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【武豊】「強い牝馬」と聞いて思い出す砂の女王

[週刊大衆2016年07月18日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

「あと、もうちょっと」 6月26日に行われたGI「宝塚記念」。ゴールはもうすぐ目の前まで迫っていましたが、そのちょっとが届かず、僕とキタサンブラックは、無念の3着に終わりました。優勝したのは5歳牝馬のマリアライト。05年のスイープトウショウ以来、11年ぶりとなる牝馬の優勝で、改めて女子力のすごさを見せつけられました。

 振り返ってみると、昨年は、「スプリンターズS」をストレイトガールが制し、「ジャパンC」はショウナンパンドラが優勝。「チャンピオンズC」をサンビスタが制覇し、JRAダートGI史上初となる牝馬での優勝という快挙を成し遂げました。

 パワーが必要不可欠のダート戦で、牝馬が優勝するというのは、ちょっとやそっとの実力では難しいのが現実。96年のJRA最優秀ダートホースに選ばれたホクトベガや、「フェブラリーS」(01年は3着、02年は4着)、01年の「ドバイワールドカップ」で2着と健闘したトゥザヴィクトリーも、どちらも「エリザベス女王杯」を勝っているように、芝でもダートでも強いという女の子たちでした。

 牝馬でダートのスペシャリストといって僕が思い出すのはアメリカで生まれ、日本の競馬を沸かせた女の子。身体は小さいけど、驚くほどの瞬発力を秘めたゴールドティアラです。彼女が最も力を発揮したのは、ミレニアムと呼ばれた2000年ですが、この年はJRAにとっても、僕個人にとっても思い出深い年でもありました。

 それまで外国産馬の参戦を認めなかったクラシックレースと天皇賞への門戸を段階的に開くと決めたのがこの年で、ダートの世界一決定戦、第1回「ジャパンカップダート」が開催された年でもあります。僕個人は、いつまで……と期限を決めずに、海外で戦うことを宣言。アメリカに向けて旅立ったのが、この年です。6月6日に日本を出発して、8日からハリウッドパーク競馬場で騎乗。

 18日に一度日本に戻り、20日はイギリス。22日には、また日本に戻って「帝王賞」、25日に「宝塚記念」に騎乗し、そのまま、アメリカにとんぼ返りをするという強行軍。18日に日本に戻らず、アメリカからイギリスに渡れば、もっと楽なのに。そんな声も聞こえてきましたが、それを承知で、どうしても乗りたかったのが、ゴールドティアラとのコンビで挑むダート1400メートルのレース。GIII「プロキオンS」だったのです。そんな僕の思いに彼女も最高の走りで応え、レコードタイムで優勝。その強さは、“砂の女王”という異名にふさわしいものでした。

 彼女が手にしたGIタイトルは、盛岡競馬場で行われた交流GI「マイルチャンピオンシップ南部杯」ひとつだけ。でも、「牝馬」「ダート」というキーワードで、僕の頭の中を検索すると、真っ先に出てくるのが彼女の名前……ゴールドティアラです。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】「強い牝馬」と聞いて思い出す砂の女王

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