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【武豊】4000勝はお世話になっているオーナーの馬で

[週刊大衆2016年10月10日号]

 ついに……というか、やっと……というか(苦笑)。雨の阪神4レースで勝利を挙げ、海外と地方を合算しての通算4000勝を達成することができました。

 マジック1になったのは9月3日の札幌10レース。気持ち的には、そこから、一気に突き抜けるはずでしたが、なぜか、競馬の神様がよそ見をしてしまって。小倉でも、阪神の開幕週でも達成できず、内心、「次の京都の開催までできないんちゃうか」と、ドキドキしていました(笑)。

 記録達成のパートナー、メイショウヤクシマは、亡くなった父の時代からお世話になっている松本好雄オーナーの持ち馬です。これには、めったに褒めなかった父も、「ユタカも、ちょっとは乗れるようになったやないか」と、喜んでいるような気がします。

 ただ……。今回の記録に、“JRA所属馬による”というシバリがついているのをご存じでしょうか。

――それが何か!?

 首をひねる人がいるのも当然です。つまり、4000という数字には、海外で生産され海外で勝ったレースと、地方馬に跨がり地方で勝ったレースは含まれていない。ということで、海外ではじめて重賞を勝ったセルセニュールとの「セネカハンデ」(1991年アメリカ)も、スキーパラダイスで勝った「ムーラン・ド・ロンシャン賞」(94年フランス)、インペリアルビューティをパートナーに勝った「アベイユ・ド・ロンシャン賞」(01年フランス)という2つのGⅠ勝利も含まれていないのです。

 少し複雑な心境ですが、でも、みなさんに、「おめでとう!」と声をかけていただけるのは、騎手としてはすごくうれしいこと。次の記録……JRAでの3900勝は来年になりそうなので、この秋はGⅠ勝利で祝えるように頑張ります。

 さぁ!と張り切っているところで、今週末、いきなりそのチャンスがやってきました。秋のGⅠ戦線第一弾「第50回スプリンターズステークス」。パートナーは、夏の札幌(8月28日)、GⅢ「キーンランドカップ」で2つめの重賞勝利を手にした3歳の小柄な女の子、ディープインパクトを父に持つ、ブランボヌールです。

 彼女とはこれが初のコンビになりますが、能力はもちろん、ギリギリのところで見せる勝負根性は、かなりのものです。なぜかディープインパクト産駒は、これまで、スプリントのGⅠで勝っていませんが、ジンクスは破るためにあるものです。今年は、キタサンブラックもいるし、エアスピネルも、エイシンヒカリもいる。ダート界では、ラニが帰ってくるし、お兄さんのアウォーディーも、復活したコパノリッキーもいます。

 デビュー30年の今年、これだけいい馬が揃うというのも、応援してくれるみなさんのおかげです。少しでもその期待に応えられるように、目の前の1レース、1レースに集中して臨みたいと思います。何度も、「ユタカ、おめでとう!」という言葉を聞くために。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】4000勝はお世話になっているオーナーの馬で

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