日刊大衆TOP 芸能

春風亭昇太、“サンデーショータ”が「テレビ界を制圧する日」

[週刊大衆2017年01月30日号]

春風亭昇太、“サンデーショータ”が「テレビ界を制圧する日」

 パッと見は気弱な独身メガネ落語家。しかし、彼には人を魅了する魔力と、とてつもない才能が潜んでいた――。

 列島に、ひと足早く春が訪れた。落語家・春風亭昇太(57)が八面六臂の活躍を見せているのだ。昨年5月、日曜夕方の国民的番組『笑点』(日本テレビ系)6代目司会者に抜擢されて以来、その快進撃は続いている。「前任者の桂歌丸は50年前の番組開始時からの出演者で、司会交代での視聴者離れも危惧されましたが、視聴率は好調。完全に受け入れられたと言っていいでしょう」(テレビ誌記者)

 芸能ジャーナリストの渡邊孝浩氏は、昇太がウケる理由を、こう解説する。「司会者が絶対権力者だった歌丸時代、正面から歌丸をネタにするのは三遊亭円楽くらいでした。しかし、今では、新メンバーの林家三平までが独身ネタで昇太をイジるなど、司会者と回答者が対等になり、雰囲気が明るくなりました」

 6代目司会者として盤石の昇太には、特長がある。「芸の世界で“フラがある”と言うんだけど、何でもないことでも、その人が言うと面白く聞こえる。昇太の師匠の春風亭柳昇もそうだった。極端な例では、トランプもフラがある。SMAPで言えば草なぎ剛。綾瀬はるかもそう。“こんにちは”って言うだけでも面白い」(芸能プロ関係者)

 アメリカ新大統領や当代きっての人気者と同じ素質の持ち主で、磨かれた腕もある昇太を、テレビ業界が放っておくはずがない。昨年大晦日には、NHKの『紅白歌合戦』と、日本テレビの『ダウンタウンの大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない科学博士24時!』にW出演する快挙を達成している。

「紅白で審査員を務めつつ、裏番組の『笑ってはいけない~』で“DVD笑点大喜利”に出演し、ココリコの田中直樹にタイキックの罰を与えて、松本らを爆笑させていました。NHK、日テレの両局が裏番組への同時間帯出演という業界のタブーを冒してでも使いたかった、という事実が、現在の昇太の価値を証明しています」(前出のテレビ誌記者)

 さらに、1月8日にスタートした柴咲コウ主演のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にも昇太は出演しており、その怪演ぶりが話題になっている。「役どころは圧倒的な力で井伊家を翻弄する“太守様”の今川義元。今川氏が治めた静岡出身で、深い郷土愛の持ち主で知られる昇太に白羽の矢が立ちました。不気味な白塗り姿で、初回の放送ではひと言も発しないのに、異様な迫力で“ギャップありすぎ!”と、多くの視聴者を驚かせていました」(前同)

 初回の視聴率は16.9%で、昨年の『真田丸』が全話平均16.6%だったことを考えると大健闘だ。「あの白塗りで数%は稼いだ、といわれています。気になってしょうがない(笑)。序盤のキーマンとなっていますね」(夕刊紙記者)

 日曜日の17時半からは日テレ『笑点』。20時からはNHK大河と、日曜の夜を昇太は二度ジャックする形になる。「双方とも最低でも15%は確実な国民的番組で、昇太は一晩で合計30%を稼ぎ出すわけです。しかし、昇太が初司会を務めた昨年5月29日放送の『笑点』は、歴代最高の28.1%を記録。昇太の義元が視聴者の関心を引き、大河も20%を超えてくれば、一晩での50%超えも決して夢ではないと思いますよ」(前同)

 かつて萩本欽一は『欽ドン!』『欽どこ』『週刊欽曜日』『ぴったしカン・カン』『オールスター家族対抗歌合戦』などのレギュラー番組で1週間に合計視聴率100%を達成し続け、“100%男”と呼ばれたが、「テレビ離れが深刻なこの時代に、一晩で50%超えることがあれば、欽ちゃんに並ぶ偉業ですよ」(同)

 テレビでも活躍する昇太の特異性を、ある寄席関係者はこう語る。「昇太師匠は誰と絡んでも緊張しない。普段、落語家は一人でやりますから、人と絡むのが苦手。テレビでもひな壇やトークが不得手な人が多いんです。でも、昇太師匠は、どこでも必ずヒットを打って帰ってくる。イチローを超えてます」

 実は、昇太は業界きっての“持ってる男”。テレビ東京の『大学対抗落語選手権』で優勝し、テレビ朝日の『ザ・テレビ演芸』に漫才コンビ「ザ・まんだらーず」として出演して初代グランドチャンピオンに輝き、二つ目時代にはNHK新人演芸コンクールで優秀賞を受賞。他にも文化庁芸術祭大賞など、賞レースで負け知らずなのだ。

「ここぞという勝負には強いかもしれない。特に金がかかった場合には(笑)」とは彼自身の弁だが、「勝負強いのは本当です。表面上はフワッとして見えますが、本番前は格闘家の顔になっている。ボクシングが好きなんですが、高座直前の楽屋は、リングに上がる前のボクサーの目。それだけ、真剣に向き合っているということでしょう」(制作関係者)

 それが『直虎』での“恐怖演技”につながっている。「あの白塗りの恐ろしさは、昇太師匠の真の姿かもしれません。“笑わない奴は容赦しない”みたいな(笑)。今後は役者の仕事もますます増えると思います。メガネを取ると、顔、怖いですからね。起用したNHKの慧眼です」(月刊誌記者)

 2005年の宮藤官九郎脚本のドラマ『タイガー&ドラゴン』(TBS系)や、14年の吉永小百合が主演&プロデュースした映画『ふしぎな岬の物語』にも出演し、俳優経験も豊富だが、さらにコワモテという新たな引き出しが増し、オファーも急増するに違いない。

 前出の渡邊氏は言う。「昨年は『報道ステーション』(テレビ朝日系)から解放された古舘伊知郎がテレビ界の帝王として君臨するかと思われましたが、11月からフジテレビ系で始まった『フルタチさん』は視聴率5%台と大爆死。その名も『Mr.サンデー』(フジ系)の司会者として天下獲りを狙った宮根誠司も、大阪から放送の『ミヤネ屋』に縛られ、足踏み状態。存在感がグングン増している昇太が、今後、テレビ界のキーマンとなることは間違いないでしょう」

 ちなみに、本業の落語界での立場も揺るがない。「昇太は誰もが認める新作落語の旗手。落語家としての評価は『笑点』メンバー随一で、落語会を開けば、全国どこでもチケットは即完売。落語ブームといわれて久しい現在でも、そんな噺家は何人もいません。落語界は嫉妬の世界で、目立ちすぎるといい評判が立ちませんが、昇太は『笑点』のレギュラーになってから、むしろギャラがうんと安い寄席に多く出るようになり、司会者になっても、その姿勢は変わらない。だからこそ上にかわいがられ、下にも慕われるんです」(落語関係者)

 さらに昇太は、東京落語界の二大勢力の一つ、落語芸術協会でも責任ある立場にある。「04年から歌丸が会長を務めていますが、この正月にも軽い肺炎で入院するなど、年齢と健康面を考えると勇退は既定路線。現・副会長の三遊亭小遊三が新会長に就任することになるでしょう。となると、現在、理事の昇太は副会長に昇格。すなわち、小遊三の次の会長の座は、すでに約束されています」(前同)

 今現在、日本一“神ってる”落語家は、いったい、どこまで昇り詰めるのか。「今後、大きな仕事が増えると思います。具体的には、日テレ『24時間テレビ』の司会、年末のNHKの紅白歌合戦の司会ですね。そういう大きなオファーに、昇太さんはことごとく応えてきた。大舞台でスベった記憶がないですから。“私、失敗しないので”って、落語界のドクターXですよね。ぜひ、紅白で白組司会を義元の白塗りでやってほしいですね」(演芸評論家)

 すべての局面で成果を収める最強の真打ち・昇太。“サンデーショータ”どころか、“エブリデーショータ”になる日は近い。

春風亭昇太、“サンデーショータ”が「テレビ界を制圧する日」

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.