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【武豊】亡き父への「最高の親孝行」を胸に

[週刊大衆2017年03月06日号]

 なんとなく照れくさくて、でも、鼻の奥がツンと来るような懐かしさを運んでくる歌、それが校歌です。――いや、でも、卒業してからずいぶんたつから歌えないかも……。そんなことを思っていても、いざ伴奏が始まると思い出すから不思議です。

 2月7日に行われた競馬学校第33期生の卒業式。日本騎手クラブを代表して出席した僕も校歌を聴きながら、「あぁ、覚えているもんやなぁ」と、妙に感心してしまいました。

 下総の野に光あり
 木下街道のほとりなる
 白井の春の梨の花
 愛馬と共に住む里は
 むかしも牧と呼ばれしと
 ああ清新のわが母校

 このコラムを読んでいる競馬学校の卒業生は、今頃、鼻歌交じりに歌っているような気がします(笑)。16年ぶりの女性騎手誕生で沸いた藤田菜七子騎手のデビューから1年。今年、競馬学校を卒業して3月にデビューするのは、川又賢治、木幡育也、富田暁、武藤雅、横山武の5人です。

 最近は競馬学校のカリキュラムがより実践的になったことで、いきなり活躍する新人騎手も多くなってきました。呼び名はみんな、“あんちゃん”。右も左も分からずウロウロし、先輩たちに、「じゃまだ!」と怒鳴られていた僕らの頃とは、隔世の感があります。

 30年前のあの日。彼らと同じように僕にも夢がありました。ポケットから溢れ出るような希望があり、大志がありました。そして今も、あのときの気持ちを忘れたことはありません。

 勝つことより、負けることのほうがはるかに多いのが競馬です。つまづいて、転んで、悔し涙を流して――先が見えなくなったら、今のその気持ちをもう一度、思い出してください

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【武豊】亡き父への「最高の親孝行」を胸に

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