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漢 a.k.a GAMI「俺が身につけた、唯一の生きていく手段がヒップホップ」リアルにこだわる人間力

[週刊大衆2017年03月27日号]

漢 a.k.a GAMI「俺が身につけた、唯一の生きていく手段がヒップホップ」リアルにこだわる人間力

 俺は、高校生のときにラップを始めたんですが、音楽性に優れているメンバーがいるわけではなく、音楽に触れたことのないやつらばかりが集まっていたんですよ。だから、リアルという武器を身につけることが手っ取り早かったんです。

 ラッパーには、自分が吐いた言葉に責任を持つやつと、1年後にまったく逆のことを言っているやつとか、いろいろいるんです。僕らがフリースタイルのバトルを、有名なラッパーにふっかけていったときは、リアルルールを徹底してきた。マイクを置いたら、違う口調になっているなんて許さねえぞって。だから、本当の喧嘩に近かった。

 街中を歩いていたら、急にフリースタイルのバトルを仕掛けられるなんてことはしょっちゅう。本当にめんどくせえなってくらい、仕掛けてくるんで、“YO!”とか言い出してきた瞬間に、逆にこっちから喋りかけたり、“こいつラップしそうだな”って雰囲気だったら、睨みつけて、バトルをふっかけてこられないようにしていました。それでも、バトルになることもあって、歌舞伎町でインタビューを受けていたら、ラッパーが絡んできて、そのままフリースタイルが始まったこととかもありましたね。

 ただ、ラップにハマっていくと、昔は手を挙げていた人間も拳を抑えていくんですよ。殴ったほうが手っ取り早いなと思っていたのが、“今はラッパーだし”と思いとどまるようになる。そもそもヒップホップの始まりは、ギャング同士の喧嘩だったんですよ。銃を持たずに、ラップやブレイクダンスで勝負しろっていうのが、起源だった。

 だけど、いまだにアメリカでは、喧嘩でラッパーが死んでいるから、“何やってんの?”って思いますよ。俺らは、アメリカから教えてもらったヒップホップというシステムで、殴り合いっこもしたし、確かめ合いっこもしたけど、ピースに生きていける手段を教えてもらったのに。

 ただ、日本だと、最近は『フリースタイルダンジョン』っていう番組ができるくらいフリースタイルが流行ってきて、スポーツ感覚になってきたんですよ。マイクを持っているときは、やってもいないことをいろいろとデッチ上げて、ディスってきていたのに、終わった瞬間に“お疲れ様でした!”なんて爽やかに挨拶してくる。それはそれで、ちょっと違和感はありますけどね。

 まあ、テレビ番組で取り上げてもらうことで、ラップというものを多くの人に知ってもらうことができたのは、いいことだなと思います。ラッパーって立場が弱いんですよ。基本的に、一般社会からハミ出したやつらだけど、いざ大人の不良社会に入ったら、都合良く使われているやつらが多い。だから、ラッパーの組合を作ったらいいんじゃないかと思っています。

 ラップというものの可能性を広げていきたいんです。だから、マーシーや、加藤紗里、成宮くんの薬物疑惑を告発した友人A氏など炎上した人を呼んで、“言いたいことがあるなら、それをラップにしてみなよ。ラップならいろんな伝わり方するからさ”って、彼らのお手伝いをして、俺らもちょっとは一般の人にも知ってもらおうと思って。

 最終的には、ヒップホップやっているやつらで政治結社を作りたいんですよ。俺らは、ヒップホップをやりながらこの国で育った。ラップをやっているやつのなかには、日本語しか話せない白人も黒人もいるけど、みんな“この国のシステム最高”って言うんですよ。ラッパーとして、この国への意見を言っていきたい。ラップの世界って、ほんといろんやつがいるんですよ。だから、ラッパーの区議会議員、国会議員がいてもいいと思うんです。

 俺が、身に付けた唯一の生きていく手段はヒップホップ。その力でいろんなことができるんだってことを証明していきたいですね。

撮影/弦巻 勝

漢a.k.aGAMI かんエー.ケー.エーガミ
1978年、新潟県長岡市生まれ新宿育ち。00年にラップ・グループ『MS CRU』を結成。02年に『帝都崩壊』でデビュー。05年には、ソロアルバム『導~みちしるべ~』をリリースし、フリースタイルバトル大会『UMB』を立ち上げる。12年には、自身のレーベル『鎖GROUP』を立ち上げる。14年、西早稲田駅近くにスタジオとカフェを併設した『鎖オフィス』をオープンさせ、翌年、自身の半生を綴った『ヒップホップ・ドリーム』(河出書房新社)を出版。現在も、ラッパーとして精力的に活躍中。

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