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メジャーリーグの時短策は「机上の空論」か【二宮清純の「スポーツ一刀両断」】

[週刊大衆2017年06月05日号]

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 メジャーリーグ・ベースボールの売上高は約95億ドル(約1兆260億円=2016年)と言われている。これを「100億ドル(約1兆1300億円)に乗せたい」とロブ・マンフレッドコミッショナーは広言している。

 100億ドルとは目のくらむような数字だが、上には上がいる。NFLはいち早く100億ドルの大台に乗せ、2016年の売上高は133億ドル(約1兆4360億円)に達したと見られている。

 マンフレッドに近いMLB関係者によれば、同コミッショナーの給料は月額で100万ドル(約1億1300万円)。MLBの売上高が100億ドルを超えれば、就任時の契約により「かなりの額のボーナスが約束されている」(前出の関係者)というのだ。売上高を伸ばし、NFLに迫るには、何をすべきか。マンフレッドが乗り出したのが試合時間の短縮である。昨季は約3時間。確かに、これは長い。

「MLBには調査部門があり、非公式にファンに“今後、何を望むか?”というアンケートをとった。一番多かったのが試合時間の短縮。プロバスケットボールのNBAは2時間14分です。そこでマンフレッドは“少しでも時間短縮に努力するように”との通達を出した。しかし現場の選手たちには“試合時間にまで口出ししないでくれ”と概ね不評でした」(同前)

 理解に苦しむのは、時短とともにストライクゾーンのルール変更を選手会側に提案したことだ。これまでの下限(ヒザ頭の下のくぼみまで)をヒザ頭の上まで2インチ(約5センチ)引き上げるとしている。

 従来よりもストライクゾーンが狭くなれば打者有利となり、逆に試合が長引くのではないか? 「ところがマンフレッドは打者が初球から打つようになり、スピーディーに試合が進むと踏んでいるようなのです」(同前)

 コミッショナー肝煎りの時短策、机上の空論に終わらなければいいが……。

二宮 清純 (にのみや せいじゅん)
スポーツジャーナリスト。(株)スポーツコミュニケーションズ代表取締役。1960年、愛媛県生まれ。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」「プロ野球“衝撃の昭和史”」「最強の広島カープ論」「広島カープ 最強のベストナイン」など著書多数。スポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」:http://www.ninomiyasports.com/

メジャーリーグの時短策は「机上の空論」か【二宮清純の「スポーツ一刀両断」】

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