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映画監督・西村喜廣「特殊メイクは、映画で研究したり本を読んだり、独学でやってきました」~麻美ゆまのあなたに会いたい!

[週刊大衆2016年11月21日号]

映画監督・西村喜廣「特殊メイクは、映画で研究したり本を読んだり、独学でやってきました」~麻美ゆまのあなたに会いたい!

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 真っ二つに斬られた胴体から噴き上げる、血しぶき……残虐なシーンに悲鳴をあげつつも、なぜかドキドキしてしまう麻美ゆまです。

 そんな大のスプラッター映画好きの私が今回会いに行ったのは、日本のスプラッター映画の第一人者であり、『シン・ゴジラ』『進撃の巨人』などの話題の大作でも特殊メイクを手掛けていらっしゃる、映画監督の西村喜廣さんです。しかも、西村さんのアトリエでお話を聞かせてもらえるとのこと。ヤバいっ、ドキドキです。

ゆま「今日はお忙しいなか、お時間を作ってもらって本当にありがとうございます。(アトリエを見回しなが)うわぁ、すごいっ! スプラッターやら拷問やら……私の好きそうなタイトルの本がいっぱいありますね。おや? あそこに飾ってある大きな絵は、西村さんの自画像ですね。頭にフォークが突き刺さっていますよ。さすがです!」」

西村「アハハ。ここに置いてある本はほんの一部ですよ。ちなみにあの絵は知人が描いてくれたものです」

ゆま「へえ~、ここにいるだけで一日中、楽しめそう」」

西村「本当に好きなんですね(笑)」

ゆま「はい! もう大好き、大好物です。私の中では、スプラッターは“芸術”なんです。もちろん怖いし、気持ち悪いんだけど、飛び散る血のりや、ぐちゃぐちゃになった臓器だって、人が作りあげているもの。そう考えると、すごいなあ、とウットリするんです」

西村「そう言っていただけるとうれしいですね。僕がこの世界に目覚めたキッカケも、最初はそんな興味でした。あれはどんなふうに作っているのだろう、と」

ゆま「へえ~。目覚めるキッカケになった作品とかははあるんですか?」

西村「やはり、小学生で観た『スター・ウォーズ』ですね。僕が小学生のとき、初めて日本でスター・ウォーズが公開されたんです」

ゆま「第1作目ですか?」

西村「はい。エピソード4ですね。当時はCGもなかったのですが、あの特殊メイクは子ども心にも衝撃的でしたね」

ゆま「映画の内容よりも、特殊メイクに目を奪われていたんですか?」

西村「はい。今思えばあの頃から変わった子でしたね。スプラッター映画を観ても怖いとは思わず、“どうやって作っているんだろう”ばかり考えていましたね」

ゆま「実際、特殊メイクを始められたのは、いつ頃からですか?」

西村「小学生の頃から自分でいろいろと作っていました。高校の頃には、友達の顔に粘土を被せて“型取り”をさせてもらったこともあります。ただ、専門的な知識もまったくないので、友達の顔から石膏が取れなくなって大騒ぎしたことも(笑)。とにかく、ずっと独学でやってきました」

ゆま「え? 専門の学校には通ってないんですか?」

西村「はい。スプラッター映画を観て研究したり、本を読んだり、特殊メイク学校に通っていたアシスタントに聞いたりしながら、覚えていった感じですね」

ゆま「すごいです」

西村「ただ、そのぶん、だいぶ遠回りはしていますよ。学校に通えば1日で教えてもらえることも僕の場合、1年以上かかる。でも、それはそれで良いのです。なぜなら現場ではトラブルがつきもの。そういうとき、僕には数々の“失敗経験”があるので、何通りもの対処法があるんです」

ゆま「格好いいです! 失敗を繰り返してきたからこそ、培えたものもあるんですね」

西村「まあ、自分が好きでやっている仕事なんでね。ところで、ゆまさんはどういう系のスプラッター映画が好きなの?」

ゆま「いろいろあるけど、やっぱりゾンビ系はなんでも好きですね」

西村「ほお。ゾンビのどういうところが好き?」

ゆま「なんでしょう……あの噛まれるときの痛そうな感じや、追い詰められる際の緊張がたまらない(笑)」

西村「そうですよね。でも、あれは欧米では、大笑いされるジャンルなんです」

ゆま「どういうことですか?」

西村「『死霊のはらわた』は知っていますか?」

ゆま「ビデオ屋さんでは片っ端から借りていますので、見たことあると思うのですが……」

西村「まあ、1981年公開の映画だから、ゆまさんはまだ生まれていませんよね。この映画は日本に上陸した初期のスプラッター映画で、かなり話題になったんです。“怖い”“気持ち悪い”と……。ところが、欧米では、観客が大爆笑するんです。血が派手に飛び散るシーンなんかも、普通の世界では絶対に起こらないことですよね。それが“面白い”と感じるんですね」

ゆま「へえ~。日本人の感覚とはまったく違うと」

西村「そうなんです。僕もそうした感覚に近い感じで作っているんです。この場面では、どんなふうに人体が真っ二つに切れると面白いのだろう、と」

ゆま「意外です! 見ている人にできるだけ恐怖を与えようとか、そういう感覚ではないんですね」

西村「はい。スプラッター映画やゾンビ映画の見方も少し変わりますよね」

ゆま「確かに(笑)。じゃあ、スプラッター映画の撮影現場も、実際は怖くないんですか?」

西村「怖いどころか、大忙しです。あっ、でも、一度だけ、撮影現場で心霊現象がありましてね……」

ゆま「ちょ、ちょっとやめてください(笑)。私、スプラッター映画は人間が作ったものだから、安心なんですが、リアルな幽霊は本当に怖いんです!」

西村「ふふふ。でも、せっかくなので、少しお話ししますね……」

※次週に続く

西村喜廣 にしむら・よしひろ
特殊メイクアップアーティスト、映画監督。幼少期から映画、特殊造型に強い興味を持ち、独学で技術を習得。園子温は学生時代からの映画仲間で、園作品でも多く特殊造型を担当する。最新作『蟲毒ミートボールマシン』は来年3月公開予定。

麻美ゆま あさみ・ゆま
1987年生まれ、群馬県出身。 2005年デビューし、ブレイクを果たす。セクシーユニット『恵比寿マスカッツ』のメンバーとしても活躍。現在はタレントとして活動。最新CD『Re Start~明日へ~』が発売中。

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