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岸田文雄外相「ポスト安倍晋三に最も近い男」のジレンマ

[週刊大衆2016年11月21日号]

岸田文雄外相「ポスト安倍晋三に最も近い男」のジレンマ

 安倍晋三首相の後任争いレースの様相が、ここにきて大きく変化している。これまで、その先頭を走っていた石破茂前地方創生担当相と、その背中を猛追していた稲田朋美防衛相が“自滅”寸前の状況なのだ。「次期総裁を狙い、首相の残留要請を蹴って、今年8月に閣外に出た石破氏ですが、現在では孤立しています」(全国紙政治部記者)

 11月1日に党総務会で決定した自民党総裁の任期延長でも、石破氏は反対派の急先鋒と目されていたが、「完全に空回り。党執行部への批判も含めて完全に黙殺され、存在感は小さくなるばかり」(前同)

 一方、安倍首相の寵愛を受け、初の女性首相を狙う稲田氏だが、「白紙領収書問題が発覚した10月以降、野党の厳しい追及を受け、苦しい答弁を続けています。国民の不信感も強く、さらなる“出世”が難しくなった」(同)

 有力2候補が失速した今、ポスト安倍の筆頭に躍り出たのが岸田文雄外相だ。岸田外相は、祖父から三代にわたって所属する自民党の保守本流・宏池会の領袖。しかも、派閥を立ち上げた池田勇人元首相と同じ広島県出身という、まさに“プリンス”なのだ。その岸田外相は現在、安倍政権の、さらには日本の顔として精力的に活動。

 フィリピンのドゥテルテ大統領が10月末に来日した際には、安倍首相との首脳会談を前に日本料理店で会談。今年5月に現役の米大統領としては初めてオバマ大統領が広島に訪問にしたのも、地元選出の岸田外相の奔走があったという。ポスト安倍にふさわしいとも思えるが、支援者は、「他の候補者がコケた今、本当はもっとアピールしてほしいのに、歯がゆい思いしかありません……」と嘆息するのだ。というのも、岸田外相から首相を目指す意気込みがまったく感じられないからだという。

 ある自民党中堅議員は、この姿勢に対し、「これだけ長く外相でいられるのも、首相のイエスマンだからで、彼に“上”を目指すだけの地力はありません。それは本人も自覚しているようです」

 実はある宏池会関係者も、「岸田さんの姿勢や自信のなさには、宏池会全員がジリジリしているでしょう。“早く閣外に出て、首相を狙う準備をしてほしい”と詰め寄る人までいますよ」

 来年、宏池会は60周年の節目を迎えるだけあって、同会名誉会長で“反安倍”色の強い古賀誠氏はかなりのご立腹の様子で、「古賀さんはことあるたびに、“(岸田外相は)ケンカしない”“優しすぎる”“いつ首相を目指すんだ?”とハッパをかけています。ひどいときには、“岸田は、安倍と同期当選。その下にいて悔しくないのか?”とまで言っています」(前同)

 しかし、そんな期待もどこ吹く風、岸田外相は「安倍政権の一員として、今後の重要な外交日程に全力を注ぐ覚悟」(前出の自民党中堅議員)のようだ。「12月に予定されている、プーチン大統領が来日しての日ロ首脳会談は、北方領土問題はもちろん、アメリカも注視する重要なもの。岸田外相は今月中に数度目の訪ロを果たして詰めの協議をする予定で、闘志にみなぎっています」(前同)

 ここで日ロ関係の進展に寄与すれば、当然、ポスト安倍がより近づくのだが、「支援者や派閥メンバーからの突き上げが大きくなるため、本人にとっては望ましい状況ではない。かといって、失敗するわけにもいかない。本人も苦慮しているようです」(同)

 実績は十分でも、“総理の器”ではないか?

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