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【武豊】まもなくリオ五輪。選手たちにエールを!

[週刊大衆2016年08月01日号]

 8月5日に開幕するリオ五輪まで、3週間弱。本番に臨む選手たちは、もうそろそろ、臨戦態勢に入ろうかなと準備を進めている時期かと思います。

 華やかなムードに包まれる開会式は、見る側にとっても参加する選手にとっても楽しみの一つです。なぜKEIRINはオリンピック種目なのに、競馬はないのか!? 忸怩(じくじ)たる思いはありますが、それは脇においておき、今回はどんな趣向が凝らされているのか? 本番の試合では、どんな名勝負が生まれるのか? とても、ワクワクしている自分がいます。

 ただ……今回、舞台となるリオデジャネイロは、ほぼ地球の真裏で、時差は12時間。開会式や試合をライブで見ようと思ったら、かなりキツイことになりそうですね。――そうは言っても、スポーツを録画で見るのはちょっとね。口を尖らせる人の気持ちもよく分かります。「今年の日本ダービーは、録画で見ます」と言われたら、僕も、「えっ!?」と首を捻るし、「そこはやっぱり、生でしょう!」と抗議の声を上げてしまうはずですから(笑)。

 4年に一度――。これは想像できないほどの重圧だと思います。

――金メダル確実! スポーツ新聞に躍る言葉が、テレビやラジオのアナウンサーが叫ぶ言葉が、選手の肩にずっしりと重くのしかかります。

――頑張れ、ニッポン! 背負った日の丸に、心を押しつぶされそうになる選手もいると思います。

 普段の力を出せればメダルが取れたはずなのに、その力が出せずに涙を流した選手は、数えきれないほどいました。

――五輪の舞台には魔物が棲(す)んでいる。よく使われる言葉ですが、魔物が棲んでいるのは五輪の舞台ではなく、本当は選手の心の中で。それに打ち勝って、初めて道は拓ける――勝負の世界は、いつでも、どこでも同じです。

「武さんは、どうやってプレッシャーと闘っているんですか?」 いろんな選手から聞かれますが、正直、正解はありません。強いて言えば、そのプレッシャーの掛かる場に立てる自分を誇りに思うことでしょうか。それは、誰かからポンとプレゼントされたものではなく、自分の力で勝ち取ったものなんですから。

 参加することに意義があると思っているのは選手以外の人で、選手は、100%、金メダルを狙っています。まともに戦ったら力は相手が上だろうが、下馬評に圧倒的な差があろうが、そんなものは関係ありません。やるだけやって、すべての力を出し尽くした先にメダルがある――世界と戦うというのは、そういうことなんだろうと思います。

 頑張れ、ニッポン! 出場するすべての選手にエールを送りながら、皆さんも、4年に一度の祭典を楽しんでください。そして4年後は――東京です。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算3500勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】まもなくリオ五輪。選手たちにエールを!

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