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三山ひろし(演歌歌手)「紅白では、歌よりけん玉のほうが緊張しました(笑)」演歌を地でいく人間力

[週刊大衆2017年03月20日号]

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三山ひろし(演歌歌手)「紅白では、歌よりけん玉のほうが緊張しました(笑)」演歌を地でいく人間力

 去年は、2年連続となる『紅白歌合戦』の舞台に立たせて頂きました。そこで、自分の故郷である高知を歌った『四万十川』を歌わせてもらい、けん玉も披露することができた。願ったり叶ったりの最高の1年でした。

 正直言うと、歌よりもけん玉のほうが緊張したんですよね(笑)。1年の締めくくりとなる場で、失敗したら縁起悪いし、16年、全部失敗だったみたいになっちゃいますからね。これは、絶対に落とせないと思って、猛練習しました。

 けん玉って、年齢も性別も関係なく誰もが楽しむことができるんですよね。演歌ファンの方は年齢層が高めなので、そういう方とどうやってコミュニケーションを取ればいいのかを考えたとき、けん玉が思い浮かんだんですよ。それからもうハマちゃって、けん玉を常に持ち歩いて、練習していますね。

 紅白の舞台で、けん玉の魅力を少しでも知ってもらえたのかなと思うと、嬉しかったですね。あと、演歌歌手になることを後押ししてくれた祖母が喜んでくれたのが、何よりでした。僕が演歌歌手になったのは、祖母の影響なんですよ。

 祖母は演歌が大好きで、小さい頃から、たくさん聞かせてくれていたんです。そんな環境で育ったから、小さい頃から、歌手になりたいなと思っていたんですが、うちは母子家庭で貧乏だったんですよね。だから、高校卒業後は、少しでも家計の足しになればと思って、ガソリンスタンドに就職したんです。

 でも、歌手になりたいという思いがずっと、くすぶっていて、そんな煮え切らない状況だったときに、祖母が背中を押してくれたんです。24歳のときに上京したんですが、周囲は“バカじゃないの?”っていう目でしたけどね(笑)。確率的には成功しないほうが大きいし、うちは貧乏でしたから余計ですよ。だから、故郷を捨てるつもりでした。弟がいるんですが、“お兄ちゃんはいなかったことにしてくれ”って言って。何をそんな前時代的な話をしているんだって笑われるんですが、本当にそれくらいの覚悟でしたね。

 でも、故郷を捨てて、一人でやっていくんだと決意して東京に来ても、絶対に誰かのお世話になるんですよ。最初に住んだのが、西葛西だったんですが、その家を紹介してくれたのが、カラオケサークルの代表の方。

 その方は、“飯なかったら、うち来いよ”なんて声もかけてくれて、僕もお金がなかったもんですから、お邪魔させてもらっていました。お母さんと2人暮らしをされていたんですが、“お前がくると母親も喜ぶから、来い来い”なんて言われて、僕も馬鹿正直に毎日、通っていました。

 そのサークルの生徒さんも、カーテンがないって言ったら、カーテンを持ってきてくれたり、“うちの倅が使っていた服があるから”と服をくれた。親もいない、故郷もない、そんな不安な中で助けてくれた。

 人の温もりと、自分の情けなさが入り混じって、涙がとめどなく流れてきて、止まりませんでした。そんなときに、小さい頃から聞いていた演歌の一節が、ふと思い浮かぶんです。千昌夫さんの『夕焼け雲』とか。帰りたくても帰れない故郷への思いを歌ったものなんですが、本当にその通りだなと。そうすると、演歌がまた好きになるんですよ。演歌って本当に自分の人生なんですよ。やっぱり離れられない。

 たとえば、一人で酒を飲んで、憂さを晴らしてまた明日からがんばろうなんて思っていると、そういう情景を歌った演歌が絶対にあるんです。演歌が、その時々の場面に応じた僕の心情を代弁してくれるんですよ。

 今回の『男の流儀』もそう。世の中には、自分の思い通りにいかないことがたくさんあると思うんですよ。それをボヤいていてはダメで、その不満をグイっと飲みこんで、前に進む。その男の美学を歌っている。

 ままならないことがあったとき、この曲で、少しでも気が晴れたら、こんなに嬉しいことはありません。

撮影/弦巻 勝

三山ひろし みやま・ひろし
1980年9月17日、高知県生まれ。高校卒業後にガソリンスタンドに就職。祖母の勧めで本格的に演歌のレッスンを始め、NHK『のど自慢』で地区優勝し、全国大会に出場。05年に、演歌歌手を目指し上京。松前ひろ子がプロデュースする『LIVEレストラン青山』で下積みし、09年に『人恋酒場』でデビュー。ビタミンボイスと評される声で多くのファンを魅了。けん玉を披露しながら歌う独自のスタイルが話題を呼び、15年、16年と2年連続で『紅白歌合戦』出場を果たす。最新作『男の流儀』が、発売中!

三山ひろし(演歌歌手)「紅白では、歌よりけん玉のほうが緊張しました(笑)」演歌を地でいく人間力

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