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「任天堂VSソニー」愛憎28年 仁義なきゲーム業界バトルの真相

「任天堂VSソニー」愛憎28年 仁義なきゲーム業界バトルの真相

 今から20数年ほど前に起きた次世代ゲーム機戦争。当時のゲーム業界で圧倒的な王者だった任天堂に勝利したのはソニーが開発したプレイステーションだった。任天堂とソニーの“世紀の対決”には、どんな裏側があったのだろうか――!?

 現在発売中の『懐かしのプレイステーションコンプリートブック 語ろう! 僕たちの初代プレステ』(メディアックス)から、その裏事情を読み解いてみたい。

 さまざまな事業を手がけ、多くのグループ会社を持つ大企業のソニーだが、ゲームに関しては(MSXを除くと)ファミコンで『聖飢魔II 悪魔の逆襲!』などを発売する一つのソフトメーカーにすぎなかった。しかし任天堂のスーパーファミコン(以下:SFC)にPCM音源を提供する事業から任天堂との良好な関係を築くと、1989年からはSFC用CD-ROM機(及びSFCと互換性を持つCD-ROM機)の共同開発が始まり、1990年1月には両社の社長間で合意文書も作成された。開発コードネームは「PlayStation」。しかし1991年6月にシカゴで開催された家電見本市のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで、その蜜月関係は一変する。

 ソニーがPlayStationの試作機を発表したのに対して、任天堂はソニーではなくオランダのフィリップスと提携してCD-ROM機を開発すると発表。この突然の背信行為の裏には、任天堂はソフトの供給媒体としてROMカートリッジにこだわり、CD-ROM機に対して否定的な意見を持ちながらも、CD-ROMソフトのライセンスをソニーが持つことに対して危機感を抱いたためといわれている。結局フィリップスとの共同開発によるCD-ROM機は登場することなく、SFC用拡張機器は「サテラビュー」が登場しただけに終わった。

 SFCと互換性を持つCD-ROM機としての「PlayStation」の開発計画は消滅してしまったが、ソニー内部ではさまざまな反対意見が出される中で関係者の尽力によってゲーム事業への進出が決定。1993年初頭に「PS-X」プロジェクトがスタートし、同年11月にはソニー・コンピュータエンタテインメントが誕生。そして1994年12月3日、ついにSFC互換機の開発コードネームと同じ名称を授けられた次世代ゲーム機「PlayStation」が発売された。

 SFCが圧倒的なシェアを誇っている中で登場したプレステは、同時期に登場したセガサターンとともにゲーム市場を席巻。32ビットの大容量で3DCGによるリアルな表現が可能になったソフトは、子どもが中心だったプレイ層を大人にまで広げていく。そしてSFCのROMカートリッジが定価1万円以上と高騰する中、低コストのCD-ROMで供給されるプレステ用ソフトのほとんどは5800円で登場。プレイヤーが手軽にソフトを手に取れる状況となった。

 もちろんサードパーティの充実も大きい。SFCではなかなかヒット作に恵まれなかったナムコが『リッジレーサー』をプレステ本体と同時発売させるなど、安価に開発機材を提供することで大小さまざまなゲームメーカーが参入。そして1997年にそれまでファミコンからSFCと任天堂ハードで発売されていたスクエアの『ファイナルファンタジー』(以下:FF)シリーズの最新作『FFVII』がプレステで発売される。同時期にPS本体の日本国内出荷台数が500万台を達成。任天堂も3DCGに対応した次世代ハードとなるNINTENDO64を投入したが、『FF』の参入によってシェアは完全にソニーのものとなっていた。

 任天堂ハードの看板タイトル『FF』の参入が実現したプレステは、さらに『FF』と並ぶ大人気シリーズ『ドラゴンクエスト』(以下:ドラクエ)の参入も実現させる。「最も売れているゲーム機でドラクエを発売する」とエニックスがシリーズ最新作『ドラクエVII』をプレステに投入することを発表すると、プレステの出荷台数は1997年末に1000万台を突破するなどさらに増加。すでにソニーのものとなっていたシェアをさらに強固なものとし、『ドラクエVII』は度重なる発売延期でプレステ2登場後の発売となったものの、それまでに発売されたシリーズで最も多い出荷本数を記録した。

 SFC用CD-ROM機開発の経緯から任天堂への対抗意識でプレステを開発し、シェアを奪うことに成功。そして『FF』と『ドラクエ』という人気タイトルの参入まで実現させたのがソニーだった。

 しかし、それからは『ドラクエ』シリーズは『IV』と『X』が任天堂のハードで発売され(『X』後はプレステでも発売)、『XI』はプレステ4とニンテンドー3DSで登場するなど一進一退の攻防が続いている。マイクロソフトのXBOXが苦戦する中、日本国内では「任天堂VSソニー」の構図は今後も続いていくだろう。

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