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脳と心臓のサインを見逃すな!「真冬の突然死」その兆候とは

[週刊大衆2017年02月20日号]

脳と心臓のサインを見逃すな!「真冬の突然死」その兆候とは

 “ピンピンコロリ”が幸せとは言いますが、「それでも、やっぱり死にたくない!」のが人の心。危ないこの季節を乗り切るには!?

 2月4日は立春だが、それは暦上のこと。寒波はまだまだやってくる。そんな冬こそ危険なのが、症状が出てから、ほぼ1時間以内(最大24時間)に死に至る「突然死」。死因の約6割は心臓疾患、約2割は脳卒中だが、原因不明のケースも少なくない。その数、日本で年に10万人以上。近年は40~50代の働き盛り、ひいては若者にも増殖中なのだ。

 最近は、あの有名人の激白も話題だ。1月下旬、「ある日突然、脳梗塞?」と題し、読売新聞「ヨミドクター」に登場したのは、タレントの麻木久仁子(54)。2010年の冬のある日、<突然、右腕の付け根から先と右脚の付け根から先が、ジーンと痺れたのです。(中略)右側の手脚だけがひどく痺れては、ふいっと治るということが、1日に何回か起こったのです。>

 麻木は学習院大学で勉学に努めた才女である。「体の片側だけに何か異常が見られたら、脳の疾患を疑え」という言葉を思い出し、さっそく病院へ。軽い脳梗塞と判明したが、不幸中の幸い、突然死は免れた。

 かように、“兆候”を知ることで、突然死のリスクは大きく軽減する。「特にこの季節、お風呂で突然死する方が多いのは、外気との気温差が大きいから。血圧が急激に上下し、心臓のリズムが乱れるためです。最近、そのリスクを、飲酒がさらに高めることが分かってきました。酔っての入浴は避けてください」と警告するのは新潟大学名誉教授の岡田正彦氏(医学博士。専門は予防医学)。

 そう、悲しいかな、真冬は突然死の季節。寒い時期の発症率は、夏場の1.5倍とのデータもあるほどだ。突然死に至る、脳と心臓の“救命サイン”――その中でも見逃しがちな10の兆候を徹底取材した。

 まずは、突然死の死因の約6割を占める心臓疾患。その中でも一番多いのが“急性心筋梗塞”である。突然死予防の著書『いきなり死ぬ人、死なない人』(セブン&アイ出版)もある「岡部クリニック」(東京・銀座)の岡部正院長が兆候について説明する。

「なんとなく疲れやすい。階段を上っただけで息切れする……という不定愁訴のみならず、胃の付近がムカムカする。虫歯もないのに、奥歯が痛む。肩こりがひどくなったというのも心筋梗塞の前駆症状の場合があります」

 出版社に勤めていた40代後半の男性は、いつもより早く帰宅。「ちょっと食欲がないから、夕食はいらない」と自室へ入り、約3時間後、果物でも持っていこうと奥さんが部屋のドアをノック。だが、返事がない。

 ドアを開けると、男性は机に突っ伏していた。救急車を呼んだが、病院で急性心筋梗塞による突然死と確認されたという。

 大学時代はラガーマン。死ぬ直前も引き締まった体で、健康そのものだった。「とはいえ、先ほど上げた兆候のいずれかを感じ取っていたのでは? 健康に自信があれば、胃のムカムカや肩こりが、まさか心臓のせいとは思わず、つい、兆候を見過ごしてしまったのでしょう」(岡部氏)

 しかし、「息切れ」などは心臓疾患ゆえと分かるものの、「奥歯が痛む」のはなぜか? 医療ジャーナリストの牧潤二氏がこう言う。「胃の付近のムカムカは、心臓の痛みのせいで、そう感じるのです。胸やけと勘違いする場合もあります。肩こりも歯も、根は同じ。体を動かしたときだけ歯が痛くなるなら、心臓の“救命サイン”と疑ったほうがいいでしょう」

 一方、「夜中に悪夢で目覚める」のも突然死の兆候。心臓疾患のため、息苦しいのが遠因だという。一方、突然死の2番目の死因である脳卒中の兆候について、前出の岡田氏はこう言う。

「めまいがする、ろれつが回らない、片方の手足に力が入らない、目の前が暗くなる、言葉が出にくい……などの症状が一時的に現れ、すぐ元に戻る“一過性脳虚血発作”というものがあります。これを繰り返しているうちに、重い脳梗塞を発症することもあるのです」

 よく知られる“兆候”ではあるが、その中でも象徴的なのが「物が二重に見える」。これも、一過性脳虚血症の典型症状の一つだ。

「これは、単に目がかすむとか、見えにくいではなく、明らかに脳神経を圧迫した異常な症状と言えます。加えて、“相手の言っていることは分かるが、理解できていない”といった症状もあれば、即、脳外科など専門医に診てもらうべきでしょう」(前出の牧氏)

 加えて、「まぶたが下垂する」のも、脳卒中の危ない兆候だという。「破裂すると、脳卒中の原因にもなる脳動脈瘤(脳の動脈の一部がコブ状に拡張したもの)が、まぶたを下げるんです」(前同)

 加えて、「舌が左右どちらかに曲がる」も。「脳血栓が起きると、舌を動かす神経領域あたりの血流が少なくなったり、途絶えたりして、舌が曲がるんです」(同)

 同じ理由から、「舌の裏側が腫れる」といった兆候が出る場合もあるというから、恐ろしい。さらには、動脈硬化も要注意。進行して、心臓の血管が詰まって心停止するのが心筋梗塞。一方、脳の血管が詰まるのが脳梗塞だ。

 動脈硬化が腹に出現すると「お腹が硬い感じがする」、脚に出現すると「脚がだるい」というのも兆候だ。

「前者は腹部の大動脈の一部がコブのように拡張した“腹部大動脈瘤”、後者は足の動脈硬化が進んで起きる“閉塞性動脈硬化症”の典型的症状です」(救急病院スタッフ)

 続けて、牧氏が補足する。「腹部大動脈瘤の他の症状としては、腹部がドクドクする感じや、塊があるように感じることが挙げられます。閉塞性動脈硬化症は、5分ほど歩いただけで脚がだるくなります。加えて言えば、脚の冷えを伴います。脚の動脈硬化で、十分な血液が送られていないためです」

 ちなみに“脚”でいえば、“脚のむくみ”もよく知られた心臓疾患の兆候。これは心臓のポンプが機能せず、血液が下(脚)に沈みがちになってしまうからだ。

 諸悪の根源になり得る“親玉”――動脈硬化。岡部氏は、専門医で数千円でできる“酸化LDL検査”をオススメする。「酸化LDLは、血管を詰まらせる“突然死の主犯”LDL(悪玉)コレステロールが酸化した、最悪のもの。この数値を計測するのが“酸化LDL検査”です」 数値を見て、改善すべき点があれば見直せばいい。検査は重要なのである。

「脳卒中の中で大きな割合を占める“くも膜下出血”は、コレという兆候が見られないケースも多々あるんです」と話すのは、岡田氏。これもまた、事前に検査で兆しを発見するしかないという。

 岡部氏は、本誌読者にこう自愛を促す。「もし、あなたの親族に、“くも膜下出血”を起こした人がいるなら、注意してください。一度、脳ドックで詳しく検査したほうがいいでしょう」

 兆候だけを気にするばかりではダメ。検査で見えるものは、たくさんある。「一度でも失神したことがある方は、突然死のリスク要因の一つである“重症不整脈”の可能性もあります。循環器内科で、精密検査を受けてください」(岡田氏)

 ピンピンコロリが一番と言うけれど、これらの疾患は後遺症を残すことも多々ある。とにかく、日頃から気をつけるべし!

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