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【武豊】やっぱり競馬は難しいと痛感しました

[週刊大衆2016年12月26日号]

「ジャパンカップ」に続く2週連続Vを狙った「チャンピオンズC」は、ゴール手前でアウォーディーが急ブレーキ。後ろから飛んできたサウンドトゥルーにすべて持っていかれてしまいました。

 ダート転向後、破竹の6連勝。でも、アウォーディーは抜けだすとソラを使う癖があります。このレースでもブレーキがかかってしまうことは想定していましたが、それを超えるすごい止まり方でした。

 1コーナー、3コーナー手前、そして最後の直線。3度も気難しさを出してしまうと、ダートの頂点を決めるレースでは、最後の最後に足元を掬われるのも仕方ありません。負けは負けとして自分の中で消化して、次に繋げようと思います。

 それにしても――競馬は本当に難しいですね。一年間、レースに乗り続けて、自分の思い通りにレースが展開し、思い描いていた通りに馬が走ってくれるのは、せいぜい2度か3度。すべての騎手が、想定に想定を重ね、そのうえで、どうやったら裏をかけるのか、あれこれ頭を捻っているのですから、それも当然と言えば当然ですが。

 だから競馬は難しいし、でも競馬は、ほかのどんなスポーツよりも面白いのだと思います。30年乗り続けてきた今も飽きるどころか、ますます深みにハマっています。

 2016年の競馬もラスト2週。今週末、12月18日は、これまで一度も思い通りにいったことのないレース、「朝日杯フューチュリティS」です。

 JRAの全G1(22)制覇までマジック1になったのは、12年の11月18日、サダムパテックで「マイルCS」を制したときでした。その年の朝日杯FSは、ティーハーフで、優勝したロゴタイプから0.5秒差の5着。翌13年は牝馬ベルカントで10着。14年は9番人気のアクティブミノルで5着。マスコミには千載一遇のチャンスと騒がれ、自分自身でも、「今年こそ!」と臨んだ昨年のエアスピネルも、残り50メートルのところでリオンディーズにかわされ、2着に終わってしまいました。

 さぁ、そして今年です。今年、僕のパートナーを務めてくれるのは、五十嵐忠男厩舎のタガノアシュラ。デビュー戦で衝撃の走りを披露。2戦目、G3「札幌2歳S」こそ惨敗に終わりましたが、3戦目、11月3日に行われた500万下の「黄菊賞」で見せたハイペースでの粘り脚には、何かいい予感を感じさせるものがありました。

 来年、大阪杯がG1に昇格し、このレースを勝っても、またマジック1に戻ってしまいますが(苦笑)、ここまで来たら、一度はコンプリートしておきたいというのが正直な気持ちです。チャンスは一度だけ。人気はライバルたちに譲りますが、同じ条件で10回走ったら、10回とも違う結果になるのも競馬だし、9回負けても、一度のチャンスを生かすことができるのもまた競馬です。

 JRA全G1のコンプリートに向けて、勝負です。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】やっぱり競馬は難しいと痛感しました

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