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【武豊】東日本大震災から6年…福島競馬場で乗り続ける意味

[週刊大衆2017年05月01日号]

 未曾有の被害をもたらした東日本大震災から6年が経ちました。すべてを根こそぎ飲み込んでいった津波の映像は、今も衝撃とともに頭の中にこびりついています。福島競馬場は、壁や天井が崩れ落ち、割れたガラスの破片がパドックのあちこちに飛び散り、再開まで約1年もの長い時がかかりました。

――騎手である自分に何ができるのか? あらゆるスポーツ、イベントに先駆け、JRAが競馬再開を決めたときには、正直、迷いもありました。

――こんなときに、競馬をやっていいのか!? 僕だけではなく、すべてのジョッキー、関係者が、そう思ったはずです。そんな迷いを吹っ切ってくれたのが、競馬ファンの温かさでした。レース終了後に行われた募金活動に、どこまでも伸びる長い列を作った人、人、人……。あのときの光景を僕らは忘れません。あれから6年。

――今の自分に何ができるのか!? 同じ問いかけを自分にしたとき、答えは一つしかありません。待ってくれているファンのために、福島競馬場で騎乗すること。そこで、いい競馬をすること。最高のレースをお見せすることです。今週末の4月22日、土曜日に行われるG3「福島牝馬ステークス」(芝1800メートル)が、その舞台です。

 パートナーのクインズミラーグロは、前走、3月12日のG3「中山牝馬S」、前々走、1月14日に行われたG3「愛知杯」ともに3着。コンビを組むのは、一昨年3月の3歳未勝利(1着)以来となりますが、サクラが見頃の福島で、そのサクラに負けない美しい花を咲かせたいと思います。

 東北の競馬ファンの皆さん、今週末、福島競馬場でお会いしましょう!

 そして翌23日は京都に戻って、今年、軸になる馬の一頭として期待しているエアスピネルとともに、G2「マイラーズC」(芝1600メートル)に挑みます。デビューから10戦して毎回、掲示板を確保しているように、いつ、どんな距離で、どんな相手と戦っても堅実に走ってくれるのは、ひとつの武器。でも僕が、陣営が、彼自身が望んでいるのは、もっと大きな勲章です。

――今度こそ! 春の最大目標、6月4日のG1「安田記念」でビッグタイトルを手にするためにも、このレースでは、掲示板の一番上を確保したいところです。

 密かに一発狙っていたリスグラシューとのG1「桜花賞」は、半馬身差の2着。――スタート次第では前目に付けたい。狙い通り、圧倒的1番人気のソウルスターリング、勝ったレーヌミノルを見ながらの競馬でしたが、直線を向いたときの反応が鈍く、2頭に置かれてしまったのが敗因です。

――銀メダルは立派? 頑張った馬は褒めてあげたいけど、やっぱり競馬は勝つことがすべて。スポットライトを浴びるのは勝者のみです。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外GI制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】東日本大震災から6年…福島競馬場で乗り続ける意味

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