日刊大衆TOP 娯楽

【武豊】夢の舞台――今週はいよいよ日本ダービーです

[週刊大衆2016年06月06日号]

 今年もまた、一年で最高にわくわくする1週間、ダービーウィークがスタートします。かつて、大先輩、柴田政人・現調教師が、「ダービーを取ったら騎手をやめてもいい」という熱い思いを語り、僕自身も、初めて、“ダービージョッキー”の称号を手にした1998年まではそう思っていた競馬の祭典、日本ダービ―。でも、今は違います。

――こんなにいいものなら、何度でも取りたい! 周囲から何と言われようと……「もう、いいんじゃないの」とか、「もう5回。これ以上は取り過ぎでしょう」と笑われても、ゼッタイに手にしたい最高の勲章、それが日本ダービーです。

 いつもと同じように、いつもと同じ気持ちで。ちょっと違うのは、馬ではなく、ダービーに向かう僕のローテーション。5月21日、ラニとともにアメリカ三冠の2戦目、「プリークネスS」に挑み、そこから、エイシンヒカリが待つフランスへ。24日、シャンティイ競馬場で、「イスパーン賞」に参戦。日本に戻って、ダービーに騎乗することになりました。

――えっ!? それは大変ですね。そう思われる方がいると思いますが、このへビーなローテーションは、むしろ望むところ。競馬学校時代から、「鞭と鞍を手に、世界中の競馬場を飛び回りたい」と思っていた僕にとっては、“久々に、この時が来た!”という高揚感でいっぱいです。

 今回と同じく、フランスから日本へ……で、思い出すのが02年です。あのときは、2月末に落馬事故で骨盤を骨折。入院して1週間は、数分おきに襲ってくる激痛のため、ほとんど眠ることもできませんでしたが、そこから驚異の回復力を見せ(笑)、2か月後には復帰。

「春の天皇賞」からフランスの「ミュゲ賞」に。3日後には「NHKマイルカップ」に挑み、シンガポールからまたフランスへ。日本に戻って挑戦したのが、タニノギムレットとのダービーでした。スペシャルウィーク、アドマイヤベガに続く、3度目のダービー制覇――表彰式で、小泉純一郎総理からかけていただいた、「おめでとう!」の言葉は、今も僕の宝物です。

 14年前と今年の大きな違いは……あのときは、まだ痛みが残っていて歩くのがやっとの状態でしたが、今年は僕自身が、馬と一緒に全力疾走できるほど元気だということです(笑)。すべてのホースマンが憧れ、その座に就くことを夢見て、最後の瞬間まで、戦うことを決して諦めない競馬の祭典――日本ダービー。6度目の戴冠を狙う僕も、エアスピネルも準備は万端。後はゲートが開くのを待つだけです。

 2016年5月29日、午後3時40分――東京優駿、日本ダービー。スタートからゴールまで、一瞬も見逃すことなく、選ばれし18頭による戦いを、その目に焼きつけてください。東京競馬場でお逢いしましょう!!

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】夢の舞台――今週はいよいよ日本ダービーです

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.