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ファミコン『たけしの挑戦状』は、早すぎた意欲作だった!? 今「伝説の迷作」を振り返る!【ファミコン大放談2016】

ボートレース戸田
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 かつてのファミコンキッズが、子どもの頃に夢中で遊んだ思い出をオトナの視点から対談形式で振り返る。今回のテーマは、誰もが知っているファミコン史上最高最強の迷作『たけしの挑戦状』。1986年の発売から30年、彼からの挑戦状を改めて読み解く!

<対談者紹介>
◆OYSTER(オイスター):ファミコン大好きな漫画家。現在『月刊まんがタウン』(双葉社)にて、『新婚のいろはさん』を連載中。代表作に『光の大社員』『超可動ガール1/6』等。(※OYSTERの「O」は、ウムラウトつきで表記)
◆軽部にーさん:ファミコン大好きな編集者。ゲーム雑誌の編集等をへて、現在はフリーのファミコン好きエディターとして活動中。


軽部にーさん(軽部):今回の対談テーマは、ビートたけし監修のファミコンソフト、あの“伝説のクソゲー”『たけしの挑戦状』(タイトー)です。ちゃんとソフトも準備しましたんで、まずは当時の思い出を振り返りつつ、後で実際にプレイして、現在の感触も語ってみたいと思います。

OYSTER(オイ):『たけしの挑戦状』は遊んだなぁ。さすがにインパクトはありましたよね。

軽部:個人的には当時、友達から借りてやっただけだから、実際そんなに長い時間は遊んでないはずなんだけど、やっぱりすごく記憶には残ってるゲームですねぇ。

オイ:まず、現実世界をゲームにしたってところが新鮮でした。

軽部:主人公は、奥さんも子どももいる普通のサラリーマン。ちゃんとゲーム内には街があって、お店や会社が並んでいる。まぁ当時のファミコンソフトじゃかなり異色でしたよね。

オイ:こんなにもイジワルなゲーム性は他になかったし。

軽部:いちおう、ゲームジャンル的には「アクションアドベンチャー」になるので、手がかりを探しながらゴールを目指すわけですが、この謎解きがかなり極悪と(笑)。

オイ:手に入れた宝の地図を日光にさらして、実時間で1時間何もせずに待つ、とか(笑)。

軽部:僕はそこ、水につけて5分待つほうでやりましたよ。

オイ:ああ、そういう解法もありましたねー。

軽部:後は、スナックでカラオケをうまく歌わなきゃいけないとか。カラオケの歌、いまだに歌えますもん。

オイ:え、本当?

軽部:♪あーなたーのたーめなーらどーこまーでもー。めっちゃ歌ったから(笑)。

オイ:無意味だけど、すごい(笑)。

軽部:宝の地図もニセモノがあったりとか、街中でやたら殴られるとか、ワナもいっぱいありましたよね。ただ、そういうイジワルされたことはわりと覚えているけど、メインはどんな物語だったかはあやふやだなぁ。最終目的は宝探し……でしたよね。当時どこまでゲーム進めました?

オイ:飛行機には乗りましたね。で、落ちた(笑)。

軽部:僕は海外までは行ったかな。クリアはできなかったけど、ハンググライダーに乗った覚えがある。

オイ:あ、外国行けたんだ、すごい。あれ、正解ルートじゃないと飛行機は必ず落ちてゲームオーバーになりますよね。

軽部:え、そうでしたっけ? ゲーム中に旅行先の候補がいっぱい出てくるし、てっきり自由にどこにでも行けるのかと思ってた。

オイ:いや、確か行けなかったはず……。

軽部:そうか。でも旅行先もそうだけど、このゲームって、いろんな場面で選択肢が山ほど出てきたじゃないですか。だから子ども心に「すごい自由なゲームだなぁ」って、結構ワクワクして遊んでたんですよ。なんか、ゲームの世界が無限に広がりそうな雰囲気というか。

オイ:確かに自由度はものすごい高い。僕なんか「普通のサラリーマン生活」プレイしてましたから。会社から家帰って寝て、起きてまた会社行って、って遊び方。

軽部:全然ゲームっぽくない(笑)

オイ:そう(笑)。でもそんな、ゲームクリアを目指さない“ごっこ遊び”もできたんですよね。ただ、サラリーマンプレイでこのゲーム遊んでても、つまらなくはなかった。毎日会社と家を往復して、たまに酒飲んだり物買ったりして。だから、後の『どうぶつの森』(※注1)っぽいなぁとも思いますね。日常を遊ぶ感じ? お金が尽きると海外脱出を試みて、飛行機もろとも爆死しちゃうんだけど(笑)。

軽部:ずいぶんリアルすぎるけど(笑)。

オイ:ほのぼの系の『どう森』に足りないものって“毒気”じゃないですか。だからあの世界に毒を足して、現実世界を舞台にすればきっとこうなる(笑)。

軽部:それでいうと、オンラインゲームのMMO-RPG(※注2)にも近いですよね。箱庭の世界が用意されていて、さぁこの中で何をやってもいいですよっていう。『たけしの挑戦状』も、最終ゴールを目指さなければ、選択肢が多くて、人それぞれの遊び方ができるわけだし。まさに、後の箱庭系ゲーム(※注3)と呼ばれるジャンルのさきがけといってもいい。

オイ:なんかどんどん賛美されてきた気が(笑)。

軽部:クソゲーの代名詞的タイトルが、実は早すぎた名作だったとか?(笑) じゃあ、ここいらでちょっと実際に遊んでみましょう。


<注釈>
※注1:『どうぶつの森』は任天堂の人気シリーズ。プレイヤーは、どうぶつたちが暮らす村に家を構え、自由気ままに生活を楽しむことができる。

※注2:MMO-RPGとは「大規模多人数同時参加型RPG」とも呼ばれ、大勢のプレイヤーが同時に1つのゲーム世界で遊ぶRPGのこと。『ドラゴンクエストX』『ファイナルファンタジーXIV』等が有名。

※注3:箱庭系ゲームの代表作としては『グランド・セフト・オート』『龍が如く』等がある。

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――ここで『たけしの挑戦状』をプレイ。ひと通り遊ぶ2人。

軽部:つーか、このゲームひどい!

オイ:うははははは! ゲームスタートして、まず何をしていいかさえ、さっぱり分からない。いきなり放り出されちゃう。どこ行きゃいいの(笑)。

軽部:「宝探し」という目的すら分からないもんなぁ。攻略本読まないと手がかりがない……改めてすごい。

オイ:意外に、謎解きでファミコンのマイク機能を使う場面がたくさんありましたね。あと、やっぱりいろんな場面で選択肢はかなり多かった。

軽部:飲み屋なんて何軒ありました? そこでは特級酒やらバーボンやらいろいろ飲めるし。カルチャークラブでできる習いごとも多いこと多いこと(※注4)。

オイ:海外の目的地もいっぱいありましたね(※注5)。あと、映画も観られるし、パチンコなんてホントに打って遊べるし、確かにいろんなことが自由にできる。でも……。

軽部:どれもほとんど意味がない!

オイ:そう。選択肢はすごく多いんだけど、正解のルート以外はほぼ意味がないか、ゲームオーバーにつながる(笑)。

軽部:実は全然、自由じゃないですよねぇ。カラオケなんて、曲名はいっぱい表示されるのに4曲しか歌えない(※注6)。思い出が美化されてたかなぁ(笑)。

オイ:でも、あの当時にこの毒のあるテイストって、やっぱりすごいですよ。ゲームクリアまでの手順がやたらリアルなのが面白い。酒場で偶然財宝の存在を知って、「俺はこれにかける!」って会社辞めて離婚もして、身勝手に旅立っていく。……会社辞めて離婚しちゃうゲームって、子どもに遊ばせるものじゃない気がするけど(笑)。

軽部:今遊んでみると、思った以上に味わい深いものがありますね。でもなぁ、無限の可能性はどこに……子どもの頃のワクワク感を返してほしい!

オイ:やっぱり早すぎた迷作、ということですね(笑)。


<注釈>
※注4:なんと語学、スポーツ、音楽、ダンス、免許の5ジャンルを勉強できる。

※注5:なんとヨーロッパ、アメリカ、南太平洋、アフリカ、中近東から選べる。

※注6:なんと『雨の新開地』『猫ニャン体験』『沖縄ユンタ』『はとぽっぽ』の4曲が実際に歌える。

ファミコン『たけしの挑戦状』は、早すぎた意欲作だった!? 今「伝説の迷作」を振り返る!【ファミコン大放談2016】

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