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若狭勝氏が語る「小池百合子都政の今後」

[週刊大衆2017年07月03日号]

若狭勝氏が語る「小池百合子都政の今後」

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 小池百合子東京都知事(64)が、早くも正念場を迎えようとしている。6月23日に告示され、7月2日投開票の都議会議員選挙の結果によっては、都政運営に大きな影響が出るからだ。

 豊洲市場移転問題と東京五輪という2つの難問を抱えた現状に批判の声が出始めた中での選挙戦。そんな小池氏の強い味方にして“参謀”とも言えるのが、若狭勝衆議院議員(60)だ。昨夏、都知事選出馬を表明した小池氏の街頭演説、第一声から行動を共にするキーマンである。

 6月1日、小池氏は自民党に離党届を提出。自ら立ち上げた「都民ファーストの会」代表に就任した。若狭氏は、5月31日に離党届を提出し、行動を共にすることを表明。そして、6月30日発売の書籍『参謀力』(双葉社)に熱い思いをつづった若狭氏が、都議選と“安倍一強”の国政について激白する!

「都議選が近づいてきたことは、とても刺激的ですし、同時に使命感も感じています。今、安倍政権は加計学園や文科省文書などの問題が噴出してますよね。私はこれを“三乗問題”と言ってるんです。つまり“自民党一強”“安倍一強”“しがらみ政治”の三乗ね。3つが絡み合うことで、いろんな弊害が起きている。もちろん“自民一強、安倍一強で何が悪い”という意見はあるでしょう。だが、少なくとも官僚が萎縮してしまい、自由に物が言えなくなっている状況がある。

 はたして、これでいいのか? 私は危ないと思う。これまで日本の政治を動かしてきたのは、しがらみ政治。そんたく忖度政治をはじめ、利権構造になじみ、一部の人や団体に対して忖度し、利益を与える。いいことをいい、悪いことを悪いとも言えず、透明性や情報公開にも消極的であり、時に感情的に物事を決めていく。また、税金の使い道が国民目線に立っていない。これら“しがらみ政治”が、いまだ厳然としてあった。

 清濁併せ呑むのが政治という考えもあるでしょう。でも、私はあえて“政治に正義は必要か?”と問いたい。もちろん、私の答えはイエスなんですけどね。いずれにせよ、しがらみ政治を終わらせないことには、日本の未来はない。検事として、特にここ20年間、政治家の不正・腐敗を追及してきたが、その原因はしがらみ政治だと思う。

 そう考えたときに、私はしがらみ政治から脱却するための原動力は女性の力だと思うんですよ。一般的に女性はしがらみ社会に染まっていない人が多いでしょ。その点、男は弱いですよね、しがらみ社会に。“お前、そうは言ってもさぁ”となるわけですよ(笑)。そういう意味で小池さんは東京都のトップリーダーとして、しがらみ社会を打破する大きな力になれる人。僕が彼女を支持する理由の一つが、それなんですよ。

 小池さんは政治家としての実行力、創造性、決断力に富んでます。クールビズを定着させたのも彼女。また、2007年、防衛大臣になってすぐに“防衛省の天皇”といわれた事務次官をクビにしましたが、あれは男の防衛大臣なら絶対できなかっただろうね。その事務次官は数か月後に収賄容疑で逮捕され、有罪判決を受けた。小池さんは先見の明もあったわけです。

 なんだかんだいっても日本は男社会。国連からも女性差別の撤廃が進んでいないという、不名誉な勧告を毎年のように受けてますが、小池さんが都知事として東京五輪・パラリンピックで華々しく活躍する姿を世界に発信すれば、日本の国益にもなると思いますよ」

 若狭氏は14年の衆院選比例区で初当選。昨年、国会議員を辞職した小池氏の後釜として東京10区の補選に立候補して当選した。

 東京の下町・葛飾区に生まれ、足立区で育った庶民派の若狭氏は中大法学部卒業後、司法試験に合格。83年から09年まで検察官として東京地検特捜部副部長、同公安部長などを歴任。09年に弁護士登録して以降、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍した。「素朴な正義感」を基軸にした活動は、政治家になっても変わることがない。

「検察官として30年近く仕事をし、多くの修羅場を体験した私に言わせれば、最近の総理官邸のリスク管理は穴だらけです。森友学園、加計学園の問題、文科省から流出したとされる文書の問題、これらは一つに、しがらみ政治に由来する。

 森友学園への国有地売却問題では、近畿財務局の職員に対する大阪地検特捜部の捜査はすでに相当進んでいるはず。刑事事件に発展する可能性は高いと思う。ま、関係者はたいてい“書類はない”と最初は言う。ないと言われて“はい、そうですか”では捜査にならない。自分の経験から言うと、ああいうふうに“ありません”と言ってる書類はまずあるんですよね(笑)。

 一方、加計学園の問題はより根が深い。“官邸の最高レベルが言っている”“総理のご意向”と記された文科省の文書について、菅官房長官は怪文書扱いしただけでなく、はなから“調査する必要はない”と言い続けた。木で鼻を括るような対応に終始したのは、極めて稚拙。一般企業のコンプライアンス関連会見で、あれをやれば問題になる。書類の存在を明言した前川喜平前文科省事務次官の会見を見ても、私がライフワークにしている“嘘の見抜き方”の一つである“うそ反応”は見られなかったし、私も経験上、文書の書きぶりからしても“これは本物だ”と、すぐ分かった。

 5月29日に進退伺いを出したときの会見で、私は“あんな対応してちゃダメだよ。分かってないなぁ”ってことを言ったんだけど、菅さんには伝わらなかったみたいですね(笑)。いったい、いつまで“知らぬ存ぜぬ”を続けるつもりなのか(編集部注・この取材日である6月9日、松野博一文科相は文書の再調査を文科省に命じ、15日には文書の存在が確認されたとして謝罪した)。

 元TBSワシントン支局長でフリージャーナリストの山口敬之氏の逮捕が見送られたことも、悪質な案件。巷間伝えられるように、安倍首相と親しいからなどという理由で万が一、逮捕が見送られるようなことがあれば世も末。聞くところによると、所轄署の逮捕状執行には検察官にも報告し、その了解を得ていたそうなんです。にもかかわらず、警視庁本部の中村刑事部長が突然、逮捕状の執行中止を命じたわけです。刑事実務として、ありえない話です。

 中村部長は以前、菅官房長官の秘書だった人ですから、裁判官が逮捕の必要性を認め、逮捕状の発付までしたのに、なぜ、その裁判官の判断を尊重せず、逮捕状の執行を中止させたのか、あらぬ誤解を招かないためにも説明責任を果たしてほしいですね」

 東京都議会の議員定数は127。小池都知事率いる都民ファーストの会の公認候補は現時点で48人だ。朝日新聞の最新の世論調査によれば、有権者の投票先は自民党27%、都民ファーストの会27%と拮抗。一方、日経新聞の調査では「都民ファーストの会には期待しない」とする回答が60.4%に達している。

「小池さんとはそこそこ連絡を取ってますが、私は公認候補の選考や政策立案には関わっていません。ただ立候補予定者の資質はいいですよ。公認会計士、弁護士、バリバリのビジネスパーソンと多士済々。気概を持つ専門職の人が多い。自民党都連は“知事が政党を率いることは二元代表制に反する”と批判してますが、逆に専門性・資格を有する議員は信念に基づき発言できて、議会が活性化すると見ています。

 懸案の豊洲市場移転問題にしても安全・安心はもちろんですが、それだけでなく、将来的な事業採算性も重要。赤字を垂れ流さず、少しでも減らすにはどうするかを検討するために多少、時間がかかってきた。税金の賢い使い方に頭が回らない自民党が躊躇なく6000億円をジャブジャブ使ったうえ、何の手立てもなく、豊洲にとにかく移れということのほうが疑問(編集部注・小池都知事は20日に豊洲・築地両立構想を表明)。

 都民ファーストの会は地域政党なので、今すぐ国政進出ということは考えにくい。ただ、それも都議選の結果次第でしょうね。都民ファーストがまだ、一般の方々に浸透していないということが各世論調査の結果につながっていると思います。今後、“都民ファースト=小池知事”ということを分かってもらえれば、風は吹くと思います。私自身は、自民党の離党届が受理されても、都民ファーストに入ることは考えていません」

 その若狭氏の議員会館の部屋の入り口から最も人目につく場所に、石破茂・元防衛大臣のポスターが掲げられている。若狭氏は自民党時代、石破派に所属していた。「石破さんは自民党の中で、しがらみから最も遠い人物と言えます。相手が安倍首相であっても言うべきことは言うという人で、しがらみに屈してはいけないと話す人です」

 その若狭氏が今、行動を共にする人物は、小池知事である。「東京都の予算13兆円はスウェーデンの国家予算に匹敵する。いわば東京都知事は“東京国の大統領”のようなものなんです。その強大な権限をうまく使えば、小池さんの言う東京大改革を前進させることができる。しがらみ政治から脱却し、50年後に小池都政は素晴らしかったと評価されるような改革を実現してもらいたい。私も座右の銘“千万人と雖も吾行かん”(孟子)を肝に銘じて、微力ながら、お役に立ちたいですね」

 決意を固めた若狭氏。30日発売の書籍『参謀力』も目を通すべきだろう。

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