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おそるべき激ヤバ実態!?「マイナンバー制度」の現在

[週刊大衆2016年06月20日号]

おそるべき激ヤバ実態!?「マイナンバー制度」の現在

 鳴り物入りでスタートした新制度だが、いざ始まるとボロが出るわ出るわ。これ、本当にメリットあるの……? 憤激必至のその実態とは!?

「やっぱり、大失敗だったんじゃないの?」 さる5月29日、東京で「マイナンバーの廃止を求める市民集会」という集まりが催された。集まったのは、約200人の市民たち。彼らの口からは異口同音に、そんな疑問が漏れてきた。共通番号(マイナンバー)制度がスタートしたのは、今年1月のこと。国民一人一人に割り振る12ケタの個人番号をもとに社会保障と納税情報をまとめて管理し、もろもろの手続き上の時間やコストのロスを軽減するのが主な目的だという。

「これまでは行政手続きの際、市区町村役場や税務署、社会保険事務所など、複数の機関を回って書類を入手しなければなりませんでしたが、マイナンバー導入後は手続き書類が減り、利便性が高まるというのが、政府の説明でした」(全国紙社会部記者)

 しかし、いざ導入されてみたら、役所や、大量の通知カードをさばく郵便局などの現場は大混乱。トラブルが続発し、市民にとってもマイナスだらけなのだ。「そもそも、マイナンバー(個人番号)が記載された通知カードからして、昨年10~12月の間に全国5866万世帯へ簡易書留郵便で配達されたはずですが、いまだ全人口の3%の人には届いておらず、自分のナンバーが分からない人もいる。それによって、本来受けられる行政や金融機関のサービスを受けられない人まで出てきてしまっているのですよ」(前同)

『共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会(共通番号いらないネット)』には、そうした“実害”の声が寄せられているという。「マイナンバーがないという理由で、生命保険の支払いを拒絶された例がありました。生命保険の支払いはマイナンバーとは無関係ですが、保険会社側が意図的にか勘違いかはともかく“過剰適用”する例があり、こういうトラブルがいくつか発生しているのです」(同連絡会の白石孝世話人)

 障害のある人や遺族厚生年金の対象者に適用されるもので、預金の利子が無税となる銀行口座がある。それを新たに開設する場合など、一部のサービスでは、すでにマイナンバーの提出が義務となっている。しかし、通知カードすら届いていない人は銀行口座を作りたくても作れず、保険金不払いの理由にもされてしまうのだ。不条理に不利益を被ってしまうのには、納得いかないものがある。「もちろん、中には、“住民が転出・転入届を出さず、自治体側が住所を把握できない”“郵便局で別人に通知カードを渡してしまった”というケースもあり、すべてが政府の責任とは言えません。しかし、そうした事態を想定することなく性急に導入した責任は、問われても仕方ありません」(前出の全国紙社会部記者)

 また、政府が「身分証明書代わりに使える」と喧伝し、来年3月までに1000万枚の普及を目指す「マイナンバーカード」(個人番号カード)の交付を巡る混乱も生じている。「全世帯に配達される(はずの)紙製の通知カードと異なり、マイナンバーカードの取得は“任意”です。プラスチック製で顔写真とICチップ回路が内蔵してあるため、“運転免許証を持っていないため、顔写真つき公的身分証に使える”と昨年の11月上旬に申請した女性の場合、1月にはカードをもらえるという話だったのに、申請から4か月近くもたった3月2日にようやく届くなど、大幅な遅れが生じています」(前同)

 さらに、早い段階で発行されたカードのうち2万6000枚でICチップから情報が読み取れなかったり、顔写真が別人(!!)のものだったりと、とにかくズサンそのもののトラブルが相次いでいる。「こうしたトラブルの原因の多くは、あきれるほど単純なもの。申請や処理が集中し、システムが処理能力の限界でダウンしてミスが起こったのです。これだけ重大なシステムの構築には、普通に考えたら万全を期し、何回もテストを行ってから実施するもの。見切り発車したがために、混乱を招いてしまったのですね」(前出の白石氏)

 こうしたシステムの不備によるミスは、ただ不便をこうむるだけでなく、情報が流出して財産や身の安全を危険にさらされるリスクも多々あるというから、タチが悪い。「もっとひどいのは、暗証番号ですよ」と言うのは、前出の全国紙記者だ。マイナンバーカードの申請者は最大4種の暗証番号を決め、各自治体の交付窓口の端末に番号を入力するのが正規の手順。しかし、前述のようなシステム障害や、その他の事情によって端末に入力できない場合、総務省は「申請者から暗証番号を聞き出し、自治体職員が申請者の代わりに番号を端末に入力する手順を取ってよい」という趣旨の連絡をしている。「つまり、自治体職員に悪意があれば、いくらでも他人のマイナンバーを取得できます。ちょっと、これは個人情報を扱う者として意識が低すぎます」(前同)

 マイナンバーカードには今後、健康保険の番号や運転免許証の番号なども登録され、保険証や運転免許証代わりとしても使えるようになる予定。この他、来年からは個人番号が民間にも開放され、オンラインの金融取引などキャッシュカードやポイントカードなどの機能も兼ね備える予定だという。1枚で何にでも使え、多数のカードを持ち歩く必要がなくなるのは確かに便利そうだが、それだけ流出したときのリスクも高くなる。「もしカードが紛失や盗難の被害に遭った場合、単機能のカードや番号であれば、被害は限定的ですみます。ところが、マイナンバーカードにすべての個人情報や支払い情報が使われるとなると、これが流出するだけで、すべての個人情報が流出することになってしまうのですよ」(前出の白石氏) 住所や電話番号のみならず、個人の年収や預金額はもちろん、全資産額までガラス張りに。そして、それらが悪用される恐れが常につきまとうのだ。

 白石氏の調査によると、日本とほぼ同じ官民共通の番号制度が導入されている韓国では、2008年1月以降、14年1月までに企業などから流出した個人情報は、延べ2億3719万人分に及ぶという。韓国の人口は約5000万人。人口をはるかに上回る被害が、6年間で発生したのだ。「結果、なりすましによる詐欺被害が深刻化し、制度への疑問が高まりました。同じく官民共通番号制度を導入しているアメリカでも、成人の5%がこうしたなりすまし被害に遭っています。日本でも、2~3年後には皆さんのマイナンバーを記載したリストが出回るようになるでしょうね」(前同)

 昨年、甘利明・前経済産業大臣が「♪私以外、私じゃないの~」と『ゲスの極み乙女。』の替え歌でアピールしていたマイナンバーだが、容易に“私以外”に情報が漏れてしまいかねないうえ、甘利大臣、『ゲス』の川谷絵音と、関係者が軒並み“情報流出”で大炎上、縁起が悪いこと、このうえない。シャレにもならない、この情報管理体制の甘さへの危機感も含め、冒頭のような「マイナンバーを廃止せよ」との、導入前からあった主張は勢いを増すばかり。同制度が憲法で定められたプライバシー権や人格権に違反すると訴える『違憲訴訟弁護団』の瀬川宏貴弁護士は、こう語る。「マイナンバーが民間に拡大されることで、情報流出の危険はさらに高まります。プライバシーは一度漏洩したり、データマッチング(名寄せ)されるなどしたら、“なかったこと”にするのは不可能。政府は、情報は漏洩しないと説明していますが、この状況で信頼できるはずがありませんよ」

 このマイナンバー、初期費用に約3000億円。さらに、毎年の運営費用には数百億円かかるといわれる。我々庶民の血税を使って、それだけのものを作るメリットは、本当にあるのだろうか。「役人の目的は、一にも二にも税の徴収。“所得をガラス張りにして、きちんと税金を払っていない人から徴集して公平さを確保する”と言いますが、とにかく1円でも多く、100%取り切りたいという財務官僚の“見果てぬ夢”の結晶なのです」(前出の全国紙記者) 国民の利便性など、あくまで方便。狙いはやはり、そこにあったというわけだ。さらに、取材の結果、それ以上の“本音”までも明らかになってきた。

「マイナンバーのシステムの欠陥がいろいろといわれていますが、あれは、実はイチから作ったものではなく、住基ネットのシステムに“増築”したものなんです。基礎から作らないで、ありものを流用したような、そんなちぐはぐのシステムでは、そりゃ“倒壊”しますよね」(経済誌記者)

 住基ネット正しくは「住民基本台帳ネットワーク」という言葉を覚えているだろうか。02年に国民全員の住所、氏名、生年月日、性別の情報を自治体間で共有するために作られたシステムで、国民全員に11ケタの番号が与えられる「元祖マイナンバー」と言ってもいいもの。違いは利用範囲の広さで、マイナンバーは行政や民間サービスの場で使えるが、住基ネットはほぼ役所内部でしか閲覧できない。「とはいえ、発想としては“番号による国民財産の管理”という点で同じです。国民に何のメリットもないのに、情報の流出リスクだけがある同制度は散々な不評で、発行された“住基カード”の普及率は14年かけて、わずか5.5%。更新手続きも昨年末、ひっそりと終了しています」(前同)

 システム構築で400億円、13年間の運営維持費など考えると数千億円をかけた、壮大なムダ遣いだったわけだ。しかし、なぜ、そんなトラブルも予見できた“過去の遺物”を使ったのだろうか?「“住基ネットの失敗を認めたくない”というメンツ意識もありますが、主目的は天下り先の確保。政府のIT関連事業は、住基ネットもマイナンバーも、常に同じ数社が受注するようになっていて、ここが官僚たちの受け入れ先となるのです」(同)

 さらに、マイナンバー制度の導入にあたってシステム運営のために『地方公共団体情報システム機構(J-LIS)』という組織が立ち上げられたが、実態は住基ネットの情報を管理するために作られた『地方自治情報センター』を改称し、組織を拡充しただけ。これも、完全に天下り組織だ。「マイナンバー制度自体、目に見える箱モノではないだけで、新しい“公共事業”ができただけのこと。その結果、欠陥だらけの“手抜き工事”のシステムができてしまい、その費用と不都合だけが国民に押しつけられるのですよ」(同)

 国民よりも、自分の利益。なんともガッカリな、役人の発想ではないか。「新しい仕組みができたら、その裏で税金を掠(かす)め取ろうとする役人や企業の思惑を疑ったほうがいいですね」と、評論家の小沢遼子氏が語るように、このマイナンバー制度が、最初から官僚や関係者たちの“食いぶち稼ぎ”の茶番なのだとしたら、そんなものにつきあう道理はない。「住基ネットで税金を食い荒らし、今度はマイナンバーで同じことを行う。役人にとっては、金が使えれば、その成否はどちらでもいいのです。しかし我々は、その金が自分たちの税金であることを忘れてはいけない。常に、それが庶民の利益になるかどうか厳しくチェックして声を上げていかなければ、この先も同じようなムダ事業が作られかねないのです」(前出の全国紙記者) オイオイ、こんな適当なことでいいのか!? 役人の天下りのための「マイナンバー」、いったい、どこへ向かうのか!!

おそるべき激ヤバ実態!?「マイナンバー制度」の現在

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