日刊大衆TOP 社会

安倍晋三“最強内閣”を揺るがす「5つの爆弾」

[週刊大衆2017年03月20日号]

安倍晋三“最強内閣”を揺るがす「5つの爆弾」

 順風満帆と思われた一強政権にもいくつもの綻びがあった。驕りや過信から、それらを見落とすと、やがて、すべてが崩壊していく!?

 2月27日、一般会計の総額が97兆4547億円となる過去最大の予算案が、戦後2番目の早さで衆院を通過した。「民進党は“天下りと引き換えのバラマキがないか、検証しないと同意できない”と粘りましたが、結局、数の力で押し切られる結果に。まさに、“一強”と呼ばれる安倍晋三首相の面目躍如です」(首相番記者)

 順風満帆そのもの、史上最長の在任期間も狙える――と思われた安倍首相だが、ここへきて、その足元を揺るがしかねない“爆弾”の存在が明らかになった。「大阪市の学校法人・森友学園に、国有地が不自然な形で払い下げられていたことが発覚したんです」(全国紙政治部記者)

 森友学園が運営する「瑞穂の國記念小學院」開校のために払い下げを受けた大阪府豊中市の土地8770平方メートルの価格を、国の機関である近畿財務局が非公開にしていたことが、その発端だ。

「公表が原則のものですから、地元の豊中市議が非開示決定の取り消しを求め、国はようやく開示。その価格を見て、国が公表を渋っていた理由が分かりました。“投げ売り”とも言うべき安さだったんです」(在阪テレビ局記者)

 不動産鑑定士の評価額は9億5600万円だが、地中のゴミ撤去費(8億1900万円)を差し引き、約1億3400万円で売却していたのだ。「ゴミ撤去費が8億円以上というのも驚きですが、さらに、国は汚染土除去費用として1億3176万円を支払ったとの指摘もある。それが事実なら、学園側は、約10億円の土地を実質200万円で買ったことになります」(前同)

 なんとも由々しき話だが、これがなぜ安倍首相に関係してくるのか? 「なんと、この疑惑まみれの土地にできる小学校の名誉校長に、首相の妻である昭恵夫人が就いていたこと、そして、小学校開設の寄付金集めが“安倍晋三記念小学校”の名で行われていたことが判明しているんです」(前出の政治部記者)

 一国の首相の名前が冠についている以上、その小学校開設――すなわち、不透明な土地取引のために、首相が便宜を図ったと思われても不思議ではない。「安倍首相は勝手に名前を使われたといって学園側に抗議したようですが、それですむ話ではありませんよ」(野党議員)

 安倍首相は先手を打って「払い下げや認可に、妻も私も事務所も一切関わっていない。もし関わっているなら総理大臣を辞める」と言い切り、疑惑の払拭に必死。昭恵夫人も疑惑浮上後、名誉校長を辞任している。

 だが、さらにイメージがよくないのが、この学園がかなり特殊な“教育方針”を掲げていたこと。「森友学園が運営する塚本幼稚園で、あまりに政治的な発言が指導されていたんです」(前出の在阪局記者)

 年端もいかない園児に、運動会の宣誓で、「尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国・韓国が心を改め、歴史教科書で嘘を教えないようにお願いします。安倍首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです。日本がんばれ」などと声を揃えて唱和させていたのだ。「これは学園の政治的活動に当たり、教育基本法に抵触する行為です」(前出の野党議員)

 しかも、同学園は「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を保護者向けに配布。これがヘイト(憎悪)表現にあたる恐れがあるとして、大阪府が理事長らから事情を聴いた事実も発覚している。「昭恵夫人は、そんな学園のパンフレットに、“(瑞穂の國記念小學院は)優れた道徳教育を基本として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます”というメッセージを出していたんです」(前同)

 これでは、首相と学園がズブズブの関係でないと思わないほうが難しい。政治評論家の角谷浩一氏は、次のように厳しく批判する。「不正払い下げへの関与はハッキリしないとはいえ、そもそも、あのような特殊な教育方針を掲げる学園の名誉校長に就くことに、もっと慎重であるべきです。あれでは夫妻そろって学園の広報活動を行っているとみられても仕方がなく、脇が甘いと言わざるをえません。首相の道義的責任はあると思います」

 現状、なんとも曖昧な状態ではあるが、さらなる調査の内容によっては、十分に首相の泣き所になりうる問題なのだ。「現在、安倍政権は安定しているように見えても、旧民主党(現民進党)政権の3年3か月があまりに酷すぎたため、国民の7割がカジノ法案に反対し、5割が原発や改憲に反対しても、民進党よりはまだましという選択肢から、国民の多くがギリギリの線で踏み止まっているのが実情。もちろん、森友学園の問題だけで即、“安倍退陣”となるわけではありませんが、他の爆弾が数発、同時に炸裂したら、次の総選挙で安倍首相が敗れてしまう事態も十分想定されます」(政治評論家の有馬晴海氏)

 今、第二の爆弾が炸裂しようものなら、そのときこそ、“合わせ技一本”となる可能性があるという。それが、株価の暴落だ。「もはや、アベノミクスという言葉そのものが聞かれなくなりましたが、安倍首相の経済政策の正体は、円安誘導によって株価を上げ、そうやって日本経済を支えている間に、新たな成長産業を育てようとするものでした」(前同)

 ところが、新たな成長産業誕生の気配はなく、安倍首相にとって、もはや株価だけが頼みの綱なのだ。「今のところ、アメリカのトランプ大統領就任前後からのドル高・円安傾向で株価はまずまずですが、トランプ氏の真価が試されるのは、これから。それ以前に、東芝の問題など、日本国内にも安閑とはしていられない企業は多い。株も、いつ何をきっかけに暴落するか分からない不安定な状況なんです」(同)

 そして、その株価暴落がアベノミクスの終わりを告げ、日本経済に大打撃を与えるだけではない。我々の老後の“虎の子”である年金に、トドメを刺すことになりかねないというのだ。

「安倍政権が、株価を上げるために“禁断の果実”に手をつけたからです。年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、第二次安倍政権誕生後、運用資金に占める株式の割合の上限を、それまでの2倍にあたる約50%へ拡大。これで大量に日本株を買って、株価を上げようという算段でした。結果、GPIFは、2015年度の運用実績で5.3兆円の赤字を出すに至っています」(民間シンクタンク関係者)

 つまり、それだけ年金支給の原資となる年金積立金を“スッた”ことになる。「もちろん運用ですから、株価が高騰すれば利益は大きくなりますが、暴落すれば年間5兆円の目減りですまなくなります。安倍政権が株価を重視するあまり、年金を短期的なバクチにつぎ込み、運用のリスクが高まったと言えます」(前同)

 それでなくとも、少子高齢化により、日本は年金積立金を取り崩しているのだ。「年金給付額が増え、年金保険料収入や税金だけで賄えなくなってきています。毎年、およそ数兆円規模で積立金を取り崩さなければなりません。そこへもってきて、運用に失敗して積立金が目減りすれば、年金制度は破綻の危機に陥ります」(社会福祉労務士)

 最悪の場合、2055年には現在の年金積立金が完全に枯渇するという試算結果もあるという。アベノミクスが失敗するだけならともかく、年金制度が崩壊するとしたら、我々庶民にとって一大事。功名心から大事な年金を原資にバクチを打って、すべてスッたとなれば、国民も首相を許しはしない。その政治生命も、一瞬にして絶たれてしまうだろう。

 そして、経済政策がやや手詰まりになってきた首相が近頃、強調するのが、外交における成果。米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領らと盛んに会談し、蜜月を演出しているのも、その一環だ。

 だが、その米露コンビが、一転して支持率を“爆下げ”させるジョーカーになる可能性もあるという。これが、第三、第四の爆弾だ。まずは、日米関係。

「日米首脳会談でトランプ大統領との親密度をアピールした安倍首相ですが、全世界でトランプ批判が日増しに高まる中、国際社会においては逆目となる可能性も出てきます。また、嫌な予感がするのが、トランプ氏に対し、米国のインフラ整備のために4500億ドル(約51兆円)規模の投資を行うという大風呂敷を広げてしまったことです」(元外務官僚)

 51兆円といえば、日本のGDPのほぼ1割に相当する巨額。財政赤字に悩む我が国のどこに、そんな金があるのかと思えば、その原資の一部として、またしても前述したGPIFの積立金を充てる案が検討されているという。

「実質的に、庶民の年金を貢物として差し出したようなものです。そこまでするからには大きな見返りを求めるのが当然ですが、現状、そんな気配はない。このまま“食い逃げ”の可能性もありますね」(経済誌記者)

 同じことは、日露関係にも当てはまる。在任中に北方領土問題にカタをつけたい首相は、昨年12月の日露首脳会談でプーチン大統領と「北方領土の共同経済活動」を行うことで合意。ここでも日本側が多大な投資をすることを約束したが、ロシア側は、返還のことなど一顧だにしなかった。

「あれだけ期待を持たせた結果が“ゼロ回答”。この4月末には、安倍首相がロシアを訪問し、両首脳が改めて会談することになると思いますが、うまくいかない結果に終わる可能性が高いと思いますね」(前出の角谷氏)

 そして、最後の“爆弾”も、これまた安倍政権の根幹を揺るがしかねない。「それは、南スーダンへの自衛隊派遣問題です。悪くすると政権のアキレス腱どころか、背骨をも粉砕しかねない問題になる可能性があるんですよ」(前出の政治部記者)

 安倍政権は、内戦が続く南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊の任務内容に「駆け付け警護」の条項を加えた。駆け付け警護とは、自衛隊が武装勢力に襲われた国連職員や他国軍兵士らを救助する任務のこと。これまでのPKO活動より、それだけ自衛隊員のリスクが高まるわけだ。

 しかも、現地で自衛隊が作成した日報を、当初は「廃棄した」とし、その後、一転「保存されていた」と防衛省が発表するなど二転三転。その日報に「戦闘」という文言が入っていたことで、稲田朋美防衛相が、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、(そうとは言わず)武力衝突という言葉を使っている」という答弁に追い込まれた。

「つまり、稲田防衛相は、事実上、戦闘地域に自衛隊を派遣していると認めたことになります。完全に憲法9条に抵触していますよ」(市民グループのメンバー)

 そんな中、政府は南スーダンに派遣している陸上自衛隊を、5月末で撤収することを3月10日に発表した。

 最強といわれつつも、初めから、その懐に爆弾を抱いていた安倍政権。炸裂へのカウントダウンは、最初から始まっていたのかもしれない。

安倍晋三“最強内閣”を揺るがす「5つの爆弾」

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.