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首相側近にも疑惑!? 安倍自民「政治とカネ」問題の深い底

[週刊大衆07月11日号]

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首相側近にも疑惑!? 安倍自民「政治とカネ」問題の深い底

 第1次政権崩壊の轍を踏まないよう、ダダっ子都知事に引導を渡した首相。これで盤石……とはまだまだいかず!?

 家族と宿泊したホテル代を政治資金から支払うなど、公私混同の甚だしいカネ使いが世の批判を浴び、ついに辞任へと追い込まれた、舛添要一・前東京都知事。舛添氏への大逆風が決定的になったのが、6月7日にメディアを相手に行われた記者会見だ。「“不適切ではあるが違法ではない”を連発して続投を宣言し、高圧的な態度でメディアに対応する姿に、都民は“何を盗人猛々しい!”と激怒。あれがきっかけとなり、あまりにセコい用途への批判も相まって、一気に庶民を敵に回したのです。最後は、安倍首相が直に電話で“辞職勧告”し、引導を渡しました」(全国紙政治部記者)

 さて、この顚末に、やや疑問を感じる点が二つある。一つは「なぜ舛添氏は会見で、あれだけ自信たっぷりだったのか?」、そして、もう一つは「なぜ、都政と本来関係のない安倍首相が出しゃばってまで、この問題を決着させたのか」。まず第一の疑問に関して、前出の政治部記者が言う。「もともと尊大な人ではありますが、あの態度の理由は、本人の言葉通り“違法ではない”という思いがあったからでしょう」 政治家のカネの出入りを管理する政治資金規正法では、政治家に献金する政治団体と、カネの収支を記した「政治資金収支報告」の届け出を義務づけている。しかし、収入のほうこそ外国人、企業・団体からの政治家個人への寄付の禁止、金額の制限などを設けているものの、支出に関して特に規制はない。「つまり、基本的には帳簿上で出入りの金額さえ合っていれば、何に使っても自由という“ザル法”なのです」(前同)

 ここに、第二の疑問のカギがあるのだ。「もちろん、自民党と関係の深い舛添さんが居座って批判を浴び続けることは、7月に控えた参議院選挙にとって悪影響ではある。しかし、それ以上に首相が恐れたのが、自民党に囁かれてきた数々の“政治とカネ”問題に火がつき、参院選で致命的なダメージを受けること。つまり“延焼”を食い止めたかったわけですね」(元衆院議員秘書)

 実際、安倍首相が2012年12月に再登板して以来、自民党の国会議員の金銭問題は枚挙にいとまがない。この1年だけでも、政治資金規正法違反で市民オンブズマンらが刑事告発した国会議員は、松村祥史参院議員、島尻安伊子沖縄・北方担当相、末松信介参院議員、二之湯智参院議員、江島潔参院議員、そして安倍首相の実弟・岸信夫衆院議員。インパクトの強いところでは14年、故・宮沢喜一元首相の甥、宮沢洋一氏の資金管理団体が“夜のお店”で「打ち合わせ」として2万円弱を支出していたことが発覚。

「これらは数万~数百万円単位の出所不明金や使途不明金などが指摘された例。よく“カネは適切に処理した”という言葉が使われますが、これくらいは帳簿の記載ミスということで後から“合法化”できるので、多くはお咎めなしなのです」(オンブズマン関係者)

 こうした小粒な不祥事が続く中、“合法化”に失敗して大ダメージを受けた大物もいる。14年9月、内閣改造で就任したばかりの小渕優子経済産業大臣(当時)の元秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われ、就任2か月足らずで大臣辞任に追い込まれたのだ。

「他の議員と違って政治資金収支報告書の入りと出の金額が合わなかったうえ、虚偽記載の理由が悪質と判断されたからです」(前同) 年に1~2度、小渕氏の女性後援者たちが東京で行う観劇会で赤字が生じたように装い、政治資金収支報告書に虚偽の内容を記載したとして、秘書2人が逮捕。執行猶予付きの有罪判決が15年に確定している。

 また、今年に入ってから都市再生機構(UR)への口利き疑惑で大臣辞任を余儀なくされた甘利明・前経済再生大臣も同様だ。「秘書が依頼者から600万円受け取りながら一部しか政治資金収支報告書に記載しなかったため、悪質な政治資金規正法違反(虚偽報告)で告発されました。“甘利氏自身もカネを受け取って背広の胸ポケットに入れた”という報道があり、検察もあっせん利得処罰法違反に問おうとしたものの、最終的には不起訴。グレーな決着となりました」(全国紙社会部記者)

 しかし、これだけ金権疑惑が多ければ、参院選を前に首相が“舛添辞任”を急がせたのも無理はない。「安倍首相の第1次政権も“ナントカ還元水”や“バンソウコウ大臣”など閣僚の金権疑惑が続出したことで07年の参院選に大敗し、崩壊しました。今回の一連の醜聞が、再び政権の“終わりの始まり”にならないよう、首相はピリピリしていることでしょう」(前同)

 だが、そんな首相の努力(?)をあざ笑うように、6月中旬、またぞろ新たなカネの疑惑が噴出した。安倍首相キモ入りの「1億総活躍担当大臣」を務める首相側近の加藤勝信衆院議員が、その主役だ。「加藤大臣は、自民党の国会議員350名が加盟する『国民医療を守る議員の会』の事務局長でもあります。この議連には、診療報酬の引き上げを求める日本医師会から13年11月に500万円、14年10月に100万円が寄付されているのです」(前出の社会部記者)

 が、なんと、この議連、いまだに団体登録の届け出をしていないことが判明。「医師会の政治団体である『日本医師連盟』の政治資金報告書には、受取人として“事務局長 加藤勝信”と明記されています。一方、『議員の会』のほうは団体登録されておらず、当然、収支報告書もなし。いったい、このカネはどこに消えたんでしょうね」(前同) もし献金を公表しないために、あえて団体届け出をしていないとしたら「裏ガネ作り」と言われても仕方ない、明白な政治資金規正法違反。早く届け出て、そのカネを国民のために“総活躍”させてもらいたい。

 さて、診療報酬に絡む贈収賄といえば、思い出すのは01~04年を中心に取り沙汰された「日歯連事件」。歯科医の団体である日本歯科医師連盟(日歯連)が、診療報酬の改定や会長選などをめぐって、買収や、橋本龍太郎・元首相、野中広務・元自民党幹事長ら大物政治家へのヤミ献金・迂回献金を行い、最終的に自民党国会議員、日歯連幹部ら計16人が起訴され、全員の有罪が確定した大疑獄だ。「その日歯連が、安倍政権の成立後、またもや政界に怪しいカネを流し始めたのです」(前出の政治部記者)

 昨年4月、自民党の石井みどり参院議員の後援会に他の議員の名義を迂回したものも含め、寄付制限を超える合計9500万円ものカネを献金したとして、東京地検特捜部が日歯連の本部を家宅捜索。9月には、日歯連の歴代会長と会計責任者ら3人が、政治資金規正法違反で逮捕された。

「石井氏は日歯連が擁立する参院議員ですが、そんな巨額を寄付されるような大物ではありません。“その先”への迂回献金を狙ってのものだと見込み、特捜部が動いたわけです」(前同)

 同後援会の政治資金収支報告書を見ると、献金は1月と3月。そして4月の家宅捜索以降、猛烈な勢いでそのカネを支出している。「各所への“資料送付費”が5~30万円、“支援者名簿データ化費”が1300万円以上。どんな大荷物を送り、何百万人分の名簿をデータ化したのか分かりませんが、まるで寄付された9500万円を“なかったこと”にするかのように“適切に処理”しています」(同)

 この事件が明るみに出た昨年5月、『週刊ポスト』に一つの記事が躍った。「13年の参院選前、安倍政権のキーマン・菅義偉官房長官に、日歯連から別の議員を迂回して3000万円が献金されたというのです。この真偽は不明ですが、特捜部の読み通りなら、今回も診療報酬の引き上げに大きな影響力を持つ“大物”を複数狙った可能性もある。野党は今、“別ルート”を探して日歯連周辺を必死に洗っています」(前出の社会部記者)

 ちなみに菅氏は、昨年末に大規模な政治資金パーティを開催。1万円という会費にもかかわらず、2000人近くを集めている。「1000万円以上の規模のパーティは、大臣規範で自粛を求められているんですけどね。選挙をにらんで物入りだったのか、入る予定のカネが入らないことでもあったのか……」(前同)

 まるで伏魔殿のように入り組む、政界のカネ事情。この調子だと、さらに政権の“急所”となる疑惑が出てきてもおかしくはない。「舛添問題で注目される今、政治資金規正法の改正とはいかないまでも、第三者による厳しいチェックが必要。今回の参議院選挙では、こうした視点で投票をする必要もあると思います」(政治評論家の鈴木哲夫氏) カネに転ばない政治家を選ぶため、我々の一票を“適切に処理”したいものだ。

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