日刊大衆TOP 社会

警視庁管理官が徹底指南!「年末年始の凶悪犯罪」は、こう防げ!!

[週刊大衆2017年01月02日号]

ボートレース戸田
https://www.boatrace-toda.jp/
GⅢ 戸田マスターズリーグ第10戦・週刊大衆杯

警視庁管理官が徹底指南!「年末年始の凶悪犯罪」は、こう防げ!!

 書き入れ時は犯罪者にとっても同じ。悪に対抗するスペシャリストが教える“危険な季節”のサバイバル術とは!?

「まさか」の事態は誰の身にも訪れる。犯罪者が狙うのは、魔の手を想像すらしていないタイミングだ。都内の金属加工会社に勤める60代のA氏が被害にあったのは、一昨年の年末年始のことだった。

「2泊3日で大分に帰省し、自宅に戻ったら家の中がメチャクチャ。空き巣だとすぐに分かりました。盗られたのは妻の貴金属、私のノートパソコン、現金など総額40万円くらいでした。警察に被害届を出したとき、“手慣れた外国人が10分くらいでやってるね”と言われました。ピッキングで玄関から入られたんです」

 金銭面に加え、心理的被害も大きかった。「妻が心理的ショックで、家を空けるのが怖い、一人でいられないと言いまして……。3か月くらい、そんな時期が続きました」

 長く不在にすることが増えるこの時期は、空き巣犯にとってもハイシーズン。「空き巣は“5分”と“7回”がキーワード。侵入盗の犯人は、5分かかると、約7割が諦めます。そして総攻撃回数は7回が限度。音の出る打撃を7回繰り返して破れなければ侵入を諦める、というデータがあるんです」と語るのは、警視庁生活安全部生活安全総務課生活安全対策第二係主任の成田健警部補だ。

「空き巣犯は減少しているといっても、東京都で年間2500件前後は認知されています。ひとつの対策として、CP(Crime Prevention=防犯)製品があります。これは、警察庁はじめ関係団体が、実際にぶっ壊そうとして、5分以上耐えられたものをCP製品として認定しているもの。サッシ、玄関ドア、シャッターなどの“CP”マークを見ると、空き巣犯は侵入を諦めます」

 柔道などで鍛え上げた警察官が実験した際も、「玄関のドアを本気でぶち破ろうとして、結局30分かかりましたね。鍵を回す手を入れる穴を開けるのに、それだけの時間が必要だったんです」(前同) “手間”こそが、空き巣に対する最大の防御策。覚えておきたい。

 続いては、こちらの犯罪。12月12日、多摩地区でミニバイクによるひったくりを25件以上繰り返した24歳の男が逮捕された。直接の容疑は、70代女性の自転車の前カゴに入ったバッグを追い抜きざまに奪うという、昔からある手口。近年ではスマホの普及で、歩行者もより手荷物への注意が薄れるケースが見受けられるという。

 警視庁生活安全部生活安全総務課調査担当管理官の藤森雅之警視は、次のように語る。「ひったくりの件数は、11月末までで340件。昨年の同期が460件なので、減少しています。しかし、ひったくりに限らず注意喚起したいのが、歩きながらのスマホや、イヤホンで音楽を聴くこと。注意が他に向かず、犯罪の標的になった際に無防備です。できれば避けてほしいですね」

 12月9日には、都内の駅でスリを繰り返した中国籍の男ら3人が逮捕されたが、これも一瞬の隙をつき、財布をリュックサックから奪っている。「盗んでから50分間で奪ったカードを不正に使用して、ネックレスなど合わせて194万円相当を購入していました。とにかく手際がいいんです」(民放局記者)

 無警戒な瞬間を犯罪者は狙うわけだが、その最たるものが酒だ。「繁華街で増えているのが“抱きつきスリ”と“追いはぎ”です。“抱きつき”は、酔った被害者に道端の女性が抱きついたり、腕を絡めたりして“ウチの店に来て”と誘う。女性に気を取られているうちに、数人がグルになって死角を作り、財布を奪う。酔った人間や男性の心理をよく知っています」(前出の成田主任)

「追いはぎ」は、自分の店に被害者を誘い込み、大量に酒を飲ませたり、クスリを盛ったりして、正体を失った被害者のカード類を奪い、他の店で使いまくるという手口。「徹底的にむしるので、追いはぎと呼ばれます。カードは他店で使われているので、足がつかない。主に外国人による被害が報告されています。“抱きつき”も“追いはぎ”も、酒に酔って警戒心が低下したところを狙われる。注意が必要です」(前同)

 ここまで数々の例を見てきたが、実は東京都の犯罪件数は減少している。「昭和40年代の東京の犯罪認知件数は、20万件程度で、世界一安全な都市だといわれていました。それが年々増加し、平成14年にはついに30万件に達しました。そこからさまざまな対策を重ね、現在、14万8000件まで下がっています」(同)

 一方、ピークだった平成14年から総件数に対する割合が変化していない、意外な多発犯罪がある。「自転車盗難です。この認知件数が、11月末までに4万3000件と、総認知件数の34.8%に達している。いざ検挙してみると、ほぼ全員が、その場だけの利用のために盗んでいます。“終電を逃したから”“酔って歩くのが面倒になったから”といった理由で盗むんですが、れっきとした窃盗。懲役10年以下もしくは50万円以下の罰金になります」(同) 酔って犯人になることのないよう、くれぐれも注意したい。

 いくら注意を重ねても、しすぎることがないのが、特殊詐欺だ。警視庁犯罪抑止対策本部特殊詐欺対策担当管理官の芝山賢一警視が語る。

「2015年を見ると、特殊詐欺の件数は12月が一番多くなっています。今年の上半期は抑えられていましたが、下半期に入って被害件数が増加し、11月末には昨年と比べて81件プラスになってしまった。金額ベースではマイナスですが、被害総額は約53億円と大きい。引き続き対策が必要です」

 近年クローズアップされている特殊詐欺のうち、多くの割合を占めている手口がある。「特殊詐欺で最も多いのがオレオレ詐欺で、総件数の約7割に達しています。そのオレオレ詐欺の約7割が“鞄をなくした”と電話をかけてくるんです」(前同)

 電話口で息子になりすました犯人は電車の網棚、コンビニのトイレ、喫茶店などに鞄を忘れてしまったと告げ、「小切手は銀行に連絡して止めたけど、今日中に1000万円が必要なんだ。上司が800万円は都合してくれたんだけど、あと200万円足りない、用立ててほしい」と泣きついてくる。

「我々が“鞄忘れ”と呼ぶ手口で、全体の約5割と多い。そこで我々はスローガンを作りました」(同) それが、<「オレだけど、鞄忘れた」これは詐欺!>シニア世代の被害者も多い特殊詐欺。“鞄忘れた”という言い方には、くれぐれも用心したい。

 最近増えてきたのが、カードが不正使用されていると告げる電話から始まる詐欺だ。大手百貨店を名乗り、「あなたのキャッシュカードが不正に使用された形跡がある。銀行協会に電話をかけてほしい」と電話をかけてくるのだ。被害者が慌てて教えられた番号にかけると、「暗証番号を変えたほうがいい。ついては現在の番号が必要です」と巧みに聞き出される。そして「協会の者がキャッシュカードを取りに行きますので、渡してください」と告げられる。

 そして、自宅を訪れた犯人にカードを渡すとジ・エンド。暗証番号とカードをセットで握られ、口座の預金を引き出されてしまうというわけだ。犯人は、ご丁寧に首から<一般社団法人全国銀行協会不正取引監査室>なる身分証を下げ、キャッシュカードを受け取った際には、『金融商品ご解約回収証明書』という書類も被害者の手元に残していく。

「彼らは日に何百件と電話をかけているので、熟練している。だまされることはない、と思っていてもやられることがあります。過去に2度、詐欺を見破った人が3回目にひっかかったケースもありますからね」(前出の芝山管理官)

 年末年始はいろいろと出費が重なる。現金を手元に置く人も多いだろうが、オレオレ詐欺で、現金があるがゆえに払ってしまったという例もある。マイナス金利という単語を、銀行に預金があると金を払わなくてはいけなくなる、と勘違いして引き出す人もいるという。

「オレオレ詐欺被害で、手持ちのお金、いわゆるタンス預金で払ってしまったケースは、昨年11月末までに498回。今年は549回と増加している傾向が見られます。中には数千万円の現金を置いていた方もいたそうです」(前同) 現金にはリスクもある、と覚えておきたい。

「さらに注意してほしいのが、バイク便が特殊詐欺の受け渡しで利用されるケースが増えていることです。バイク便が現金を受け取りに来たら、100%詐欺だと思ってください」(同)

 一年の総決算を迎え、浮き足立つこの季節。「初詣など、年末年始は人が多くて賑やかな場所に行く機会が増えると思います。それに伴い、トラブルに巻き込まれる危険性も上がる。心して出かけてほしいですね」と、前出の藤森管理官は警戒を促す。

「まさか」という一瞬の隙を狙うのが、こうした犯罪者。そのことを忘れず、年末年始を安全に過ごしていただきたい。

警視庁管理官が徹底指南!「年末年始の凶悪犯罪」は、こう防げ!!

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.