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農業、喫茶店、YouTuber…40代男が「憧れる職業」の厳しい現実

[ヴィーナス2017年06月01日号]

農業、喫茶店、YouTuber…40代男が「憧れる職業」の厳しい現実

 社会人になって約20年。40代にもなってくれば、肉体的にも精神的にも“疲れ”も溜まってくる頃。そんなときに心をよぎるのは、いっそ仕事を辞めて“自分の好きなことをして、生活していきたい……”なんて思いだ。しかし、ちょっと待ってほしい。憧れの職業に就けたからって、楽しい日々が待っているとは限らない。そこには厳しい現実があるのだ。今回は、40代男性が憧れる8つの職業の“リアル”をレポート!

■農家「初期投資は多額! 人間関係も……」
就労1~3年の推定年収/200~300万円

 ギスギスした人間関係に疲れ、田舎で土をいじりながら暮らしたい……。そう考える人は、まず自治体などが行っている新規就農者のための農業研修に参加するのがいいだろう。地方では格安、もしくは無料で土地を提供している場合もある。

 しかし、土地があってもその後、独立するときには、農地の整備や農業機械(農機)の入手など、環境や設備を整えるために時間とお金が必要となる。農業に使う機械は数百万から1000万を超えるものもざら。さらには農家は、種まきや収穫などの際には、近隣の農家がお互いに手伝うことが多く、濃密な人間関係が築かれている。その中でうまくやっていくには、相当なコミニュケーション能力が必要だ。

 2010年の全国新規就農相談センターの調査によると、新規就農者の7割が、農業だけでは生活ができていない状況にあるという。就農直後は収穫も安定しないだけに、厳しい生活が待っているのは間違いない。

■漁師「船に乗るか近海漁業をするかで大きな違いが」
就労1~3年の推定年収/200~600万円

 一昔前は借金をしたら、“マグロ漁船”に乗れば一気に返せる、なんていわれていた。しかし、実際にマグロ漁船に乗っても、そんなにすぐに稼げるようになるわけではない。

 岩手県遠洋まぐろ漁業者協会によれば、漁船員になった1年~2年目の新人は年収ベースで363万円~410万円とある。乗船から5年くらい経ち、一等航海士の資格を取れば、年収ベースで580万円~650万円にはなるそうだが、テレビに出てくるマグロ漁船員のようになるには、かなり時間が必要だ。

 沿岸漁業をするにしても、数年間は地域コミュニティに参加し、漁協に参加しないと漁業権を取得することができない。それまでは、他の漁師の手伝いをバイト的にするしかないのだ。もちろん、独立しても漁船などを買うには多額のお金がいる。そして遠洋漁船に乗るにしても沿岸漁業をするにしても、体力が必要だ。40代のあなたは、ついていけるだろうか?

■喫茶店マスター「地元密着で常連客をつかめるか?」
就労1~3年の推定年収/100~300万円

 老後は、のんびり喫茶店のマスターをすることを夢見ている人も多いだろう。最近はカフェチェーン店など、ライバルは多い。そんな中で生き残るのは、いかに常連客をつかむかによる。

「私は脱サラして自家焙煎の珈琲店を、スナックだった店を居抜きで借りて開業しました。珈琲専門店にしたのは、料理も出す喫茶店は手間もかかるため、うまい珈琲に特化しようと思ったから。開業資金は500万円ほど。お金がかかったのは珈琲の焙煎機。これが200万円以上。あとはテーブルや椅子など。開店して1年ほどで、お年寄りを中心に、地元の人が、それなりに入るようになりましたね。若者が少なく騒々しくないのがいいようです。年収は300万~400万の間。増えもせず、減りもせずって感じ。9時から7時まで、のんびり商売してます」(5年前にカフェを開業したSさん)

 一度、地元に定着すれば、ある程度収入は計算できる。それまで頑張れるかが鍵のようだ。

■作家「小説家の5年生存率は5%!?」
就労1~3年の推定年収/0~2000万円

 芸人だって、芥川賞を取れるなら俺だって……小説を書いて作家デビュー! と、うまくいっても大変なのは、実はそこから。新人の作品が出版される場合、数千部からスタートする場合がほとんどだ。

 作家の印税とは出版された本1冊に対する収入で、おおむね10%程度。たとえば、1冊1500円の本を5000部刷ったとして、印税は75万円。年収300万円くらいの収入を得ようとすると年に4冊は本を出さなければならない。しかし、新人が年に4冊というのは至難の業。それに、デビュー作、2作目がそれなりに売れなければ、後の執筆オファーもないのだ。

 出版社で文芸を担当する編集者が語る。「デビューが決まった作家さんには、まず本職は絶対に辞めないように言いますね。当たれば数千万や億だって稼げますが、そんな人はめったにいませんよ」

 作家がデビューして、5年生存率は約5%ともいわれている。まさに才能がすべての厳しい世界なのだ。

■映画監督「映画への愛だけで生きていけるか?」
就労1~3年の推定年収/0~400万円

 映画監督になるには、まず自主映画のコンクールで賞を受賞して、映画業界に入るのが一般的だ。しかし、賞を獲っても、いきなり映画会社からのオファーなどはありえない。スポンサーを探し、作品を撮り、その後に配給会社を探して上映するのだが、その過程で監督の持ち出しで撮影をすることも多い。

「映画の予算は最低で3000万円くらい。監督料というのは製作費の8%が相場。もし撮影に1年かかったら240万しか収入がないことになります。食うや食わずの人ばかりですよ」(ミニシアター系の映画配給会社プロデューサー)

 若手映画監督の多くは、CMやPV、その他、映像製作全般の副業をしている人も多い。中にはセクシービデオの監督をしている場合も……。製作費が億単位の作品の監督ができるのは、ほんの一握り。映画への情熱や愛がないとできない仕事だ。

■デイトレーダー「損しても平常心を保てるか?」
就労1~3年の推定年収/0~600万円

 ネットで資金を運用して、大金持ちに! そんな夢をかなえられるのが、株やFXをネットで取引するデイトレーダーだ。会社を退職して、退職金や貯金を資金にして挑戦する人も少なくない。

「場が開いている間は、ずっとモニターを眺めて取引するので、トイレに行くこともできません。海外市場は夜中開いているので、時間も不規則ですし……。刻一刻とお金が増減していくのは精神的にもつらいですよ」(デイトレーダーのSさん)

 株の先物取引やFXでは、資金の何倍ものお金を運用することができる。その場合、儲かる額も多いが、損する額も大きい。「結局、長く続けるなら、資金の5~7%くらいの上がりを目指し、ちまちま稼ぐのがいいと思いますね」(前同)

 一攫千金を狙えば一文なしになってしまう可能性もあるだけに、手堅く運用するのがコツというわけだ。

■YouTuber「小学生が憧れる職業の現実は……」
就労1~3年の推定年収/0~10万円

 YouTuber(ユーチューバー)とは自作の動画をYouTube(ユーチューブ)にアップし、そこから得られる広告収入を得ている人のことだ。最近では、数千万円の収入を得る人もいて、小学生などの憧れの職業ともなっている。

 広告収入は1PV(ページビュー)あたり0.1円程度が基本。月収25万円を稼ぎ出すには、月で250万PV。1日に8万PVが必要となる。しかし、そんなPVを叩き出せるのは、日本でも数えるほどしかいない。お笑い芸人や芸能人の動画でも、そこに達している者はほとんどない。

 先日、宅配業者をチェーンソーで脅した動画を公開し、逮捕されたYouTuberがいたが、彼は7年間に577本も動画を公開したが、収入総額は約45万円だった。現実は厳しいのだ。

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