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小池百合子都知事「東京都庁の大改革」容赦なき全容

[週刊大衆2016年11月07日号]

小池百合子都知事「東京都庁の大改革」容赦なき全容

 終身雇用、一生安心なんて嘘!? 公務員、都議たちのクビが危ない。晴天の霹靂、恐怖の大ナタぶん回しッ!

 女傑にタブーなし。小池百合子東京都知事は、またぞろ斬り込んだ。「10月19日、小池都知事は、東京都庁で、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と会談しました。東京五輪会場の『海の森水上競技場』問題などについて話したんですが、バッハ氏に対して、一歩も引かず押し通したのです」(全国紙政治部記者)

 両者の主張は真っ向から対立。ボート会場は、東京湾の「海の森水上競技場」で予定通りやるべきだとするIOC側に対し、「予算がかかりすぎ」と言う小池氏は、宮城県「長沼ボート場」への移転を検討中。「情報戦での暗闘もありました。もし『海の森水上競技場』での開催が不可能なら、“IOCは、韓国・忠州市のボート場での開催を考えている”と朝日新聞に書かせています。“言うことを聞かないと、こうなるぞ”という脅しですね」(前同)

 しかし、小池氏は屈さず。会談の席上、IOCの主張に反論を繰り返し、「都、政府、組織委、IOCの4者会談」の実施を約束。改革は、構想の段階より実務のステージへ駒を進め、一段落といったところか。しかし、この進展に苦い顔をする人もいる。小池都知事の“メス”が、みずからの利権に向けられうる人――。

 都庁内には、張り詰めた空気が漂っているという。「“都議会のドン”内田茂都議や、石原慎太郎元都知事の行状が俎上に乗せられた豊洲新市場移転、東京五輪問題に、解決への筋道がつきました。いよいよ知事は、公言している“都庁改革”へ乗り出すのではと、皆、警戒しているのです」(都庁の職員組合関係者)

 小池都知事の「ズバッと大改革」、容赦なきリストラを実行すれば都庁は地獄絵図と化すだろう。「小池知事は、豊洲新市場の“盛り土”問題で、歴代の中央卸売市場長、管理部長経験者らに“退職者も含めて、懲戒処分などの然るべき対応を取っていく”と発言。去る15日には、岸本良一市場長ら市場幹部3人の更迭を決定し、劇的な人事異動案を出しています」(前出の政治部記者)

 まるで本マグロを捌くかのように、旧態然とした組織をザクザクと刻む、小池都知事。大改革を成し遂げる“出刃包丁”も準備万端、研ぎ澄ませているという。

 「リストラを断行するには、まず、自らが範を示す必要があります。小池都知事は、知事給与を半減する条例案を都議会に提出して成立。都知事の年収は2896万円でしたが、半減後は1448万円。日本全国の都道府県知事で、最低水準となりました(全国紙都庁担当記者)

 都議会議員の報酬は、約1700万円。これに加えて、政務活動費720万円もある。都議は知事より余裕でウハウハだ……まず矛先が向くのは議員報酬か!

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。「知事給与の半減は、知事の専決事項として、本来、議会の承認なしで行えるもの。それを、あえて都議会に提出して諮ったのは、世論への支持を広げるため。“知事の私が身を削っているんだから、議員たちも考えなさい”というポーズでしょう」

 したたかな計算が透けて見えるが、むろん、これは都知事個人だけでなしたことではない。彼女を支えるのが“チーム小池”といわれる「都政改革本部」の面々だ。鈴木氏が続ける。「現在、小池知事のブレーン『都政改革本部』のメンバーは14名います。そのリーダーは、上山信一氏(特別顧問)。橋下徹元大阪市長のブレーンであり、大阪都構想の推進役です。マッキンゼー日本支社などで、経営コンサルタントの経験もあります」

 都職員や関係者が、小池氏の都知事就任を「橋下徹の再来だ」と戦慄していたのも納得の背景があるのだ。“浪速の独裁者”の剛腕ぶりを振り返ってみよう。「橋下徹氏は、職員給与に手を突っ込んでいます。大阪府・市ともに、3~14%の給与削減、5%の退職金削減を敢行し、年間130億円以上の人件費削減を遂げています」(在阪ワイドショー関係者)

 “日本一、公務員の給料が高い”といわれた大阪ならではこその改革だが、東京都職員はどうだろう。平均年収で735万円(2014年度『東洋経済』)。全国の都道府県で700万円を超えるのは、東京都だけ。断トツのトップなのだ。

「今のところ、小池知事は、職員給与の削減については触れていません。ただし、議員報酬を削減する流れになってくると、当然、議員たちは“職員の給与も下げろ”と言い出します」(前出の鈴木氏)

 結果、議員と役人の両者には、軋轢が生まれる。小池知事は、議員報酬に斬り込むことで、彼らの“癒着構造”を分断するというのだ。「ズバッと大改革」は、政官財の“利権のトライアングル”にも斬り込まざるをえないだろう。キーワードは、“補助金”だ。

「企業が、補助金を得る対価として天下り先となり、役人を受け入れることが横行しています。しかし、企業と役人が、直接やり取りをするわけにはいかない。そこで陳情を受けた議員が間に入って“ある企業から、こういう補助金ができないか、と相談された”という話を役人にして、つないでいくのです」(前同)

 そして、議会で予算の承認を取りつければ、“企業は潤う”。天下り先が確保されて、“役人も潤う”。パーティ券を購入してもらって“議員も潤う”こうして利権は強靭さを増し、ブラックボックス化していく

 政治評論家の有馬晴海氏が、こう続ける。「小池都知事が、豊洲新市場の問題で“歴代市場長らの懲戒処分もありえる”と公言した際、メディアは、彼らが今どんな役にあるかを徹底的に調べ上げました。テレビなどで、そのリストを見た方も多いことでしょう。“え、こんなところにも天下ってたのか”と驚いたのではないでしょうか」

 都の指導監督下にある管理団体、報告団体を加えると、都の天下り団体は90近くに及ぶ。2015年には、それらの団体に37人が天下っている。「豊洲新市場の設計変更が浮上した当時の中央卸市場長だった比留間英人氏は、11年、総務局長職で退職すると、『東京臨海ホールディングス』の代表取締役社長に天下り。『ゆりかもめ』や『東京ビッグサイト』などを統括する、都の持ち株会社です。比留間氏は、同社を1年足らずで退職し、都教育委員会の教育長に任命されます。その後、『東京メトロ』(地下鉄)の副会長に就任。その間、各天下り団体から1400万~1800万円の役員報酬が彼に支払われているのです」(市民オンブズマン関係者)

 実にズブズブの関係だ。一方、比留間氏の次の中央卸市場長・岡田至氏は、東京都歴史文化財団の副理事長に就任。同財団は、15年度に『東海道五十三次』を9400万円で購入し、「東京は、母屋(都庁)でも、離れ(外郭団体)でも、すき焼きを食べている」と批判されている。

「この他、市場長時代に、豊洲新市場に盛り土がない事実を把握していた塚本直之氏は、東京動物園協会の理事長に就いています」(前同) 都民の役に立っていれば天下りも“必要悪”と言えるのだが、「年収1500万円以上の報酬をもらいながら、事務局から何もしなくてもいいと言われる“お飾り”もいる」(都職員)という有り様だ。あんまりである。

 政治評論家の浅川博忠氏が言う。「第三者を入れた監視団体を設置し、きちんと監視すべきです。世論の支持も得やすい部分でもありますから、率先して進めていけるでしょう」 前出の鈴木氏は、「天下りの根絶は難しい。役人も、企業から“来てください”と言われたら、断れないですから。根源にある補助金制度を見直すべきです」 組織作りの手腕次第で、「容赦なきリストラ」も一気に進む。

 さて、もう一つ、小池氏が公約に掲げる“満員電車ゼロ”も、都政が大きく関わること。交通局は都の管轄であり、地方のトップは、交通インフラの変革のキーパーソンだ。事実、橋下氏は市長時代、大阪市交通局に斬り込んでいる。

「有名なのは、バス運転手の給料20%カット。加えて、早期退職などを募り、職員を大幅削減しました。そして、大阪市営地下鉄の“バカ高”だった料金は、橋下氏の意向で初乗り料金が20円値下げされ、180円となりました」(前出のオンブズマン関係者)

 さらに、橋下氏の後を継いだ吉村洋文市長は、市営地下鉄の初乗り区間に続く“第2区間”の料金を、来年春から、さらに10円値下げする方針を提示。“市民ファースト”の流れは続いているが、一方の小池知事が改革の目玉にしそうなのが、“都営地下鉄と東京メトロの一元化”だという。「この話はそもそも、猪瀬直樹元知事時代に話題になりました。両地下鉄を一元化すると、これまでの乗り継ぎ運賃を安くできるだけではなく、乗り換えが今よりスムーズになって、通勤ラッシュの緩和にも役立ちます。当然、“満員電車ゼロ”を公約に掲げる小池都政は、この問題にも着目するでしょう」(前出の有馬氏)

 問題山積の東京都庁。しかしながら、小さな改革から始めることも手法の一つだろう。「たとえば、幹部の送迎の車を一人1台というやり方を改め、ピックアップ方式にして数人を一度に送迎するとか……。このように、細部にまでメスを入れる姿勢が、世論を支持基盤とする小池知事に求められています」(前出の浅川氏)

 今のところ世論の支持を得る小池知事だからこそ、踏み込める都政の闇。見事、思惑通りになるかどうか、これからが正念場と言えそうだ。

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