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小池百合子都知事VS森喜朗・内田茂連合、熾烈極まる「激突」

[週刊大衆2017年01月02日号]

小池百合子都知事VS森喜朗・内田茂連合、熾烈極まる「激突」

 “入城”以来、圧倒的世論を味方に敵方を完封してきた“女傑知事”。砲弾のような応酬に耐え、今こそ反撃前夜。いざ、決戦の引鉄を!

 小池百合子東京都知事に、“都議会のドン”こと内田茂氏率いる自民党都議団が、突如“奇襲”をかけた。12月7日、都議会での代表質問で、自民党の崎山知尚議員が小池知事に質問。知事が答弁に詰まって苦笑いを浮かべるや、「笑ってんじゃないよ!」というヤジが飛び、知事も負けじと机を叩きながら感情を剥き出しに応戦した。そこに現れた“伏兵”が傍聴席の一般人たち。小池知事の支持者とみられる都民の「自民党は有明(アリーナ)の利権が欲しいんだろ!」という声が響き渡ると、都議会自民党はシーンと静まり返った。

「まさに、小池知事と都議会自民党は全面戦争に突入したわけです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏) その発端は、破竹の勢いだった“小池劇場”に陰りが見え始めたことにあった。

 豊洲新市場移転問題では、長引く延期に市場関係者に対する補償問題が持ち上がり、整備費の削減を目指した東京五輪の施設問題では、五輪組織委員会の森喜朗会長(元首相)に寄り切られた格好。代替施設の使用を目指した小池知事の思いは叶わず、ボート・カヌー会場と水泳会場の新設が決定。森会長の目論見通りとなったからだ。

「知事は、最後の望みをバレーボールの会場に託しました。有明アリーナの新設を図る森会長に対して、“404億円もかけるのはもったいない”と、既存の横浜アリーナを活用しようとしたんです」(都庁担当記者) 12月21日に大会組織委員会、政府、都、国際オリンピック委員会(IOC)の4者によるテレビ会議が行われたが、小池知事がボート・カヌー会場と水泳会場に引き続き、3敗目を喫した。

「横浜アリーナの活用には林文子横浜市長の同意が必要。小池知事は“林市長は長年の友人”と期待を寄せていましたが、森会長と菅義偉官房長官が林市長に働きかけ、林市長は“開催は難しい”という認識を示していましたからね。来年、横浜市長選を控えた林市長としては、地元の実力者である菅氏の存在を無視できなかったんでしょう」(都庁関係者)

 小池知事へのぶら下がり取材で記者から「大山鳴動して鼠一匹」などという声も飛び出す始末。この苦境につけ込むべく、“ドン”内田氏率いる都議会自民党は、反撃の準備を開始していた。しかし、その矢先。小池知事から先制攻撃が仕掛けられる。「知事はいきなり、30年以上タブーになっていた都議会の聖域に斬り込んだんです」(前出の鈴木氏)

 それが、200億円に及ぶ「政党復活予算」の廃止だ。「これはいわば、都議会議員らが自由裁量で使える金。議員にとっては、補助金などの予算を復活させることで、関連する業界団体に恩を売る道具ですね。癒着構造の象徴であると同時に、議員にとって生命線でもあるわけです」(前同)

 その“兵糧”を奪われたら一大事。「もはや、一刻の猶予もならなかったんでしょう。最大抵抗勢力である都議会自民党が、7日の代表質問で知事に牙を剥いたんです」(前出の都庁担当記者) 自民党は、知事の“揚げ足取り”戦術に打って出た。

「小池知事は就任時、都議会に“(フェアな政治のために)馴れ合いや根回しをなくしましょう”と訴えていました。それを逆手に取り、彼らは通常、事前に通告するはずの質問内容を知らせず、“抜き打ち”で斬りかかったんです。あげく、質問した崎山議員の質問は細かく28問にも及びました。知事は必死にメモを取りながら、しどろもどろに答弁せざるをえなかったというわけです」(前同)

 そして、冒頭のシーン。ヤジが飛び交い、都議会はさながら“乱軍の戦場”となった。だが、自民党の戦術は見事に失敗する。メディアがソッポを向いたのだ。『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、ダウンタウンの松本人志に「へそくりを没収されてヒステリーを起こしているという感じ」と皮肉られ、スピードワゴンの小沢一敬からは「だから“政治家だせえ”と思っちゃう」と呆れられるなど、完全に逆効果。痛手を被った格好だ。

 さらに失策は続く。自民党東京都連の下村博文会長は、7日の代表質問の前日、都知事選で党の方針に反して小池知事を支援した豊島、練馬の区議7人を、最も重い除名処分にした。「都議会自民党の攻勢を支援するため、代表質問の前日というタイミングで発表したんでしょうが、これまた、不発に終わりました」(都庁担当記者)

 知事はすかさず、主宰する政治塾「希望の塾」の会合を開き、熱気に包まれる4000人の参加者を前に、「かなり多くの方が立候補したいという意欲に燃えて具体的な目標を持っている。後押しをしたい」と述べ、塾の参加者の中から、来夏に予定される都議会選挙の候補者を擁立する考えを明らかにした。

「除名された区議“七人衆”のうち、2名は都議選に出馬すると聞いています。もともと、小池知事は政治塾を地域政党として立ち上げ、既成政党を牽制するカードに使おうとしていました。そのカードを切るタイミングが予定より早まったわけですが、小池知事にとっては、むしろプラス。改めて都民に、新しい政治に臨む姿勢を示すことができるからです」(鈴木氏)

 都議会自民党が次の攻め手を考えあぐねる中、小池知事は一気に反撃へ出た。前述の政党復活予算を廃止する方針と併せて、各業界団体からヒアリングを開始。まずは東京都トラック協会や東京都中小企業診断士協会など、庶民生活に近い約60団体を対象に、知事が直接、彼らの意見や要望を聞き始めたのだ。

「小池知事の狙いは、都議会の力を弱らせて、思い通りに都政を運営すること。その意味で言うと、復活予算の廃止はむろんのことですが、業界団体から知事自らがヒアリングすることによって、権力を知事に集中させることができます」(政治評論家の有馬晴海氏)

 都議会の生命線を奪うと同時に、それを知事自身の武器として業界団体へ恩を売るというわけだ。そして、一度は決着したかに見えた豊洲新市場問題と五輪施設問題でも、知事は巻き返し策を練っているという。まず、豊洲新市場の移転延期に伴う補償費用について、税金や市場使用料には手をつけず、旧神田市場の土地を売った利益の積立金を充てると発表。「これで自民党の“税金のムダ遣い”批判を封殺しました」(全国紙政治部記者)

 さらに、返す刀で森会長への反撃を画策。「五輪のゴルフ会場に目をつけたんです。選手村や都心部からの距離を考えて、若洲ゴルフリンクス(江東区)が有力候補でしたが、名門の霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)になぜか変更になった経緯があり、そこに斬り込むつもりですね」(前出の有馬氏)

 お互い一歩も引かぬ構えの小池知事と森氏、そして森氏の後押しを受けた都議会自民党。対立はますます激化しそうだが、それでもまだ序の口だという。「本当の“東京冬の陣”は、来年2月でしょう」(鈴木氏)

 どうやら緒戦から、いきなり敵の“本陣”に斬り込む修羅場になりそうなのだ。「“ドン”内田氏のお膝元である千代田区で、来年2月5日投開票の区長選(1月29日告示)が行われます。現職の石川雅己区長は、前回の選挙で内田氏に対抗馬を立てられた恨みがあり、今回も小池知事の支援を受けて立候補すると出馬会見をしました」(前同)

 一方の内田氏も、自身の命運をかけて対抗馬を擁立する構えだ。「今のところ、来年夏の都議会選挙の第1次公認候補に、内田氏の名前が入っていないんです。この代理戦争で敗れたら、内田氏は自分で進退を決めるつもりなんでしょうね」(同)

 うまくいけば、ドンの“首級”をあげられる戦い。だが、仮に大将首を取られたとしても、そのまま都議会自民党は黙っていない。2月23日に代表質問で論戦の火蓋が切って落とされる2017年第一回定例会(都議会)は、小池知事にとってさらなる正念場になるという。

「小池知事が就任後、初めて予算案(17年度)を提出し、議会に承認を求めることになります。その13兆円規模の予算案を巡り、都議会自民党は徹底した対決姿勢を示すことになるでしょう」(鈴木氏)

 何しろ、都議会自民党は定数127人のうち、半数近い60人を擁する最大勢力。「予算案が通らなければ都政運営に支障をきたすだけに、最悪、知事は暫定予算を組んでしのがなければならない窮地に陥ります。それを好機と自民党は知事の不信任案を提出し、さらに揺さぶりにくる可能性もありますよ」(前同)

 首尾よく敵の大将を討ち取っても、圧倒的な兵力で“総攻め”をかけられたら、さすがの小池知事も危うい。しかし、そのときこそ、小池知事の政治の師匠・小泉純一郎元首相直伝の“バクチ殺法”が炸裂するという。「知事としては、その機を捉え、暫定予算を組んで時間稼ぎをしつつ、都議会選挙のタイミングに合わせて自ら知事を辞職することも考えられます」(同)

 乾坤一擲、都知事選と都議会選のダブル選に持ち込み、総大将自ら出馬。再び小池旋風を巻き起こし、“小池新党”とともに勝利を呼び込むという(秘)プランだ。「その際、都議会自民党の若手を切り崩して小池陣営へ引っ張ることができたら、都議会自民党の勢力は選挙後、大きく減退することになります」(有馬氏)

 そしてここにきて、小池知事の背に力強い追い風が吹いた。これまで都議会で自民党と連立を組んできた都議会公明党が14日、連立解消を表明し、小池知事支持の姿勢を示したのだ。

「公明が準備していた議員報酬の2割削減案などを自民がまともに取り合おうとしなかったことから、自民と公明は決裂。公明は小池改革路線賛成を明らかにし、来夏の都議選でも共闘するとみられます」(都庁担当記者)

 勢いを得た女傑知事が来夏、抵抗勢力を殲滅するのか!?

小池百合子都知事VS森喜朗・内田茂連合、熾烈極まる「激突」

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