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日本全国「巨大地震」“要警戒エリア”をリサーチ!

[週刊大衆2016年08月22・29日合併号]

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日本全国「巨大地震」“要警戒エリア”をリサーチ!

 茨城、千葉両県を中心に関東地方で地震が頻発。そこには東日本大震災、熊本地震の“伝播現象”があった――。「今年4月16日未明に最大震度7(M7.3)を記録した熊本地震のエネルギーは、いまだ完全に燃え尽きていません。これが意味するところは、日本最大の断層である中央構造線の西端地域で発生した先の地震が、“東に伝播している可能性がある“ということです」(武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏)

 地震発生のメカニズムに詳しい島村氏によれば、列島を東西に横断する中央構造線と、その周辺に点在する無数の活断層を通じて熊本、大分両県に甚大な被害をもたらした地震のエネルギーが、現在“東進している“というのだ。熊本では6月29日に震度4以上の揺れを観測したほか、震度1以上の小さな地震は現在も頻繁に発生している。気象庁担当記者も、こう警鐘を鳴らす。

「政府も熊本地震の“東進“に警戒を強めていますが、それは、これを裏づける証拠があるからです。今年に入って深度5弱以上の揺れを観測した大きな地震は、熊本、大分を除くと、青森県三八上北地方(1月11日)、神奈川県浦賀沖(1月14日)、茨城県南部(5月16日)、北海道内浦湾(6月16日)、茨城県北部(7月27日)と、東日本に集中しています」 直近のデータは、さらに不気味なものだ。

「熊本、大分を除き、6月1日から7月31日までの2か月間に震度2以上の地震が多く発生した地域を眺めてみると、茨城県で19回(茨城沖含む)、千葉県で11回(千葉沖含む)、伊豆諸島、駿河湾でも11回となっており、東日本、それも関東地方に集中しているんです。うち、茨城では4回も震度4以上の地震が発生し、千葉でも1回発生しています」(前同)

 中央構造線に沿った熊本、大分の地震エネルギーの伝播は、明白のようだ。「こうした現象は珍しいものではありません。過去、トルコでも同様の現象が確認されており、同地の中央構造線にあたる巨大な断層に沿って、一つの巨大な地震の余波が以後60年をかけて伝播し、各地で内陸型の地震が連動して発生しています」(前出の島村氏)

 現在、関東地方で頻発する地震のうち、その数が特に多いのが茨城県を震源とするものだが、同県の南部は地震大国・日本の中でも特に地震が多い地域として知られている。「“地震の巣“という言い方をされることもありますが、ここ100年間はさほど大きな活動はありませんでした。ただ、最近になって活動期に入った感があります。これは、2011年に発生した東日本大震災によって、同地域の地下の岩盤の動きが活発化したためです」(前同)

 今後、我が国で発生する地震の傾向を予測するためには、熊本地震のみならず、東日本大震災の影響も考慮しなければならないのだ。「東日本大震災は、岩手県の三陸沖の海底24キロを震源とする海溝型地震です。日本列島は大別すると4枚のプレートという大きな岩盤の板の上に乗っている状態ですが、東日本大震災は、そのうち海と陸の2枚のプレート(『太平洋プレート』=海と『北米プレート』=陸)が干渉し合った、ひずみのエネルギーで発生した“プレート境界型地震“と呼ばれるものです」(地震ジャーナリストの田所修氏)

 実は、境界型地震の後には、“アウターライズ地震“が発生することも分かっている。「アウターライズ地震は、境界型地震によって断層が破壊されることにより“二次的に発生する“ことが分かっています。特徴は多くが津波を伴うことです。境界型であった1896年の三陸沖地震の後に同じ三陸沖で発生した1933年の地震は、アウターライズ地震であったと推測されています。先の震災のエネルギーはいまだに残っていますから、今後、数年以内に同じエリアでアウターライズ地震が発生することは否定できません」(島村氏)

 三陸沖は現在も“要警戒エリア“なのだ。海と陸のプレートがせめぎ合う地域では、境界型の地震が発生するリスクが高いことは分かったが、その典型例とも言える地域が首都・東京だという。「我が国の首都は、大きな地震が発生する運命にあると断じざるをえません。陸のプレートである北米プレートと海のプレートである太平洋、フィリピン海プレートがせめぎ合っているからです」(前同)

 地震が多いとされるメキシコやギリシャでも、2つのプレートを抱える程度。しかし、日本の首都東京は3つのプレートの影響下にあるわけだ。「防災上の観点から見れば、東京に国家の政経中枢を置くのは、極めてリスクが高いのです。東京都がまとめた首都直下型地震等の被害想定では、房総半島南沖の元禄地震型で死傷者約11万4000人。東京湾北部を震源とする場合は、死傷者約15万7000人という恐ろしいものです」(前出の田所氏)

 都では他にも、多摩地区直下型地震で死傷者約10万6000人、立川断層による地震で死傷者約3万4000人と被害を予測する。「震災以前は、海溝で発生し首都を襲う大規模地震は100年以上発生しないとの認識もありましたが、現在は“いつ起こってもおかしくない“という状況です」(島村氏)

 実際、東日本大震災後の13年に催された政府の有識者会議では、今後30年間に首都圏でM7級の地震の発生確率が、これまでで最高となる70%に引き上げられている。また、先に紹介したように茨城や千葉といった関東エリアで地震が頻発しているのも、首都を襲う大地震の襲来を示唆する“予兆“だという。「関東大震災のときも、1年以内に周辺の茨城や千葉で震度4クラスの地震が頻発していたことが分かっており、最近の状況に酷似しています」(田所氏)

 首都東京に迫りくる危機。では、その他のエリアはどうなのか?「まず挙げられるのが、伊豆諸島沖です。同地域は、東日本大震災を引き起こした太平洋プレートの強い影響下にある。震災のストレスは三陸沖からプレートに沿って南北に伝播していったと考えられますから、伊豆諸島沖は要注意です。また、北側への伝播を考えれば、十勝沖を震源として北海道東南部が被害を受けるかもしれません」(田所氏)

 フィリピン海プレートとの関連が強い南海トラフも要警戒エリアだ。「5月に海上保安庁が、南海トラフにこれまで見られなかったゆがみを発見しています。これはプレートが活発に動いている証拠でしょう」(前同) その南海トラフの西端にあたる日向灘(宮崎県)にも、注目が集まっている。

「M8以上の巨大な境界型地震が東京五輪までに発生すると指摘する識者もいます。政府や地元自治体も、警戒を強めています」(同) 95年に阪神・淡路大震災を体験した近畿地方でも、巨大地震発生のリスクが存在するという。「近畿地方には、活断層が無数に存在します。しかも、熊本地震を経て、そのストレスが東に伝播している中央構造線に貫かれている。構造線が近畿地方に点在する活断層に作用すれば、直下型の地震が発生する可能性があります」(同)

 中央構造線と交差し、新潟県南部から静岡県まで南北に走る巨大断層である糸魚川・静岡構造線も要注意。「長野県は同構造線を原因とする地震が発生した場合、最大で死者は7000人にのぼると想定しています。熊本地震を招いた布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層は、30年のスパンでの地震発生確率がわずか3%程度だったのに対し、糸魚川・静岡構造線の場合は、その10倍の30%と予測されています。同エリアも警戒しておいたほうがよいでしょう」(同)

 平素からの防災意識が、いざというときの生死を分けることを肝に銘じたい。

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