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『真田丸』最終回を10倍おもしろく見る方法~大河ドラマ&歴史マニア・松村邦洋が伝授!~

[週刊大衆2016年12月26日号]

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『真田丸』最終回を10倍おもしろく見る方法~大河ドラマ&歴史マニア・松村邦洋が伝授!~

「いやあ、初回でいきなりやられちゃいましたよ」と語る歴史好きのタレント・松村邦洋さんは、大の大河ドラマファンにして、『真田丸』に魅せられた一人だ。

「“浅間山や富士山が噴火でもしない限り、武田は大丈夫だッ”と、例の野太い声で真田昌幸(草刈正雄=俳優名、以下同)がつぶやく次のシーンで、本当に浅間山が噴火しちゃってね。あの昌幸の困ったような顔を見たとき、このドラマの勝利を確信しましたね」

 その最終回(12月18日)は、異例とも言うべきタイトルなし(無題)。はたして、脚本家の三谷幸喜氏がどんな奇想天外な「策」を仕掛けてくるのか!? 主役・真田幸村(信繁)を演じる堺雅人は、どんな熱演を見せてくれるのか!? 大人気大河ドラマ『真田丸』の、感動必至の最終回を10倍面白く見るための“10のポイント”を一挙蔵出しする!

(1)“最後の戦国武将”幸村の「武士の誇り」を堺雅人が熱演する

「主役ながらずっと、昌幸や豊臣秀吉(小日向文世)の黒子に徹してきたのが真田信繁。それが現在の第三部になり、いよいよ本領発揮してきました。野球でいえば残る3イニングを任された抑えの切り札ですよ。これまで抑えていた堺さんの演技も、力強くなってきましたね。僕は今年、三谷さんと対談させてもらったんですが、『真田丸』は初めから継投策のつもりで脚本を書いたとおっしゃっていました」(松村さん)

 確かに、大坂入りに際し、史実の名前「信繁」から、講談などで後に広まった「幸村」へと改名する設定にしたところにも、その意気込みが垣間見える。そして、いよいよ最終回9回裏――。抑えの切り札、“最後の戦国武将”真田幸村が、どんな武士の誇りを示すのか、堺が、それをどう演じきるのか、とくとお手並み拝見しよう。

(2)鬼才・三谷幸喜の遊び心満載の脚本

 第45回「完封」で来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』へエールを送った三谷氏の脚本に、大河ファンは大盛り上がり。大坂冬の陣の際、幸村と家臣の高梨内記(中原丈雄)が、真田丸の物見櫓の上で徳川勢の布陣を見ながら言葉を交わすシーンだ。

「あちらにも赤備えがおりますぞ」という内記に、幸村が、「あれは井伊直孝の陣。かの井伊直政の次男坊じゃ。……あちらにも、ここに至るまでの物語があるのだろう」という。次回大河のヒロイン・直虎は、その井伊直政を慈しみ、育てる役回り。そこで、内記はすかさず「一度、その話も聞いてみたいものですなあ」とつぶやく。

「次回作に触れるなんて、前代未聞ですよね! それから、朝日姫を演じた清水ミチコさんが良かったですね~。セリフがなく、顔のアップだけで視聴者を笑わせるっていうね。あれも面白い演出でした。実は、その清水さんから、“ねえ、松ちゃん、大河で朝日姫の役をやるんだけど、どんな人なの?”って聞かれたことがあるんですよ。僕は、“豊臣と徳川の絆のために政略結婚した人で、ブサイクだったといわれていて、家康も嫌々、夜のお供をしていた”と教えたら、清水さんは、“あぁ、三谷に騙された!”と怒っていましたけどね(笑)」(松村さん) 最終回も、三谷氏が遊び心満載の演出をするのは間違いないだろう。

(3)ストーリーの裏に潜む現代社会への金言

 第44回「築城」で徳川方が「仕寄せ」を作るシーンが登場する。仕寄せは、敵城などからの鉄砲や弓矢に備え、盾や竹の束などで身を守り、塹壕を掘りつつ攻め寄せる戦法。この回では、徳川家康(内野聖陽)が合戦経験のない若い兵を叱りつつ、老骨に鞭うって自ら塹壕を掘り、「これが仕寄せじゃ!」と彼らに範を示した。

「あのシーンを見ていたら、なんでもネットで調べようとする今の若い人たちに、“そうじゃないんだ。調べるというのは実際に現地に足を運び、人の話を聞いて、ノートに書くことだろうが!”と、家康が言ってるようにも聞こえましたね。内野さんの家康は、どこかの企業の“先代の”社長のようで、言葉が心に響いてくるんですよね。素晴らしい!」(松村さん) 最終回も、三谷氏が投げかけるメッセージを見逃すことなかれ!

(4)戦国版「プロ野球戦力外の男たち」! 牢人たちの大逆転はあるか?

「大坂城に集まった牢人たちは、プロ野球でいうとトライアウトに期待をかける選手そのものですよ。今年は、本物のトライアウトが甲子園であったんです。トライアウトに来た選手たちは、野球を続けるために集まっている。それは大坂城の牢人たちも同じで、生きるために集まっているんです。“大坂城トライアウト”に集まった牢人たちが最終回、何かやってくれるんじゃないですかねえ」(松村さん)

 さらに、三谷幸喜氏の姓名を紐解くと、石田三成(山本耕史)の「三」に大谷吉継(片岡愛之助)の「谷」、真田幸村の「幸」に宇喜多秀家(高橋和也)の「喜」。まさに、“豊臣魂”を具現したものだと松村さんは熱弁を振るう。

「幸村はどんなときにも冷静沈着だし、これは、ひょっとして大坂方が勝つんじゃないかって期待してしまいます(笑)」(前同)

 幸村を演じる堺雅人は、連ドラ『半沢直樹』(TBS系)が大ヒットしたことも記憶に新しいが、「さすがに家康が大和田常務(香川照之)のように土下座することはないと思いますけどねえ(笑)。期待できますよ。やっぱり、ひょっとすると……」(前同) 史実と違う、まさかの大逆転劇があるか?

(5)日本一の兵」は幸村じゃなかった!? 毛利勝永の一騎当千ぶり

「ドラマで鉄砲の名手として登場する毛利勝永(岡本健一)こそ“日本一の兵(つわもの)”です」と語るのは、本誌で『日本史ミステリー』を連載中の、歴史研究家の跡部蛮氏だ。跡部氏が言うように、勝永が天王寺の合戦で、どのような活躍を見せるかも見どころの一つだ。

 跡部氏によれば、勝永は、敵を近づけるだけ近づけ、鉄砲隊に一斉射撃を命じる。まず、第一陣の大将・本多忠朝を討ち取ったあと、第二陣の小笠原秀政隊を急襲。秀政は傷を負い、のちに死亡。毛利隊はなおも攻撃の手を緩めず、敵陣深く攻め入り、第三陣もかき回し始めた。

 毛利隊は2人の大将を討ち取り、徳川家康の本陣に迫る勢いとなったものの、幸村の真田隊がほぼ全滅し、勝永が周囲を見渡すと、孤軍となっていた。だが、勝永は包囲する徳川軍の間を突破。残兵をまとめて、見事に大坂城へ撤兵するという。

 こうして第一陣から第三陣までの徳川勢をかき乱した男は、自刃した豊臣秀頼(中川大志)の介錯を務めたのち、腹を切って果てる。まさに、あっぱれな武将ぶりであったという。最終回、岡本演じる勝永の一騎当千ぶりに酔いしれたい!

(6)内通者は有楽斎だけじゃない!? 大坂城台所の気になる男

 実は、大坂城内は裏切り者だらけ。第48回「引鉄」で淀殿の叔父・織田有楽斎(井上順)の裏切りが露見し、城内から追い出された。「あの枯れた声がいい。有楽斎は、今の有楽町に屋敷があったから、その地名の由来になった人。有楽町にあるニッポン放送でラジオ番組をやらせていただいている僕としては複雑な思いでしたね」(松村さん)

 そして、もう一人、『真田丸』ファンの間で「怪しい」と話題になっているのが大角与左衛門(樋浦勉)だ。彼は、秀吉の時代から豊臣家に仕える大坂城の台所頭だ。大坂落城の際、大台所に火を放ち、徳川に旗本として奉公したいと願い出たと伝わる。確かに、善人の面を被った男のラストも気にかかる……。

(7)悲運の淀殿と愚かな(!?)乳母・大蔵卿の最期

「幸村と淀殿(竹内結子)。2人の関係が微妙ですよね。最終回、あの2人、どうなるんでしょう……」と言う松村さんが三谷氏と対談した際、根っからの大河ファンである2人は、淀殿の話題で大盛り上がりしたという。

「淀殿は落城を3回も経験し、悪運の持ち主のように思われがちですが、三谷さんは、実は大蔵卿(淀殿の乳母、峯村リエ)が悪運を持っているんじゃないかとおっしゃってましたね」

 確かに『真田丸』では、大蔵卿が“出しゃばり女”。豊臣家を滅ぼす悪女の印象を漂わせていて、これまでのドラマとはまるで違う。淀殿と幸村の因縁の行方、淀殿と大蔵卿の最期を、どう描くのかが注目される。

(8)影武者再び!? 家康の窮地をあの側近が救う

 第48回「引鉄」で、家康が幸村配下の佐助(藤井隆氏)に刺殺されるシーンが登場する。「え?」と思った瞬間、それが家康の影武者だと分かり、“三谷節”に魅了された読者も多いことだろう。実は、クライマックスの天王寺の合戦でも家康の影武者が登場するかもしれない。

「幸村を“日本一の兵”と称えた薩摩武士は、幸村が家康の御陣衆、旗本らを粉砕したと記録に留めています」(前出の跡部氏)

 しかし、天下の大御所様(家康)が幸村ふぜいに蹂躙されたとあっては一大事。後世、そう考えた人がいたという。跡部氏は続ける。

「小寺玉晁(こでらぎょくちょう)という江戸時代の好事家が、大坂夏の陣のとき、家康公が側近の本多正純(伊東孝明)に自分の床几(椅子)を預けていたと書いています。家康は初めから、本陣に替え玉として本多正純を置いていたというんです。つまり、幸村に翻弄されたのは正純であって家康ではない――こうして負け惜しみ気味の詭弁を弄しているあたり、それだけ幸村の猛攻が凄まじかった事実を物語っていると言えます」

 はてさて、再び家康の影武者が登場するのか。幸村の獅子奮迅の活躍とともに、期待したい!

(9)神回「犬伏の別れ」は大反響! 「真田家の絆」」の最後は?

 『真田丸』ファンの間で“神回”と呼ばれているのが第35回「犬伏」だ。松村さんが、得意の昌幸のモノマネで、その名シーンを再現してくれた――。「源三郎(信繁の兄・信幸、大泉洋)、源次郎(信繁)、よく聴け。我らはこれより徳川と戦う。だが、豊臣につくわけではないぞ。必ずや世は乱れる。わしはそれを見計らって一気に甲斐と信濃を手に入れる」

 ところが、信幸は徳川に残るという。関ヶ原の合戦を控え、昌幸と信繁が豊臣、信幸が徳川へ、親兄弟で敵同士に分かれることになる戦国の名シーン、犬伏の別れだ。松村さんは話す。

「信幸が徳川に残るといったのは、敵味方に別れるためではなく、それこそ真田が生き残る道だからだったんでしょうね。この回は、兄・信幸が主役の回。心打たれました。映画『清須会議』を撮った三谷さんらしいですよね。戦国時代といえども会議が大事。『踊る大捜査線』(フジテレビ系)の逆。“事件は会議室で起きている!”というわけですよ(笑)」

 真田家の絆を象徴する名シーンだが、天王寺の合戦では、徳川方の大名として参戦した信幸(関ヶ原後に信之と改名)の2人の息子(信吉、信政)が幸村に翻弄される。「幸村を大将とする天王寺口で毛利勝永に蹴散らされ、信吉は家臣を身代りにして前線から退いたといわれています」(跡部氏)

 最後でぶつかり合う真田家。はたまた幸村を救い出そうとする兄・信之は、どう出るか? 最終回が見逃せない!

(10)幸村と秀頼は鹿児島に落ち延びる!? まさかのラストはあるか

 大坂夏の陣で豊臣家の滅亡後、「花のようなる秀頼さまを、鬼のようなる真田がつれて、のきものいたり鹿児島へ」という童歌が流行したという。「上田秋成という江戸時代の作家が、女中からこんな話を聞くんです。女中の母は18歳のとき、豊臣家の重臣・木村重成に仕えていて、幸村と秀頼らは、薩摩が大坂城内に送った歩卒に変装して脱出したと」(跡部氏)

 幸村は天王寺口の安居天神で討ち死にするものの、「一部の講談などでは、死んだのは幸村の影武者とされる穴山小助(真田十勇士の一人)で、幸村は生き残ったと信じられているようです」(前同)

 そこで、気になるのは第41回「入城」に登場する謎の百姓の存在だ。蟄居先の九度山から大坂入りしようとする幸村へ、「オラも一緒に連れていってくれ!」と志願するのだが、それ以降、48回までは登場なし。

「あの謎の百姓が穴山小助として幸村の影武者になるのでは?」とファンの間で話題になっているという。え?――『真田丸』のラスト、もしかして、幸村が秀頼とともに鹿児島へ渡るシーンだったりする……!?

 さまざまな想像も膨らみ、興味が尽きない『真田丸』最終回。松村さんが、「大坂夏の陣は応仁の乱から始まる戦国時代のフィナーレ。幸村が武士の世を終わらせるんです」と語るように、時代が変わる瞬間の“目撃者”になれるチャンスかもしれない。これは見逃せない! ドンドン!!

『真田丸』最終回を10倍おもしろく見る方法~大河ドラマ&歴史マニア・松村邦洋が伝授!~

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