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不眠症はこれで解決!「眠りの秘密」大公開

[週刊大衆2016年04月11日号]

不眠症はこれで解決!「眠りの秘密」大公開

 寝つきが悪い。夜中に何度も起きる。早朝に目が覚める。加齢とともに、そんな悩みを抱える人が急増。解決策は?

 厚生労働省の研究班によれば、国内の成人の3割以上が、なんらかの形で悩んでいるという不眠症。高齢化社会と深い関係があるといわれるが、不眠を解消して快適な眠りを満喫するために、睡眠の秘密に迫ってみたい。

「肉体同様、年齢とともに私たちの“眠る力”も衰えていきます。睡眠力のピークは10代。その後は徐々に落ち始め、50代に入るとガクンと低下します」 開口一番、こう指摘するのは『雨晴クリニック』(富山県高岡市)副院長の坪田聡医師(医学博士)。『睡眠は50歳から「老化」する』(大和書房)など、関連の著作が多くある睡眠障害の専門家だ。それにしても、なぜ、50代を境にして一気に睡眠力が低下してしまうのか?

「脳に“松果体(しょうかたい)”と呼ばれる内分泌器官があり、これが年齢とともに衰え、50歳を境に、劣化が一気に加速するからです」(前出の坪田氏) その結果、深い睡眠が取れない、夜中に何度も起きる、睡眠時間が短くなるなど、睡眠の質の低下が起こってしまうという。下のグラフは子ども、成人と比較して、高齢者が深い睡眠を、いかに取れなくなっているかを示したものだ。

グラフ

 脳が眠るノンレム睡眠は、1から4段階に分けられ、4が一番深い。「子どもや、成人でも若い人は、体の眠り(レム)と脳の眠り(ノンレム)の睡眠周期を一晩に4~5回繰り返し、深い睡眠の中でもレベル4まで達します。だが、加齢とともに、レベル4がなくなり、やがて少しずつレベル3も減っていき、高齢者になると、レベル1~2止まりの人が増えていくんです」(前同)

 ちなみに、睡眠の二大役割をご存じだろうか?「一つは脳と体をクールダウン、すなわち休ませること。車のエンジン同様、休ませないと、オーバーヒートしますから。もう一つは脳と体のメンテナンス。壊れた細胞の修復や再生を行います」(同) だが、レベル4まで行かないと、この二つの役割が十分に果たせないという。結果、肥満や高血圧などの生活習慣病、さらには、がんやうつ病など、さまざまな病気にかかるリスクが高まり、最悪、命の危険すらあるというのだ。

 坪田氏によると、近年は睡眠とがんの因果関係も指摘されているという。たとえば、朝から夕方までの通常勤務の人と、時間が不規則で睡眠時間が十分に取れない交代制勤務の人を比べたところ、交代制勤務の人のほうが、3倍も前立腺がんになる確率が高いとのデータが出たという。睡眠時間が十分に取ることができない人は、どうしたらいいのか? また、老化から来る睡眠力低下は、どうしようもないのか?「そうではありません。睡眠力の老化は、病気や生活習慣の乱れなども関係しています。また、睡眠の“質”を、努力や工夫で高めることも可能です」(同)

 では具体的に、どう努力、工夫すればよいのか? まずは、午前0時までに寝ることだという。「睡眠の重大な役割の一つである、壊れた細胞の修復や再生は、“成長ホルモン”が担っています。その成長ホルモンが最も分泌されるのが、寝ついてからの約3時間なんです」(同)

 働き盛りの中高年世代は、早い時間に布団に入るのは難しいが、それでも、どうにか午前0時までにベッドインするのが望ましいというのだ。それから、朝10時までに、太陽の光を浴びることが必要だという。前述の松果体から分泌されるホルモンの一種に「メラトニン」がある。メラトニンは別名“睡眠ホルモン”と呼ばれるほど、睡眠と密接な関係がある。「メラトニンは朝、太陽の光を浴びると一気に分泌が減ります。そして、光を浴びてから14~16時間後、つまり朝7時に起きたとして、午後9~11時頃に量が増え始め、それとともに眠気が強まって“安眠”できるんです」(同)

 また、睡眠時間は7時間がベストだ。過去の多くの調査で、睡眠時間は7時間より短すぎても、逆に長すぎても、死亡率が高くなることが分かっている。「ただし、これはあくまで一般論。睡眠とは極めて個性的なもので、私が訪問する老人保健施設の100歳を超える長寿の人の中には、2日眠って2日起きている方、1度に16時間ほど寝て2~3日起きている方もいますから」(同)

 一方、睡眠中、「大きなイビキをかく」「毎晩のように寝言を言う」といった症状が見られる方は、重大病の可能性があるという。「大きなイビキは、寝ている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群、寝言は、レム睡眠行動障害という病気である可能性があります。前者は重症だと窒息状態に陥るため、寿命を縮める可能性がありますし、後者は一部の患者だとは思いますが、認知症を引き起こすことがあるんです」(同) そういった症状が出た場合は迷わず、専門家に診てもらうのがいいだろう。

 では、次に日常生活で簡単にできる、より質の高い睡眠を得るための具体的な対策を聞いてみよう。「起床時刻の2時間内のズレならば、“寝だめ”は可能です」(同) たとえば、月曜から金曜まで残業で、いつもより1週間で睡眠時間が計6時間減ったとしよう。その場合、週末の土・日に、ふだんより1時間早めに寝て、朝は2時間遅く起きることは有効だという。ただ、来週から忙しいので、先に余分に寝ておこうという寝だめは無理だ。「しかし、睡眠不足から来る眠気の元である“睡眠物質”を、余分に寝ることで解消することは有効です。ただ、起床時間がふだんより2時間以上ズレると、体内リズムが狂ってしまい、翌日以降、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下するので要注意です」(同)

 また、体の負担が大きい徹夜は禁物だ。「一晩の徹夜で、血圧が10ミリHg上がります。これは、降圧剤1錠分の効果を無にするほどです」(同)

 一方、目覚まし時計の多用も考えものだ。毎朝、当たり前のように目覚まし時計で起きている人も多いだろう。だが、「深い眠りの場合、無理やりではスッキリ起きられません。睡眠が浅いタイミングで起きることが大切で、目覚まし時計はあくまで寝過ごさないための“保険”程度に使うべきです」(同) 人間は夜だけでなく、午後2~4時に眠気のピークが来る。昼寝には、その眠気を減らす効果が。「ただ10~30分内にやめましょう。それ以上だと眠りが深くなり、目覚めが悪くなるし、夜の睡眠にも悪影響を及ぼします」(同)

 また、夜の安眠のためにも1日1万歩は歩きたい。「うちにも不眠を訴える方が、よく来られます。その際に話を聞くと、ほとんど体を動かされていない方が多い。体が疲れていないと、眠れないのは当然です」 こう語るのは、「和光治療院・漢方薬局」(千葉市)で、鍼灸師と薬剤師を務める平地治美代表。平地氏によれば、ストレッチ、ダンス、意外にもカラオケもいいとのこと。「こうした“リズム運動”は、夜になると睡眠を促すメラトニンというホルモンに代わる“セロトニン”という脳内物質を増加させることが分かっています」 一方、就寝前の入浴の温度は、40℃以下の“ぬるめ”がいいという。「熱めだと、覚醒してしまいます。逆に、寝起きにシャワーを浴びるなら熱めがいいですね」(前同)

 また、就寝前のコーヒー、寝酒は厳禁だ。「コーヒーには覚醒させるカフェインが含まれています。特に高齢者の場合、代謝が落ちている分、効果が薄れるまで時間がかかるので、午後3時ぐらいから避けたいところです。お酒は寝つきをよくしますが、深い眠りを妨げるので、お勧めできません」(同)

 同じく、就寝前の食事も厳禁だ。胃腸での消化にエネルギーが行く分、睡眠の質が低下するというのだ。「就寝前にスマホ、PCを見る。深夜営業のスーパーに出かけるのも避けましょう。あの明るい光には、覚醒作用があるからです。それと、寝る前の深呼吸は、リラックス、眠気を呼ぶのでいいですね」(同) 以上を実践すれば、質の高い深い眠りを得られること間違いなし。眠りの秘密、お役に立ちましたか?

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