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自衛隊の実力は? 日中韓&北朝鮮「本当の軍事力」徹底検証

[週刊大衆2016年06月06日号]

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自衛隊の実力は? 日中韓&北朝鮮「本当の軍事力」徹底検証

 軍拡に血道を上げる中国、36年ぶりの党大会で堂々と核保有を宣言した北朝鮮。緊張を増す極東軍事情勢!!

「極東、東南アジア諸国では近年、軍拡路線の国が多いですが、これは中国の存在が大きいですね。中国が軍拡に血道を上げているため、周辺諸国でも国防上、それに備えなければならないからです」(軍事ライターの黒鉦英夫氏)

 世界最大、13.7億人の人口を誇る中国。かの国が軍拡路線をひた走る理由は、“体制維持”にあるという。「トップの習近平国家主席が2012年の党大会で掲げた目玉政策“中国の夢”とは、清の時代の最大版図の復活を含意しています。これはつまり、“経済力をつけ、軍備を整えた今こそ、失われた領地を取り戻していくときだ”ということ。拡大政策はナショナリズムを高揚させますから、一党独裁を敷く共産党幹部の腐敗や、社会矛盾に対する国民の怒りを惑わすことができるという計算もあります」(全国紙外信部記者)

 南シナ海の岩礁を埋め立て滑走路を敷設。そこにミサイルを設置し、軍事拠点化する動きは、こうした拡大政策の典型だ。「日本固有の領土である尖閣諸島の領有を宣言したのもそうです。他にも中国はフィリピン、ベトナム、台湾、インド、ロシアなどと領土問題を抱えていますが、どの国相手でも強気な姿勢を崩していません」(前同)

 中国の国防費が初めて日本のそれを上回ったのは、04年のこと。以降、日本の国防費がほぼ横ばいで推移しているのに対し、中国は毎年前年比2桁の増額を記録。現在の国防費は約150億ドルで、これは日本の約3.6倍に達する。「中国の国防費は極めて不透明なものです。新兵器の開発費や核弾道ミサイルの改修費用などは、公表値に含まれていませんからね。実際の総額は、公表された金額の2倍近くになるとの見立てもあるくらいです」(前出の黒鉦氏)

 自衛隊の約10倍の規模を誇る中国人民解放軍。現役総兵力233万人は、堂々の世界一だ。「人民解放軍はこれまで陸軍主体でしたが、近代化に合わせて海空戦力を拡充しています。そのため、余剰となった陸軍の兵力を“17年までに30万人削減する”と発表しました。中国国防部の報道官は、これを“軍縮努力で世界平和に寄与する”とうそぶいてみせましたが、高止まりの人件費を抑制し、その分、装備の近代化を図るための方策にすぎません。中国政府は“30年までに人民解放軍を世界一の軍事大国アメリカに並ぶ存在にする”という目標を立てているといわれていますが、その軍事的野心は膨らむ一方ですよ」(前同)

 同時に中国は、これまで7つあった軍区を、“5つの戦区”に再編している(東部戦区=対日本・台湾、南部戦区=南シナ海、北部戦区=対ロシア・北朝鮮、西部戦区=対中央アジア・イスラム過激派、中央部戦区=首都北京の防衛)。「呼称も軍区から“戦区”に変更されました。これまでは各軍区ごとに結束し、兵器の転売や賄賂の要求など、やりたい放題でした。また、政権中枢の派閥ごとに軍区が色分けされていた側面もあります。習主席はそうしたかつての“軍閥”を彷彿させる悪弊を一掃し、自らが軍を完全に掌握するために、こうした改革に着手したわけです」(前出の外信部記者)

 習政権は軍部を掌握するために改革の大ナタを振るうと同時に、南シナ海では米軍や周辺諸国に対し“コワモテ路線”を貫いている。「国際社会は中国のこうした姿勢に慣れ、軍拡を放置していると取り返しのつかないことになりますよ」と警告するのは、防衛省幹部だ。

「残念ながら、明日にでも中国と総力戦になったら、日本は勝てません。中国は核保有国ですし、敵地を攻撃するための爆撃機なども保有しています。日本は専守防衛のための高度な兵器を取り揃え、自衛官は勇敢で勤勉ですが、やはり防戦一方では限界がある。同じ理屈で言えば、核ミサイルを運用できる北朝鮮にも勝ち目がありません。韓国とは総力戦をやっても十分に勝利することができますが、中国には負ける。北にも核を使われたらお手上げです。痛恨ですが、これが偽らざる現状なのです」

 とはいえ、現代の国際社会で、他国を侵略する戦争行為が発生する可能性は限りなくゼロに近い。「ただ、係争中の領土を巡る局地紛争なら十分に起こりえます。その際に戦闘に勝利するためには、想定されるシナリオを研究し、必要な兵器、人員を確保しておき、なおかつ、迅速に戦力を投下できるための法令を整備しておくことが重要となります。さらに、集団安全保障体制を構築しておくことも不可欠です。日本なら米軍の支援を受けることが可能ですし、欧州ならばNATOが機能しています。現在のトレンドは、一国で完結する防衛ではなく、自国が侵略行為を受けた場合は、同盟国と協力して、これを撃退するというものなのです」(前同)

 現在、自国のみで多正面(複数の前線)の戦闘をこなす能力のある国は、アメリカ、ロシア、中国以外にはないとされる。「日本の不幸は軍事超大国の一つである中国と、厳しく対峙していることです。もし、日本の周辺に中国や北朝鮮のような“腕力にモノを言わせてでも”という国がなければ、自衛隊の備えもずっと軽微でよかったはずだからです」(同)

 だからと言って、日本の軍事力が貧弱であるわけではない。発生確率がゼロに近い一対一の“タイマン総力戦”を想定しなければ、中国相手にも十分優位に戦える能力を備えている。以下、韓国、北朝鮮も交え、極東4か国の陸海空の戦力を順に眺めていきたい。まずは陸軍戦力から。日本以外の中国、韓国、北朝鮮は自国が大陸にあるため、伝統的に陸軍主体の軍隊を運用してきた。「総兵力では日本は最下位ですが、陸戦も局地戦闘では“量より質”です。米海軍の特殊部隊シールズがビンラディンを暗殺したミッションのように、高性能ヘリで隠密裏に展開し、少数の精鋭が目標を制圧するような動きが求められるでしょう。その際は、後詰めとして数台の戦車や装甲車両が潜み、さらに後方からは自走榴弾砲が敵が展開するエリアを狙っている……といった戦術が採用されるはずです」(元陸自幹部)

 このように想定される陸上戦闘だが、そのどの局面においても陸自隊員の技量は秀でているという。「ヘリを用いた急襲作戦には、多用途ヘリ・ブラックホークや大型輸送ヘリ・チヌークが活躍します。これらの機体は御嶽山噴火や東日本大震災、先の熊本大地震でもフル稼働しています。一方の中国陸軍は、ヘリの運用能力に乏しいことが弱点とされており、陸自が優位に立つはずです。米軍と共同訓練を重ねている韓国陸軍も、こうした作戦では中国よりも優れているはずです。ちなみに北朝鮮には、こうした作戦自体を遂行する装備がありません」(前同)

 また、陸軍の主役である戦車戦でも、陸自が頭一つリードしているという。「陸自の10式戦車は、米陸軍の主力エイブラムス戦車にも勝る能力があります。スラローム射撃といって、猛スピードで蛇行走行しながら目標を百発百中で撃ち抜くことができ、友軍とネットワークシステムも最新のものが搭載されています」(前出の黒鉦氏)

 韓国は自国産のK-2戦車こそ“最強”と胸を張るが、このK-2を巡ってはすったもんだがあった。「11年に完成するはずが大幅に遅れ、14年までずれ込みました。理由は国産と謳っておきながら、重要パーツはドイツなどの外国製をツギハギしたため、不具合が発生したためです。軍が要求した加速性能も実現できず、苦肉の策として土壇場で要求を緩和して取り繕った“いわくつきの戦車”ですよ」(前同)

 陸軍戦力で侮れないのは北朝鮮である。米軍のトップである統合参謀本部議長が、米上院の聴聞会で「(朝鮮有事の際は)北朝鮮が主導権を握ることもありえる」と証言しているのだ。「統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード氏は、“北朝鮮は特殊部隊の投入、各種ミサイル、核兵器、サイバー攻撃を用いることができる。世界第4位の規模の軍事力がある”と分析しています。決して侮ることはできませんよ」(『コリア・レポート』編集長の辺真一氏)

 韓国の首都ソウルは、北朝鮮との最前線である38度線から、わずか60キロの距離にある。「北朝鮮は38度線付近に榴弾砲やロケット砲など、大量の火力を集中させています。これらが一斉に火を噴けば、ソウルはなす術なく火の海になってしまうでしょう」(前出の黒鉦氏)

 続いて海上戦力を見てみよう。戦闘艦艇数は中国が135隻とダントツ。海上自衛隊は65隻なので、2倍の艦艇を保有していることになる。「海自は、ハイテク護衛艦の代名詞であるイージス艦を6隻保有しています。イージス艦は、軍艦の天敵である敵戦闘機への攻撃能力が高く、高性能レーダーで同時に複数の敵機を捕捉、対空ミサイルを発射できる高性能艦です」(前同)

 中国海軍も“チャイニーズ・イージス”と呼ばれるハイテク艦を運用する。ルヤン「旅洋Ⅱ型駆逐艦がそれで、04年に1番艦が就役しました。ただ、その性能は未知数。外見上、すなわちハードウェアはイージス艦を思わせますが、実際の運用を司るソフトウェア部分の更新がうまくできているかどうか……。実績のある海自のイージス艦とは“似て非なるもの”と考えたほうがよいでしょう」(同)

 中国軍は陸軍主体であったため、中国海軍の歴史は浅い。各国のハイテク艦をコピーしまくり、見栄えは近代海軍を装うのだが、その実力には「?」マークが冠されるようだ。「中国海軍は、個々の艦艇の質は向上しているものの、乗組員の質、艦隊として行動するための戦術などは、まだ発展途上にあります。海上自衛隊に勝利できるほどのレベルにはありません。現時点では、外交的な配慮などで、政治が自衛隊の作戦行動に制限をかけることがなければ、中国空海軍の侵攻は十分に阻止できるでしょう」(軍事ジャーナリストの竹内修氏)

 そのため、中国は“海底のハンター”潜水艦に活路を見出しているという。「戦闘艦艇135隻のうち、半数近くの61隻が潜水艦です。中国は原子力潜水艦も保有していますが、実際に海自艦と渡り合えるのは、ロシアから購入したキロ級潜水艦だけでしょう。ただ、それも、12隻のうち8隻しか稼動していない状態です。ロシアが整備契約を結ぶことを拒否してますので、数は揃っていても、それほど大きな戦力となっていないのでは」(軍事ライターの古是三春氏)

 北朝鮮と韓国は、海軍力で大きく後れを取る。「北朝鮮に海軍はないに等しい。できることは、サンオ級などの小型潜水艦に武装工作員を乗せて運ぶことくらい。韓国も国産イージスなどハイテク艦を保有していますが、運用実績に乏しく、技術面の問題もあり、海自の敵ではありません。また、ドイツからライセンス生産で購入した潜水艦を自国の現代重工業が分解したら元に戻せなくなり、長らくドックに入ったままという情報もあります」(黒鉦氏)

 最後に航空戦力はどうか。「まず北朝鮮空軍は、燃料不足により飛行訓練もままならない状況。無視してよいレベルでしょう」(前同) 韓国は空自の主力戦闘機であるF-15Jを凌駕する能力を持つF-15Kを運用するが、「問題が多い」(前出の防衛省幹部)という。「韓国空軍は訓練中の墜落事故が多いのですが、これは技術・整備面に問題があるからでしょう。90%を超えるといわれる空自の可動率に対し、韓国は60%程度ともいわれています。戦闘機が故障してもそれを直せないため、パーツを他の機体から取って取り替える“共食い整備”が横行しているとの噂も」(同)

 中国空軍はどうか?「“見た目”は近代空軍そのものです。空自のF-15Jと比肩するロシアのスホイ27をライセンス生産したジャンジ殲撃11、空母艦載用の殲撃15と、各種取り揃えています」(黒鉦氏) ただ、現代の戦闘機戦闘では、戦闘機以外の性能が勝敗を分けるという。「長距離作戦を行うのに不可欠な空中給油機や、遠距離で敵を探知し、味方に指示を与える早期警戒管制機などの数が少なく、中国空軍が空自と戦って制空権を確保するのは難しいでしょう」(前出の竹内氏)

 陸海空とも局地戦では、自衛隊は中国軍に対して優位に戦うことができることが分かった。ただ、このまま中国軍が右肩上がりで軍拡を続けると近い将来、これが逆転することも事実だ。また、軍事同盟を結ぶアメリカの次期大統領が共和党のトランプ候補になったら、日本には重大事だ。「彼の在外駐留米軍に対する外交スタンスは、ニクソン、カーター政権と非常に似ています。ニクソン元大統領は現役当時の70年代に在韓米軍の撤収を示唆し、続くカーター政権では、これを実行する動きを見せた。トランプ氏も、こうした流れを汲む外交スタンスとみています」(前出の辺氏) ご存じのように、トランプ候補は在日米軍の撤退も示唆している。日本は、自国の安全保障を巡る大きな転換の時を迎えているのかもしれない――。

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