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【武豊】早いもので今年の競馬も後半戦突入です

[週刊大衆2016年07月11日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

 2011年に発災した東日本大震災は、東北地方に甚大な被害をもたらしました。その生々しい傷跡は、5年が経った今も各地に残り、復興はまだまだ、道半ばです。この震災によって、福島競馬場もまた深刻な被害を蒙りました。スタンドの天井や壁が崩落、パドックには割れたガラスが飛び散り、馬券の発売やレースを管理するコンピュータも故障し、競馬開催の中止を余儀なくされてしまったのです。

 震災から8日後、阪神と小倉で競馬が再開されると聞いたときは、正直、こんなときに競馬をやっていいのかと、心が揺れました。それを救ってくれたのがレース後に行った、全騎手が参加したチャリティサイン会です。

「金返せ!」
「このヘタクソ‼」

 いつもは強烈な野次を飛ばすオジサンたちが、「みんなで被災地を応援しましょう」と声をかけてくれ、力強く手を握ってくれました。

 「これ!」

 大事そうに、両手で抱えた貯金箱を小さなお子さんに差し出されたときは、ちょっと言葉にならないほど心が震えました。今まで感じたことのない競馬ファンとの一体感――競馬に携わっていてよかった。ジョッキーでよかった。そんな瞬間でした。

 福島競馬場が再開されたのは、それから約1年後の12年4月7日です。ターフビジョン横の広場で、復興を祈念したシダレザクラの植樹を行い、21日には、5年9か月ぶりに福島競馬に参戦。このときの成績は10回騎乗して、1着1回、2着2回、3着1回。あまり褒められた数字ではありませんが、あのときばかりは、「豊ーッこのやろう。金返せーッ!」というヤジも、なんだか、うれしかったのを覚えています。

 今週……16年後半戦のスタートは、その福島競馬から始まります。レースは、7月3日に行われるGⅢ「ラジオNIKKEI賞」。パートナーはタニノギムレットを父に、モルガナイトを母に持つ、音無厩舎のブラックスピネル。前走、5月28日のOP「白百合ステークス」を制した勢いをそのままに、秋を睨んだここで、一気に重賞初制覇を狙います。

 8戦して3勝、2着2回、3着1回、4着2回。すべて掲示板を確保している彼の真価の見せどころは、ここからが本番です。秋以降に向け、ここでどういうレースをするのか!? 騎乗する僕もワクワクしています。

 そして、もう一つ。6月29日には、今年の前半を締めくくるグランプリレース・JpnI「帝王賞」が待っています。前走5月5日のJpnI「かしわ記念」で復活を遂げたコパノリッキーにとって、強力なライバルたちが出揃うここは、文字通りの正念場です。前半戦を最高の結果で終え、後半戦スタートの福島で弾みをつける――。「さすが、武豊」と皆さんに言っていただけるような最高の内容と、最上の結果を目指します。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】早いもので今年の競馬も後半戦突入です

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