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『ドラゴンクエスト』がファミコン時代から「色あせない」理由 【ファミコン大放談】

 かつてのファミコンキッズが、子どもの頃に夢中で遊んだ思い出をオトナの視点から振り返る。今回のテーマは、日本人の誰もが愛する『ドラゴンクエスト』。ファミコン時代から受け継がれる、その「すごさ」とは?

<対談者紹介>
◆OYSTER(オイスター):ファミコン大好きな漫画家。現在『月刊まんがタウン』(双葉社)にて『新婚のいろはさん』を連載中。代表作に『光の大社員』『超可動ガール1/6』等。(※OYSTERの「O」は、ウムラウトつきで表記)
◆軽部にーさん:ファミコン大好きな編集者。ゲーム雑誌の編集等を経て、現在はフリーのファミコン好きエディターとして活動中。

軽部にーさん(軽部):日本にRPGというジャンルを定着させた『ドラゴンクエスト』シリーズは、ファミコンだと4作品出ています。この中だと、一番好きなのはどれですか?

OYSTER(オイ):『3』ですかねぇ。にぎやかでゲームの自由度も高いし。あと、平原の曲がいさましくて好きなんですよ。

軽部:いきなり音楽の話!(笑) 音楽でいえば、僕は『2』の一人のときの曲が好きですねぇ。ゲームとしても『2』が一番かな。

オイ:『2』は“カギ”ですよねー。

軽部:あぁラゴス(※1)! ほんと探せなかったなぁ。当時学校で「ラゴス見つけたヤツがいる!」って騒ぎになったの、今でも覚えてますよ(笑)。

オイ:あと『2』といえば、ギガンテス、キラーマシン、マドハンド……。

軽部:今の『ドラクエ』に出てくる定番の敵が『2』で出そろった感はありますね。敵だと、僕は門番の3大ボス(※2)のインパクトがかなり大きかったな。

オイ:いましたねぇ~。

軽部:ヤツらとの戦闘って、ダメージ与えてもピシーピシーって音だけで、いつものように画面が揺れなかったじゃないですか。「え、なんかいつもと違う!」って緊迫感がものすごかったんですよ。

オイ:結局、ファミコンの性能の限界だったんでしょうけど、それが演出としてうまく転んでますよね。

軽部:あー確かに。

オイ:それでいうと、僕は『3』で主人公の父親が出てくるところを、すごく覚えてるんですよね。主人公の目の前で、父親が倒されちゃうんだけど、感動……というよりは違和感が勝っちゃった。あまりに唐突だったこともあるけど、何より父親がカンダタ(※3)と同じグラフィックだったから(笑)。

軽部:ハード性能の限界の不幸な例だなぁ(笑)。

オイ:敵キャラと同じグラフィックってねぇ(笑)。

<注釈>
※1:盗人。水門のカギを持っている。とんでもないところに隠れていた。
※2:アトラス、バズズ、ベリアル。ハーゴンの神殿を守っている。でかくてすっげえ強い。
※3:きんのかんむりを盗んだり、娘をさらったりした大盗賊。ドラクエ名物キャラの1人。

軽部:マシンスペックに頼らない演出ということなら、やっぱり『1』は素晴らしかったですよ。橋を渡るとそれまで見たこともない敵が出てくるとか。やっとたどり着いた町が滅ぼされているとか。

オイ:『1』だったら、なんといっても竜王(※4)でしょう。もう態度がカッコイイ。最初は紳士ぶって「お前に世界を半分やろう」とか言ってるくせに、要求を突っぱねると襲いかかってきて、しかも負けそうになると本性を現す。「これぞ魔王!」って感じ。

軽部:やっぱり『ドラクエ』はキャラがいいですよね。物語とは直接リンクしないキャラでさえも、やたらキャラが立ってる。

オイ:そうそう。『ドラクエ』ってなんか“生きてる”感じがするんですよ。

軽部:生きてる?

オイ:そう。コショウを欲しがる王様がいたり、孫の将来を心配するおばあさんがいたり、まず“人”がいるんですよね。そして、その人とのつながりでゲームが進んでいく。

軽部:あーそうですね。物語がつづられるというよりは、いろんな細かい状況が散らばっていて、それにちょっとずつ触れながら、大きな世界の動向を知る、みたいな。

オイ:町の人とのちょっとした会話がまたいいんですよー。他のストーリー重視のRPGだと、会話がどこかお芝居っぽいじゃないですか。もうすでに物語の落としどころがあって、それを第三者に向かって説明している感じで。でも『ドラクエ』のキャラクターとの会話は、本当に「対話」というか、そこに生きてる人としゃべってる感覚がすごく強い。

軽部:確かにそうかもしれないな……。いや実は僕、若い頃に『ドラクエ』つまんない、『ファイナルファンタジー(FF)』のほうが断然面白い……みたいな時期があったんですよ。

オイ:あー分かる分かる(笑)。なんか『ドラクエ』がダサイ、『FF』はオシャレ的な。やくそうよりポーションがカッコイイ、みたいな(笑)。

軽部:そうそう(笑)。でも大人になって、不思議とまた『ドラクエ』派に戻っちゃったんですよ。ちょっと子どもっぽいかもしれないけど、あの空気感というかあの雰囲気がたまらなく居心地よくって。でも、『ドラクエ』のそういうとこって、確かに“ストーリー”で作られるものじゃありませんよねー。

オイ:RPGの中には「怪物と戦うことはいいことなのか?」とか、善悪の価値観の対立みたいなところまで行っちゃう作品もありますけど、『ドラクエ』は極めてストレートじゃないですか。

軽部:勇者が悪を倒す。構造がベタというか、分かりやすいですよね。

オイ:「ワシは○○の王様じゃ」って言えちゃう感じ。でも、そんな分かりやすさのおかげで、どんなことでもすんなりと受け入れられる。『ドラクエ』のすごいのは、細かい説明がなくても、ちゃんと遊び手が全部理解できるような世界を作り上げていることだと思うんですよ。

軽部:それって、かなり高度なことですよね。ただ、分かりやすくても浅くない。複雑で大人っぽいものにも負けない深みがある。

オイ:しかも「おとぎ話」であることからけっして外れないじゃないですか。王様は王様らしいし、兵士は兵士らしいし。『ドラクエ』は、きちんと完結した良質の「おとぎ話」なんですよね。

軽部:さっきの会話の話もそうですけど、そのへんが『ドラクエ』らしさなのかもしれませんねぇ。……個人的に『FF』を好きだった理由ははっきりしてるんです。ずばりゲームシステム。

オイ:“アンチドラクエ”で進化していたから、やりがいはありましたよね。

軽部:まさにそこです。じゃあ、『ドラクエ』が好きな理由って何だろうって、あらためて考えてみたんですけど、ポンと出てこなかったんですよ。でも今話してて、ちょっと分かった気がします。……あー『ドラクエ』やりたくなってきた!(笑)

<ファミコンでリリースされた『ドラゴンクエスト』シリーズ>
●ドラゴンクエスト(1986)
思い出>階段コマンド。ゆうてい、みやおう、キムこう。ゴーレムにはようせいのふえ。「ゆうべはおたのしみでしたね」。復活の呪文は2つメモした?

●ドラゴンクエストII 悪霊の神々(1987)
思い出>初めての3人パーティ。船。サマルトリア王子の名前に一喜一憂。ラゴス探しは四苦八苦。ロンダルキアの洞窟を抜けると、そこは雪国だった。

●ドラゴンクエストIII そして伝説へ…(1988)
思い出>ゆせそま。ダーマ神殿。賢者。なぜか眠気を誘うラーミア。感動のアレフガルド。バッテリーバックアップ。ちゃんとリセット押しながら電源切ってね。

●ドラゴンクエストIV 導かれし者たち(1990)
思い出>ロトから天空へ。全5章のストーリー。8人の仲間たち(ホイミン除く)。馬車&AI戦闘&カジノが初登場。みんながんばれ。

<注釈>
※4:『1』のラスボス。ちなみに竜王の誘いにのると、そこでゲームがストップする。

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