲むと匂いが消えることがあります」(五味院長)

 このアンモニアを含め、食べ物や代謝によって発生する“匂いのもと”を分解しているのは肝臓である。逆に言えば、肝機能が低下すると、さまざまな匂いが出てくるというわけだ。「肝機能が低下すると、まずカビ臭いような、排水溝や雑巾のような嫌な匂いがしてきます」(野村院長)

 蛋白質の分解過程で出てくるアンモニアは、体にとって強烈な毒素。このため、肝臓は優先的にアンモニアを分解・解毒しようとする。この働きが低下するのは、肝臓がかなり疲弊している証拠。飲酒などで肝臓を酷使するのを控えたほうがいいだろう。「肝臓は、アルコールだけでなく糖質や脂肪の過剰摂取でも弱ります。肝臓に脂肪がつく脂肪肝と診断された方や、太り気味の方は、自分からアンモニア臭が出ていないか、気をつけてください」(野村院長)

 さて、熟年になるとまず衰えるのが歯。口臭がある人の大部分は、歯周病と虫歯によると言える。腐った卵の匂いや硫黄(いおう)温泉の匂い、あるいは魚の内臓のような匂いがする口臭は、歯周病が原因であることが多い。歯周病菌が増殖過程で、硫化水素やメチルメルカプタンといった鼻にツンとくる成分を作ってしまうのである。また、虫歯がある場合は、残飯入れのような嫌な口臭がすることも。これは虫歯が進行して、歯の根元の組織が壊死してしまうため。虫歯の治療をすると口臭も消える。

 一方、年齢を重ねると気になってくるのが加齢臭。ロウソクや古本にたとえられるこの匂いは、皮膚の新陳代謝が悪くなることで起こる。「運動をして若々しい血管を保つ食生活をしていれば新陳代謝が良くなり、加齢臭も少なくなります」(野村院長)

 その他、日本ではあまり馴染みがない病気にも触れておこう。スウェーデンのカロリンスカ研究所によると、腸チフスにかかると焼いたパンのような体臭や口臭がする。また、黄熱病は精肉店の生肉の匂い、結核菌の感染によって頸部のリンパ節が腫れる瘰癧(るいれき)になると、何日か置いた古いビールの匂いがするという。「基本的に、健康であれば人間の体は匂いがしません。いつもと違う匂いがしたり、嫌な匂いがするときは、体になんらかの問題があると思って、早めに対応することが大切です」(野村院長) 本誌を読んで男の匂いをプンプンさせる――。ま、これは健康な証拠ですから、ご安心を。

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