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過重労働、薄利多売で休みなし…運送会社ドライバーたちの悲鳴

[週刊大衆2017年03月20日号]

過重労働、薄利多売で休みなし…運送会社ドライバーたちの悲鳴

「昔は“走っただけ儲かる”と言われたもんだがね……。今や完全な“ブラック職場”。夢も希望もないよ」 こう肩を落とすのは、都内の中堅運送会社に勤務するトラック運転手。

 近年、ネット通販などの拡大によって、荷物の運搬量は増加の一途。全日本トラック協会の調査によると、合計貨物数は2005年の50億個弱から14年には90億7804万個と、倍近くになっている。

「これだけ見れば大儲けかと思いきや、実態は真逆。“送料ゼロ”“翌日着”を謳う通販業者からはダンピングさせられ、お客のほうも再配達を気軽に申し込むようになって二度手間、三度手間。“労多くして益少なし”を象徴するような状況になっているんだよ」(前出の運転手)

 そうなれば、自然と進むのは「薄利多売化」だ。「運送事業者の新規参入が規制緩和されてから20年で、事業者の数は1.5倍になっていますからね。少しでも他社より多くの仕事を勝ち取ろうとギリギリまで値下げし、休む間もなくトラックを走らせるようになった結果、ドライバーの負担は大きくなる一方です」(交通ジャーナリスト)

 また、運転時だけでなく、倉庫への荷物の出し入れの際には、待ち時間が発生する。この時間も際限なく増えており、ときには荷主の都合で2~3時間に及ぶことも。しかも、その間はトラックを離れられない。「この時間は給料がつかない会社もあり、12時間トラックに乗って待機が6時間なら、給料も6時間分ということもザラ。やってられないね」(別の運転手)

 こうした過重労働に、業界の巨人・ヤマト運輸の労働組合が立ち上がった。「今年の春闘で、組合は乗務と乗務の間を必ず10時間以上空けることや荷受けそのものを減らすことを要求。会社もそれを受け入れ、楽天やアマゾンなどネット通販大手に値上げ交渉をする方針を固めたんです」(前出のジャーナリスト)

 最大手が改善の意思を見せたことは、運送業界にとって明るい話題ではある。だが、事はそう楽観を許さない。業界には“時間”がないのだ。

「運送業界は、若い労働者が夢のない環境に見切りをつけた結果、すでに致命的な人手不足。今や7割以上が40代以上で、60代も2割弱です。高齢化は仕事や体調面でも問題ですが、同時に1人あたりの賃金の高止まりも招くため、近い将来の“リストララッシュ”も噂されています」(前同)

次ページ >> コンピュータ制御の“自動運転トラック”の研究も!

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