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安倍晋三首相と昭恵夫人から始まった「永田町大戦争」春の陣

[週刊大衆2017年04月17日号]

安倍晋三首相と昭恵夫人から始まった「永田町大戦争」春の陣

 “政局化”の寸前で踏みとどまっている森友学園騒動。ただ、政界のセンセイ方は風雲急なほど燃え上がるようで……。

「彼は安倍総理の名を使い、小学校開設の寄付を集めようとしていただけ。本当にいい迷惑です。マスコミは“森友学園疑惑”とか、“籠池爆弾”なんて報じていますけど、そんなものはハナからないんですよ。もう、この話題は幕引き、幕引き!」

 ある自民党関係者はこう吐き捨てるが、政府与党の思惑とは裏腹に、森友学園問題は永田町の至るところへ飛び火。現在も、各所で火種が燻ぶっている。今回の騒動で野党が最も問題視したのは、“籠池のオッチャン”こと籠池泰典理事長が、「安倍昭恵夫人を通じて、首相から100万円の寄付を受け取った」という疑惑だ。3月23日に衆参の予算委員会で籠池氏の証人喚問が行われたが、問題の核心部分は判明しなかった。これを受けて野党側は、「もう一方の当事者である昭恵夫人を喚問すべき」と主張しているが、自民党サイドは「籠池氏には偽証の疑いが濃厚」とし、昭恵夫人の証人喚問には応じない構えである。

 自民党側は、籠池氏に対する刑事告発の動きも見せるとともに、氏の証人喚問を“潮目”として、民進党への逆襲を開始した。「辻元清美議員(民進党・衆院)が、森友学園が経営する塚本幼稚園に不法侵入を試みていた疑いが浮上したためです」(政治部記者)

 民進党本部は「根も葉もない話」と否定したものの、“天敵”である辻元氏の疑惑とあってか、安倍首相は、「(自分も根も葉もない話を証明しろと言われている)辻元議員も、同じように証明しなければならない」と、いきり立った。

 さらに、“永田町の暴言王”こと麻生太郎財務相は、質問に立った共産党議員に、「いつも人をこうやって指さしてワンワンしゃべってる。偉そうに。失礼だろ!」と本領発揮。まさに、森友学園騒動は百鬼夜行の様相を呈してきた。百鬼跳梁すれば、必ず何か起きる――が世の常だ。ということで、現在、永田町で吹き荒れている“春の嵐”の主要キャストの近況を紹介していこう。

 まずは、騒動の発端となり、アベノミクスをもじって“アキノリスク”と皮肉られている、アッキーこと昭恵夫人だ。渦中の夫人は先頃、福岡県内で講演を行い、「ご迷惑をおかけしました」と涙を見せる場面もあったようだが、「フェイスブックを見ると、疑惑が浮上した以降も何人もの人と会い、とても行動を自粛しているとは思えない状況」(前出の自民党関係者)とか。

 さぞや、安倍首相もお冠と思いきや、昭恵夫人には“大甘裁定”なんだとか。「たまりかねた総理の母、洋子さんが“首相夫人という立場をわきまえなさい!”と、厳しく言い渡したそうです」(前同)

 東京都渋谷区にある首相の自宅は、洋子さんが3階、安倍夫婦が2階で暮らす2世帯住宅だという。「連日、“午前様”というのが、昭恵夫人のスタイルでした。かつては、行きつけの会員制バーで、ロックミュージシャンの布袋寅泰の肩にしなだれかかるシーンも目撃されています。激務をこなす亭主の帰宅は遅い。いくら2世帯住宅といっても、子どものいない昭恵夫人にとって、口うるさい姑と顔を合わせたくないという事情があったようです。安倍総理もそれを知っているため、黙認しているんですよ」(同)

 自由奔放な昭恵夫人の行動の裏には、“嫁姑問題”があるというのだ。ある意味、安倍首相にとっては、今回の騒動以上に、嫁姑問題が頭痛の種のようだ。「昭恵夫人は酒好きが高じて、2012年に神田に『UZU』という居酒屋をオープンさせていますが、安倍総理は知らんぷり。昨年6月に、結婚記念日のお祝いで初めて来店しました。ところが、その2日後、超高級フレンチ店『ジョエル・ロブション』で、洋子さんの米寿のお祝いをしています。妻と母、両方のバランスを取る……涙ぐましい気遣いです」(官邸筋)

 安倍首相が、ここまでアッキーを気遣うのには別の理由もある。安倍首相は「もう一度、総理にチャレンジする」と昭恵夫人に告げた際に猛反対され、「あなたがそのつもりなら、仕方がないけど、私にも好きなようにやらせてね」と釘を刺されていたというのだ。「ただし、夫婦仲は良好です。選挙の際は、選挙区に戻れない安倍総理に代わって地元を仕切ってくれているのが彼女なんです。こうした協力もあってか、安倍首相は頭が上がらないんですよ」(前出の党関係者)

 とはいえ、こうした安倍首相の放任主義が、今回の“アキノリスク”を招いたとも言えなくない。「『UZU』で反原発関係者と会ったり、沖縄の辺野古へ行ったりと、お転婆が過ぎます。官邸は気が気ではないため、外務省や経産省から役人を出向させて、昭恵夫人を“監視”させていますからね」(前同)

 経産省から“夫人付”として内閣官房へ出向した谷査恵子氏も、その一人。ところが、その“監視役”が、籠池理事長からの依頼で国有地払下げに関し財務省に問い合わせたとして、国会で追及されているのだから、“ミイラ取りがミイラになった”ようなもの。いずれにせよ、「安倍総理の最大のアキレス腱はアッキー」(同)という状況は、今後も続きそうだ。

 安倍政権にとってのリスクは、昭恵夫人だけではない。森友学園の弁護士として民事訴訟の法廷に出廷していたことが発覚し、「私の記憶に基づいて……」という意味不明な答弁で炎上した稲田朋美防衛相だ。南スーダンに派遣されていた自衛隊の「日報」が「破棄された」と答弁した後、実は保存されていたことが発覚。指導力が疑問視されている矢先のことだった。

 幹部自衛官が証言する。「女性で童顔、女性らしいファッション……自衛官は、そんな大臣をどこか侮っているフシがあります。同じ女性大臣でも、小池(百合子)さんが大臣だったときとは大違いですね」

 小池都知事は防衛大臣当時、守屋武昌事務次官と対立し、渋る官邸に首を切らせている。「制服組(自衛官)は、その剛腕にシビれて小池さんに心酔しました(笑)。背広組(官僚)も半数は小池大臣支持に回ったんですから、凄いですよ」(前同)

 首相の寵愛を一身に浴び、“日本初の女性首相候補”といわれたのも今は昔。与党内からも「退任論」が出始めるなど、稲田防衛相の評価は大きく揺らいでいるという。それでも、弁護士から政界へ引っ張り出した責任を感じているのか、安倍首相だけは彼女を庇い続けているのだ。政治評論家の有馬晴海氏が言う。

「安倍総理の代わりに靖国神社に参拝してくれているだけに、そう簡単に首を切れないんでしょう。そもそも、安倍総理も昭恵夫人の問題があり、稲田さんだけが悪いとは言えない事情があります。ただ、彼女は防衛政策は素人同然。答弁能力にも問題がありますね」

 昭恵夫人に稲田防衛相、“女難”に見舞われているようにみえる安倍首相だが、政権を攻撃する好機を得たはずの野党にも、不安が残るという。「民進党には、06年(当時は民主党)の“偽メール事件”のトラウマが尾を引いています」(前出の記者)

 同事件は、民主党議員が自民党を追及するべく国会に持ち出したメールが捏造されていたというもの。

 今回の籠池氏の証人喚問では、民進党の福山哲郎参院議員が「籠池さんが事実と言っているだけで、私が言っているわけではない。誤解しないでくださいね」などと念押し。偽メール事件と同じ轍を踏むまいとする態度も見受けられた。

「蓮舫代表は旧維新グループの分裂や、前原(誠司)グループの蓮舫降ろしの動きがあり、そちらのほうが気がかり。自民党の支持率が下がったのに、民進党の支持率が上がらないのも頭痛の種です」(前同)

 同じく共産党も、機関紙の『赤旗』に籠池発言を掲載して、後日、記事を訂正する失態をやらかし、いまいち気勢が上がらない。「安倍総理も、野党の追及はかわしきれると思っています。それよりも、“籠池国会”の混乱に乗じて蠢き出した党内の“妖怪たち”を警戒しています」(同)

 最も活動を活発にしているのが、“ポスト安倍の第一人者”を自認する石破茂前地方創生相だ。討論番組『時事放談』(TBS系、3月26日放送)に出演し、「総理総裁の奥様が嘘をいっているはずはないと思いますが”総理夫人がきちんと真実を述べる場を作らないといけない」と、野党が要求する昭恵夫人の招致に同調してみせたのだ。当然、安倍首相は激怒したという。

「野党に同調するのは一番のご法度。石破さんは本当に“KY”な発言をしますね」(前出の自民党関係者) 実は、その石破氏が最近、“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏に急接近しているという情報がある。

「青木さんは平成研(額賀派)の出身ですが、ここが今、ボロボロ。次の領袖候補は小渕優子さんですが、彼女は14年の政治資金規正法違反問題が響いて動けず。トップ取りに色気を見せる茂木敏充政調会長には、まるで人望がありません。この窮地を嗅ぎつけたのか、かつて同派に所属していた石破さんが、いまだに影響力を残す青木さんに、自派閥との合併を持ちかけているんです。かつての大派閥(経世会=竹下派)を乗っ取って、その力をバックに次期総裁選で安倍打倒というわけです」(前同)

 “反安倍”の旗幟を鮮明にしつつある石破氏。ただ、その企みが成功するには、森下学園騒動がさらに拡大したほうが都合がよい。

 騒動は一段落したように見えるが、本誌既報通り、安倍政権の閣僚S氏が籠池理事長に数百万円の寄付をしたという噂もある。もちろん、籠池理事長がまだ“隠し玉”を持っている可能性も否定できない。しかし、切り札を持つのは、“最強の省庁”財務省だという。

「決定的な情報が出てくるなら、財務省からだと思います。これまでは“資料を破棄した”として野党の追及を突っぱねてきましたが、国有地払い下げについて、未公開の資料があるという噂があるんです」(事情通)

 その財務省を束ねるのは、暴れん坊の麻生氏だ。「麻生さんは安倍総理の盟友ですが、対立軸もあります。安倍政権が“経産省寄り”なのが、それです。消費増税を延期された一件を、財務省はまだ根に持っています。麻生さんも、増税では財務省の肩を持ちました。歴代政権を裏から操ってきたとされる財務省だけに、“言うことを聞かない安倍総理を切りたい”というのが本音でしょう」(前同)

 万が一、安倍首相がこけた場合、“次”はどうなるのだろうか? 「石破さんは論外。指名なら岸田文雄外相ですが、ワンポイントなら、麻生さんの再登板が最有力です。彼が“再び総理に……”と考えているなら、財務省の陰謀シナリオは現実味を帯びてきますね」(同)

 籠池夫妻から現金入りの封筒を渡され、突き返したと証言した鴻池祥肇氏は、麻生派の副会長を務めた、かつての“懐刀”。「鴻池氏の緊急会見以降、森友学園問題で、政治家の関与が取り沙汰されるようになった。党内の一部には、鴻池氏は麻生氏の“鉄砲玉”だったのではないかという見方も存在します」(同)

 当分、百鬼夜行が続きそうな永田町。鬼が出るか、蛇が出るか――!?

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