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小泉進次郎が描く「2020政界再編」大改革

[週刊大衆2016年08月22・29日合併号]

小泉進次郎が描く「2020政界再編」大改革

「これは、どういうことだ……」と永田町の関係者は皆、一様に息を呑んだ。

 8月3日、衝撃事態が発生した。参院選を無事に終えた安倍政権は、ついに内閣改造を発表。総理がお気に入りの“ともちん”こと稲田朋美氏は防衛大臣に、元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代氏が五輪担当大臣に大抜擢される一方、党内を真っ二つに割りうる、危険に過ぎる人事が“2つ”あったのだ。1つ目が、これだ。「“ポスト安倍”の最右翼と見られていた石破茂前地方創生担当相が、入閣要請を固辞して閣外に飛び出たのです。安倍首相は、今回も石破氏を重要ポストに就けて取り込みたかった。しかし、石破氏は取り込みを拒否。以前から掲げてきた“脱派閥”の主張を曲げてまで石破派を立ち上げるほど本気で、再び首相の座を狙う道を選んだわけです」(全国紙政治部記者) 急な動きにも見えるが、これには伏線があった。

 7月31日投開票の東京都知事選挙では、自民党都連が増田寛也氏の支持を打ち出し、締めつけを強化する中、石破派の若狭勝衆院議員が、「党に除名されてもいい」と公言し、反発。結果的に女性初の都知事となった小池百合子氏の応援に回ったのだった。

 ベテランの政治記者が言う。「石破氏と小池氏は、2012年に石破氏が総裁選に出馬した際、小池氏が派閥の拘束を破って、応援しているのです。今回の都知事選では、小池氏が石破氏に出馬の相談をしたというほどの深い仲。当然、なんらかの協力が考えられます。つまり、いうなれば、今回の石破氏の行動は、安倍官邸にひと泡吹かせた“百合子の乱”に呼応したものなのです」 なんと“安倍一強”に風穴をあける下克上の布石!?

 それだけではない。先日の都知事選で、小池氏を陰から支えたといわれるのが、“変人”小泉純一郎元首相だ。実際に、「度胸あるなと思いましたね。女は愛嬌、男は度胸だったが、よく出る意思を固めましたね、小池さん」(7月5日の記者会見)と言い、出馬にエールを送っている。

「小池氏は、都知事選出馬を考えていたとき、小泉元首相に相談。小泉氏は“やってみればいいのでは”と応じ、応援演説にも駆けつけるという話が永田町で流れていました。2人の関係は深い。小池氏が環境大臣に抜擢されたのも、小泉政権時のことです」(前出の政治部記者) 議員を引退した後も、政界に一石を投じ続ける小泉元首相が、小池=石破ラインと密接な関係にある。キナ臭く、臭うのだ。

 さて、冒頭で述べたもう1つの“危険に過ぎる人事”が――。「それは、自民党農政部会長の小泉進次郎氏(35)の処遇についてです。先の参院選でも応援演説に引っ張りだこで、自民党単独で57議席を確保する結果に大きく貢献しました」(前出・ベテランの政治記者)

 高まる注目度を反映し、参院選後の党役員人事や安倍内閣の改造人事でも、進次郎氏の名は幾度となく取り沙汰されたという。「特に内閣改造については、確実に参院選の論功行賞があるだろうと踏んで“復興担当大臣での入閣”という話が、まことしやかに囁かれていました」(前同) 東日本大震災から5年。福島の復興支援に積極的に取り組んできた進次郎氏だけに、この筋はいかにも説得力があった。

 だが、去る8月3日、改造内閣の閣僚名簿に、彼の名はなかったのだ。「党内には、衆院当選5回以上・参院当選3回以上で閣僚経験のない“入閣待機組”が70人以上もいましたから。首相は、党内で不満が爆発しないよう、彼らを優先したのでしょう」(前同)

 自民党関係者が言う。「一方、官邸は進次郎氏に内々に打診をしたものの、進次郎氏側が断りを入れたという話もあります」 その過程はどうあれ、これが安倍政権にとって命取りに発展する大ミスになろうとは思いもしまい。進次郎氏本人も再三、言ってきたように、「2020年の東京五輪以降、高齢化や福祉問題、財政の諸問題など、解決せねばならない課題が一気に飛び出す。これを政治で対処するのが、政治家としての自分の仕事だというのが、進次郎氏の持論なのです」(自民党番記者)

 そこまでは総理大臣になるための勉強なり、人脈なりの蓄積を日々、重ねていくのだろう。そして、「安倍首相の政策は、進次郎氏と真逆を向いてます」と言うのは、永田町ロビイスト。「景気浮揚対策として、ジャブジャブ何兆円も国の金を市場につぎ込んでいますが、これは自分の名誉のためでしかありません。“アベノミクス”の看板のため、将来世代に借金を背負わせてまで保身に走っているようにしかみえません」(前同)

 参院選は無事に終えたものの、安倍首相の求心力は低下の一途を辿っているようだ。「3年半に及ぶ民主党政権の後遺症で、有権者は“あれよりマシ”と、安定した政権運営を期待して投票しているだけ。決して積極的に自民党を支持しているわけではないのです」(政治評論家の有馬晴海氏)

 かねてより交流のある石破氏も反旗を翻し、協調する小池氏も父・純一郎氏と電撃タッグを結成。進次郎氏を中心に、安倍政権にNOを突きつける、新たな潮流が蠢きだした。「“最後は父しか信じない”と言われるほど父親の絶大な影響下にある進次郎氏は、今後、その意を受けながら永田町内で立ち回ることになる。安倍政権が盤石なうちは官邸のいい手駒だったかもしれませんが、これからはそうはいかないでしょう」(小泉政権下で高官を務めた人物)

 加えて、恐るべきことに、「事実、進次郎は動き始めています」とは、自民党関係者。「進次郎氏が、与野党の若手議員を集め、超党派で農業政策の勉強会を旗揚げする動きが進んでいます。そのパートナーとして彼が選んだのが、事もあろうに、民進党の玉木雄一郎衆院議員だったのです」(前同)

 玉木氏は、進次郎氏と同期当選の農政通議員。昨年の天皇誕生日、進次郎氏が祝賀の儀に参加した皇居からの帰り道、2人は意気投合したという。「当時、自民党はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を取りまとめたばかり。進次郎氏も、アメリカべったりの農政改革を志向する官邸と、農林族議員や農家、さらに農協や農林中金との折衝で、だいぶ煮え湯を飲まされていました」(前同)

 玉木氏は、そんな進次郎氏に「上の言いなりになるな」と声をかけたというのだ。「その後、2人は頻繁に会食を共にするようになったんです」(同)

 やがて、2人は、JA(全農)系の新聞で対談するほど親密な仲に。「同期当選で志を同じくする仲間と出会い、それまでは官邸に“都合よく使われている”感じもなくはなかった彼の心中に変化が訪れたと見受けられます」(民放局政治記者)

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、こう語る。「しかし、性急に動いても潰されるのがオチ。それよりも、進次郎氏は、現在の政治体制がはらむ様々な問題が顕在化する2020年の東京五輪後に照準を定め、勢力を築いていくはずです」 今から4年後の2020年。現在はまだ若手の進次郎氏も、東京五輪の頃には40歳。十分に脂の乗った年頃だ。

 「まず2年後の2018年の9月、安倍首相の自民党総裁としての任期が切れます。本来であれば、ここで退陣のはずですが、すでに任期延長が取り沙汰されています。そこに、石破氏を含む数名が割って入る。憲法改正などの問題も絡むので、分裂含みのものになることは確実。これが、まず“自民党にいながら党を再編する”という第1幕です」(民放局政治担当記者)

 そして、第2幕は、「安倍政権が東京五輪後まで続投となったり、院政を敷く形になったりした場合、野党議員も含めて会派ごと離党して新党を旗揚げ。一大勢力を作るのです」(シンクタンク関係者) 日本の未来を背負って立たんとする“政界のプリンス”は、盤石の態勢を整え、打って出ようとしているのだ。カウントダウンは始まった――。

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