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日本ハム・大谷翔平「全治4週間」の背景【二宮清純の「スポーツ一刀両断」】

[週刊大衆2017年05月01日号]

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 残念ながらこれは起こるべくして起きたアクシデントだったと言えるかもしれない。右足首痛を抱えながらDHで開幕以来、試合に出続けていた大谷翔平が8日のオリックス戦で左足を痛め、途中交代した。

 初回、三遊間へのゴロを打ち、全力で一塁を駆け抜けた。その際、歩幅の調整に失敗し、痛めている右足でベースを踏んだ。右足をかばおうとして逆の足を痛めたと見られる。MRI検査の結果は「左大腿二頭筋肉離れ」。症状は「中程度」とのこと。

 多くのアスリートを診てきた専門医の話。「中程度ということは大腿二頭筋に出血が認められた可能性が高い。ヒザを曲げる際の筋力の低下、股関節の伸展への影響が懸念されます」

 栗山英樹監督からは、再発防止のために「全力疾走禁止」「左足でベースを踏むこと」との指示が出ていた。その禁を破ったがゆえのアクシデントだが、大谷を責めることはできない。セーフかアウトか。ぎりぎりのタイミングなら、誰だって全力疾走するだろう。それはアスリートの本能だ。ベースの踏み方もそうだ。頭ではわかっていても、全力疾走の最中に歩数や歩幅まで計算するのは至難の業である。

 余談だが歩幅や歩数のプロといえば、ハードラーにとどめを刺す。400メートル障害で五輪に2度出場経験のある山崎一彦ですら13歩という5台目までの歩数を6台目まで伸ばす時には「苦労した」と語っていた。ハードラーですらこうなのだ。野球選手に歩幅や歩数の調整を求めるのは酷である。

 大谷の起用法については、日曜朝の「サンデーモーニング」で中畑清が「なぜWBCを欠場した後、完治させるために治療に専念させなかったのか。不安を抱えながらプレーすることにどれだけデメリットがあるかなぜ考えなかったのか」と指揮官を批判していた。

 再発を防ぐには、どうすべきか。先の専門医のアドバイス。「練習前のストレッチはもちろん、練習後もやること。“転ばぬ先の杖”を意識することです」

二宮 清純 (にのみや せいじゅん)
スポーツジャーナリスト。(株)スポーツコミュニケーションズ代表取締役。1960年、愛媛県生まれ。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」「プロ野球“衝撃の昭和史”」「最強の広島カープ論」「広島カープ 最強のベストナイン」など著書多数。スポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」:http://www.ninomiyasports.com/

日本ハム・大谷翔平「全治4週間」の背景【二宮清純の「スポーツ一刀両断」】

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