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取り憑かれた生霊を祓うために「陰陽師が用いた」秘術とは!?

取り憑かれた生霊を祓うために「陰陽師が用いた」秘術とは!?

 特に理由もなく、なんとなく体の調子が悪い……そんなとき、古来、日本では「生霊に取り憑かれている」のかもしれない、と考えられた。生きている人間が、他人に生霊を飛ばすときには、負のエネルギーが関わっているとされ、具体的には恨み、憎しみ、嫉妬、執着心、怒り、被害妄想、恋愛感情、支配欲、独占欲などが原因になるようだ。以下のような症状が、生霊が原因と考えられてきた。

・眠れない
・無気力になる
・頭痛や肩こりが続く
・ぎっくり腰になる
・手足にあざができる
・金縛りにあう
・息苦しい
・喜怒哀楽の感情が希薄になる

「生霊に憑かれた」ときの除霊方法とは

 また除霊の方法としては、一般的に以下のようなものがある、とされている。

・粗塩を体に振りかける
・粗塩を常に持ち歩く
・酒風呂に浸かる
・水場と玄関を掃除する
・神社へ参拝する
・お墓参りをする

●生霊を除霊してくれる神社仏閣

 生霊を除霊するために、最もポピュラーな方法が厄払いだ。現在でも、厄払いをしてくれる神社仏閣が、数多く存在する。

神田明神(かんだみょうじん)

〒101−0021 東京都千代田区外神田2丁目16−2

 東京、神田、日本橋、秋葉原、大手町、丸の内、築地魚市場など108の町会の総氏神として、1300年近くの歴史を持つ神社。防災厄除の神様として、平将門命が祀られている。

初穂料:10000円〜

大国魂神社(おおくにたまじんじゃ)

〒183−0023 東京都府中市宮町3−1

 大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を武蔵の国の守り神としてお祀りした神社。出雲の大国主神と御同神で、福神、又は縁結び、厄除け、厄払いの神として著名。大國魂神社は武蔵国の総社で、東京五社の一社。関東三大奇祭の一つ、「くらやみ祭り」で有名。

初穂料:5000円〜

深大寺(じんだいじ)

〒182−0017 東京都調布市深大寺元町5丁目

 約1300年の歴史を持つ、天台宗別格本山の寺院。元三大師を本尊とし、厄除、家内安全、商売繁昌、身上安全、身体健全、交通安全、無病息災、當病平癒、良縁成就、安産、学業成就、試験合格などの護摩祈願を行ってくれる。明治42年に発見された銅像釈迦如来像(白鳳仏)が、新たに国宝指定された。

祈願料:3000円〜

●注意するべきこと

 もちろん、体の不調を感じたら、まずは医師に相談することが大切だ。安易に「自分は除霊ができる」と近づいてくる人には要注意。高額な料金を請求されたり、弱みにつけこんで洗脳してくるケースもあるのだ。生霊の存在は、科学的に証明されていない。

「生霊」とは、どんなもの!?

 ところで、そもそも生霊とは一体なんなのだろうか? 辞書では、以下のように定義されている。

【生霊】「生きている人の恨みや執念が怨霊となって人にたたるもの。いきすだま」(デジタル大辞林 第三版)

【生霊】「生者の霊をいい,死霊とともに憑依霊の一つと考えられている。怨念をもって他者の肉体に憑依し,死にいたらしめることさえあると考えられ,祈祷師の呪術によるほかは逃れる法はないとされた。生魑魅(いきすだま)もこれと同じものである。この生霊と比べられるものに生御霊(いきみたま)があるが,これは生霊のように異常なものではなく,人間の本来もつ魂がそれであると考えられ,生者の霊を祀りその長寿を祈る生き盆の民俗行事が生れた。現在でも南西日本の山村などで生霊の信仰が存続している」(ブリタニカ国際大百科事典)

【生霊】「人に憑(つ)く人間霊のうち、生きた人の霊。これに対し死霊は、死者の霊が憑くことをいう。憑き物現象の憑依(ひょうい)霊の一種。ある人が、友人などに対し、ねたみ、そねみ、恨み、憎しみなどの激しい感情をもっていると、その人の霊は肉体から遊離して相手に取り憑いて苦しめ、ときには殺すこともできると考えられていた」(日本大百科全書)

 基本的に、「生きている人間の霊」が、「生霊」の概念だといえるだろう。

生霊と普通の霊との違いは?

 生霊をもっと知るには、それを包括する概念である「霊魂」の定義を知る必要がある。辞書には以下のように定義されている。

●霊魂の定義

【霊魂】「その人が生きている間はその体内にあってその人の精神を支配し、死後も存在しいろいろな働きをなすと考えられるもの」(新明解国語辞典第二版)

【霊魂】「肉体と別に、それだけで一つの実体をもち、肉体から遊離したり、死後も存続することが可能と考えられている非物質的な存在。魂。魂魄 (こんぱく) 」「人間の身体内に宿り、精神的活動の根源・原動力として考えられる存在」(デジタル大辞泉)

【霊魂】「肉体と独立に人間の精神的・生理的諸活動を支配しかつその原動力と考えられている精神的実体。英語のsoul、spiritに相当。未開民族は夢・幻・死などから、肉体とは別の霊的存在を信じ、それは自由に肉体を遊離・出入し得るとする」(百科事典マイペディア)

日本の古い文献に残る「生霊」の記述

 現代に残る古い文献の中には、「生霊」についての記述がしばしば見られる。中でも代表的なものをいくつか紹介したい。

●『源氏物語』

 紫式部が平安時代中期に書いたとされる『源氏物語』には、六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ、ろくじょうみやすどころ)という人物が登場する。光源氏の初期の恋人の一人だが、教養、知性、身分に優れプライドの高い御息所を、源氏は次第に持て余すようになる。御息所は源氏にのめり込んで独占したいと願いながら、プライドの高さゆえに素直な態度を見せることができず、生霊となって、光源氏の正妻である葵の上を苦しめる。

●『今昔物語集』

 平安時代末期に成立した説話集。二十七巻の二十話で、近江国(現在の滋賀県)の女が民部大夫(現在の官僚にあたる身分)に離婚され、生霊が京(現在の京都府)まで行って取り殺した、という話が紹介されている。

●『平家物語』

『平家物語全集』などには収録されていないが、読み物系の異本『屋代本』に生霊の話が収録されている。とある公卿の娘が深い妬みにとらわれ、貴船神社に7日間籠もって貴船大明神に「私を生きながら鬼神に変えてほしい。妬ましい女を取り殺したい」と祈った。大明神は「鬼になりたければ、姿を変えて宇治川に21日間浸れ」と告げた。女は髪を5本の角のように分け、顔と体を赤く塗り、逆さにした鉄輪の三本脚につけた松明を燃やして頭にかぶり、両端を燃やした松明を口にくわえ、21日間宇治川に浸った。そして、生きながら鬼になった。これが「宇治の橋姫」だ。橋姫は妬んでいた女だけでなく、女の縁者、男の親類だけでなく、誰彼かまわずに次々と殺害。源頼光の四天王の一人、源綱も襲われかけたが、名刀「髭切」で、鬼となった橋姫の腕を断ち切った。そして、その腕を見た源頼光に相談された陰陽師の安倍晴明が、鬼の腕を封印した。

古来から伝わる「藁人形の呪い」

 古来から伝わる生霊といえば、「藁人形の呪い」が有名だ。現代においても、呪いをかけられた藁人形は数多く発見されている。2017年1月23日には、群馬県のゲームセンターの駐車場に、女性経営者の名前を赤い塗料で書いた藁人形を置いて脅迫した疑いで、無職の男(51)が逮捕されている。ネット上で「藁人形セット」などが販売されているため、近年は増加傾向にあるともいわれるが、真相は定かでない。

●『丑の刻参り』とは

 丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に、憎い相手に見立てた藁人形を、神社の御神木に五寸釘で打ち込む、呪術の一種が『丑の刻参り』。前述した平家物語の「宇治の橋姫」がルーツとなっており、白装束の女性が頭に鉄輪を逆さにかぶって3本の脚にロウソクを立て、胸に鏡を吊るし、7日間釘を打つのが基本的な方法だ。また、その行為を他人に見られてしまうと効力がなくなる、と信じられている。

 その効果は不明だが、藁人形の呪いは、日本における「生霊」の定番と言えるだろう。

陰陽師が用いた、呪詛の祓い方

 「宇治の橋姫」で、鬼になった橋姫の腕を封印したのが、平安時代の陰陽師として知られる安倍晴明だ。書籍『呪い方、教えます。』(宮島鏡/作品社)によると、陰陽師には、自分にかけた呪いを解く方法が伝わっているという。

●形代の呪法

 現代でも子どもの災厄を紙や草木で作った人形に託し、川や海に流して祓い浄める「流しびな」という伝統行事が行われているが、そのルーツになっているのが、陰陽師の「形代の呪法」である。自分一人でも簡単に実践できる方法で、自分に害をもたらす人間から与えられた痛み、苦しみを捨て去ることができるという。以下に、そのやり方を紹介したい。

1)形代を作る

 男性は白紙(黃紙でも可)、女性は赤紙を用意。自分の身代わりであると堅く信じ、人形のかたちに切る。なお、紙は和紙に限る。

2)氏名、生年月日、年齢を書く

 必ず墨で書くことが重要。

3)形代をなでる

 左手、右手、左足、右足、頭、顔、胴の順になでる。これで自分についている災いを拭い取り、自分の分身である形代に移すことができる。丁寧に三度繰り返す。

4)形代に息をかける

 両手で捧げ、形代に息を吐きかける。体中に充満するように深く息を吸い、それをすべて吐き出す。これを三度行う。

5)形代を流す

「祓いたまえ、清めたまえ。急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」と三度唱えながら、川か海に流す。これで清浄な心身に立ち戻ることができる。

まとめ

 どうしても生霊に取り憑かれた、という感覚が拭えないのであれば、「形代の呪法」を試してみるのもいいかもしれない。効果が出れば幸いだ。

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