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病の前兆は鏡の中に!「顔で分かる病気」診断法

[週刊大衆2017年05月22日号]

病の前兆は鏡の中に!「顔で分かる病気」診断法

 体の調子がなんだか悪いのに、春の健診を受けそびれてしまった……。そんな人は、まず自分の顔を確認!

「40歳を越えたら顔に責任を持て、とよく言いますが、本当は20歳を越えたら、かもしれません。というのは、20代に入ると、持って生まれた体質や、体に蓄積された内臓の不調などが、クッキリと顔に出てくるようになるからです。要するに、顔は“体の健康状態を映し出す鏡”なのです」

 こう語るのは、薬剤師の猪越恭也氏。『顔をみれば病気がわかる』(草思社)などの著書がある猪越氏は、中国長春中医大学客員教授で、日本中医学研究会の会員なども務めている。その猪越氏が教えている「中医学」とは、日本ではあまりなじみがないという人も多いかもしれないが、これは「中国の伝統医学」という意味。

 大ざっぱに言うと、日本で知られる「漢方」は、この中医学を日本流にアレンジしたもので、両者にはかなりの違いがあるという。「漢方は『方証相対(ほうしょうそうたい)』といって、“経験則から、この症状にはこういう処方”とするだけで、なぜその処方が効くのかは、あまり論じません。これに対し中医学は『弁証論治』といい、病症の原因・理由を考え、治療の方法を求めて、処方を選びます」(猪越氏=以下、「」内同)

 中医学では、顔などの外貌から体の状態を知る診断法を“望診”というが、「健康を保つうえで重要なのが、“五臓”が健全に働いているということ。この五臓のどこが弱まっているのか、顔の各部位別に症状が出るので、望診で分かることがあります」

 ちなみに、五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」。猪越氏によれば、これらは西洋医学が示す臓器よりも示す範囲が広く、たとえば「心」は脳、「肺」は鼻、ノド、気管支、さらに皮膚をも含む。「腎」に至っては、生殖器、ホルモン、骨、免疫系までカバーし、より広い概念を持つという。以上を前提にして、顔のパーツに現れた五臓それぞれの“病の前兆”を見てみよう。

 まずは、顔の中で最もよく働き、エネルギーを消費する「目」から。

●まぶたがむくむ 「疲れやすい、口が渇く、尿の出が悪い、または尿が近い、性機能の低下などの症状があるようなら、五臓のうちの“腎”が衰えていることが考えられます」 腎臓が疲れると、余分な水分をうまく外に出せなくなり、体が水をため込んでしまう。それがむくみの症状として出やすいのが、毛細血管がびっしり張り巡らされている目の周り、というわけだ。

●まぶたに黄白色の小さな盛り上がりができる 「これは脂肪の塊で、皮膚の柔らかい部位に出てきます」 コレステロールなどの過剰摂取が原因なので、まずは食生活を見直すべき、というサインなのだ。

●目が疲れやすい 「目がショボショボしたり、視力の急な低下は、肝臓が弱っている証拠とも。西洋医学でも、肝臓の病気になると、目に症状が出ることが知られています」

 お次は「口」。口は消化器の入り口。体の内側はそう簡単には覗けないが、口を見れば、胃腸の状態がかなり正確に分かるという。

●口の周りに吹き出物が 「ここに吹き出物、または湿疹ができやすい人は、多くの場合、胃腸が虚弱です。アゴのあたりも同様。胃腸の粘膜で炎症が起き、その熱がそのまま口まで上がってきたと考えれば、分かりやすいでしょう」 余談だが、口の大きさは胃腸の強さにある程度、比例する傾向があるそうだ。

●唇がガサガサに 「風邪などで高熱が出たときや、内臓の病気などによって体温が上昇したときにも、唇が乾燥します。糖尿病などのこともあります」 唇は、体の外に露出した粘膜で、汗腺がないため、少しの体温上昇でも影響が出やすいという。

 顔の真ん中に位置する「鼻」にも目を向けよう。鼻は肺と連携した呼吸の出入り口。この鼻のフィルター機能が弱いと、細菌やゴミが肺や喉に入り込み、トラブルを起こすのはご存じの通り。

●小鼻が小刻みに動く 「小鼻がさかんに動くのは、呼吸しにくくなっている現れ。肺炎、気管支炎、ぜんそく、風邪などが原因と考えられます」

●鼻が赤い 「鼻は寒いときに赤くなります。吸い込んだ冷たい空気を早く温めるために、鼻の頭に血液が集まって、血管が拡がるためです。しかし、これはあくまでも一時的な現象。常に赤い場合は、お酒の飲み過ぎが考えられます」 長年にわたるアルコールの多飲や慢性アルコール中毒などが原因で、鼻の表面の毛細血管が慢性的に拡張してしまうためという。

 次は精力のバロメータにもなるという「髪」。

●髪が細くなってきた 「中高年になると髪が細く痩せてくるのは、年齢を重ねるとともに、五臓の“腎”の力が弱まり、ホルモンの分泌量が減るからです」 一方、まだ若いのに髪が痩せるのは、バランスの悪い食事、夜更かし、ストレス、喫煙など生活習慣の乱れが原因として考えられるようだ。

●フケが多い フケには「カサカサ」「ベタベタ」の2タイプがあるという。前者は白く細かいフケで、全身の栄養状態が悪く、貧血や水分の不足で、皮膚全体が乾燥しているために起こる。一方、「後者の原因は、中年太りや糖尿病と関係することもあります。体内で脂肪を燃やす力が低下し、体の中に老廃物が溜まっている状態でしょう。長く放置しておくと、抜け毛の原因にもなります」 この“ベタベタタイプ”を改善するには、脂肪のとり過ぎに注意し、脂質の代謝を上げるビタミンB群をとるように心がけるのが有効だ。

●額のテカリ 年をとると、徐々に面積が広くなるのが「額」だが、「若い頃と同じようにカロリー過多の食事を続けていると、泌尿器やホルモン系を司る“腎”が年齢とともに衰え、体に脂質が溜まる。それが皮膚から排出されている結果なのです」 中高年オヤジは「脂ぎっている」と揶揄されるが、文字通り皮膚から脂が吹き出しているというのだ。これには飲食のカロリー制限で対応されたし。

 顔のパーツの中でも、あまり目立たない「眉間」や「こめかみ」にもサインは出ている。

●眉間の青筋 「ストレスや肝臓の不調が疑われます。こめかみに青筋が目立つ人も同様です」 肝臓の血液浄化機能が十分に働かなくなると、血液は汚れが濾(こ)せず、黒ずみを増し、粘度が上がるうえに流れが悪くなる。その黒ずんだ血液は、皮膚を通すと青く見えるという。

●こめかみのシミ 「こめかみ、中でも頬骨の上にポツポツとできる茶色いシミは、30代以降に出やすいです。多くは、肝臓病とまではいきませんが、肝臓の働きが落ちて、血液の浄化がうまくいかないときに現れます」 シミは「肝斑(かんぱん)」とも書き、その名の通り、肝臓とつながりがあることが古くから知られていたという。

 肌の話が出たところで、「顔色」にも注目だ。

●顔色が白い、赤い 「顔色が白っぽくツヤがない場合は、肺など呼吸器系が弱いことがあります。中医学では“肺”はいわゆる肺臓だけでなく、鼻、ノド、気管、気管支、皮膚までを含みます。この皮膚が弱いため、メラニン色素を作る能力が低いと考えられています。一方、いつも顔が赤らんでいる場合は、心臓の不調が疑われます。心臓がよく働いていないと血液の流れが悪くなり、熱が体の上部に偏るためでしょう。心臓の症状がさらに悪化すると、今度は顔色が黒ずんだり、逆に蒼白になったりします」 なお、顔色が黄色の場合は肝臓、膵臓および胃腸が、黒い場合は“腎”やホルモン系、赤味が異常に強い場合は、心臓系の不調が考えられる。

 以上、駆け足で説明してきたが、猪越氏はこう結んでくれた。「中医学では“未病”という概念があります。これは、“西洋医学でいう病気というほどではないものの、健康体と病気の中間、病気に向かいつつある状態”を指します。“なんとなく不調”というのは、基本的にその状態です。人の顔をジロジロ見るのは失礼な行為ですが、自分の顔なら問題ありません。興味が湧いたなら、顔のチェックを始めてください。現在のあなたの健康状態を知るのに大いに役立つと思いますよ」

 忙しくて病院にも行けず、健康検診を受けている時間もないというお父サンは、朝のヒゲ剃りの際、鏡を見るついでに、この自己診断をしてはどうだろう。「何かおかしい」と思ったら、乱れた日常生活を見直す契機にすればいいし、「かなりおかしい」と思ったなら、迷わず病院へ行くべし。自分以上に、自分の体の不調が分かる人は、いないのだから。

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